第1章 覆された日本史の定説
第2章 あの歴史用語はこう変わった!
第3章 あの肖像画はいったい誰?
第4章 新事実により教科書の記述も変わった!
第5章 教科書でも変わりつつある人物評価
種子島に鉄砲を伝えたのは、ポルトガル船ではなく、「中国人倭寇」の船だった!
日本一の古墳は「大仙陵古墳」(仁徳天皇陵は?)
最古の貨幣は「富本銭」(和同開珎の立場は?)
聖徳太子の事績は虚構(存在もあやしい!?)
鎌倉幕府成立は1192年ではない(諸説の一つに!)
斎藤道三は親子二代の下剋上(油売りではなかった!?)
徳川綱吉は名君だった(生類憐みの令を出したのに?)
江戸時代、鎖国などしていなかった(「海禁」というべき?)
覆される「日本史の常識」!
「昭和~平成」でこんなに変わった歴史の教科書。
本書は目次にあるように、昭和~平成になって歴史が書き替えられたものが紹介されています。
みやちゃんのような昭和生まれが学んだ歴史と、今の学生たちが学んでいる歴史は少し違うのです。
例えば、みやちゃんはこう思っていました。
一万円札は聖徳太子であるべきだろう!
でも、本書を読むとわかります。
聖徳太子の実在には疑問があるということが…。
歴史研究が進むのも考えものですね。
誰もが尊敬していた人物だったのが実在に疑問があるということから微妙な立ち位置になっていく…。
別に今まで通りでいいじゃないかとみやちゃんは思う。
今の時代、ワンピースのルフィやスラムダンクの安西先生を尊敬するという人もいるのだから。
こういったキャラクターたちは、いわば思想が具現化した人物です。
お札になっても面白いと思います。
さて、本書で一番びっくりしたのは人類の二足歩行についてです。
これまでの定説では、最古の人類はアウストラロピテクスだと言われていましたが、21世紀に入って覆されました。
人類の誕生は教科書で学んだより200万年から100万年も前にさかのぼるというのです。
今が西暦2019年、皇紀だと2679年だから、200万年~100万年も前だというのは想像に絶します。
2001年に、アウストラロピテクスよりも古い、700万年~600万年前に生息していた猿人の化石が発見されました。
この猿人は、非常頭蓋が小さく、脳は320~380㏄程度だったのだそう。
そして、明らかに二足歩行をしていた形跡があるという。
それまでは、人類は脳が発達したことによって二足歩行を手に入れたというのが定説でしたが、この猿人の発見によって、人類が脳の発達によって二足歩行を始めたのではなく、逆に二足歩行をしたから脳が発達したことが判明したのです。
もう一つビックリしたのは「神風」は2度ではなかったということ。
定説では、蒙古襲来(元寇)の一度目「文永の役、二度目「弘安の役」ともに台風による暴風を受けて元軍が壊滅したされていました。
ところが、どうやら一度目の「文永の役」では強風は吹いていなかったとのこと。
文永の役は現代の暦で11月26日にあたり、西日本に台風が来るとは考えにくい。
この時の襲来は元軍による偵察で、長く戦いを継続する用意がなかったために引き上げただけだという。
弘安の役では実際に暴風が吹いています。
この戦いでは日本軍は20キロにおよぶ石塁を築いて2か月に渡って元軍の上陸を阻止、こうしているうちに台風がシーズンを迎えたという。
最後にもうひとつ覚えておきたいことがあります。
それは本能寺の変において信長は無防備ではなかったということ。
本能寺は創建以来、様々な理由で京都内を転々としていて、本能寺の変が起きた当時は今まで考えらていた場所と違うところにあったという。
発掘によって明らかにさらた本来の場所の本能寺は、周囲を掘りで囲まれていて、内部も堀によって区画されていたという。
その堀は、幅6メートル、深さ1メートルもある立派なモノでした。
また、一部には石垣も設置されています。
信長は本能寺を自分が安全に泊まる専用の要塞としていて、堅牢な塀や堀を築いて防御していたのだそうです。
さまざまな方面で研究が進むなかで、従来の歴史の定説を覆す多くの新事実が新たに明らかとなり、次々に日本史は書き換えられているのだ