こんにちは、吉田です
今回は「踏掛版(ふみかけばん)」の話です
ふみかけばん.....
高欄や伸縮装置よりもマイナーな言葉だと思いますので
いつもどおり説明から
踏掛版とは、橋の両端の外側(橋と道路が接続する箇所)にある
大きくて、分厚いコンクリートの版のことを指します。
(普段は地面の下に埋まっているため見ることはできません。。)
下の写真の手前にあるコンクリート版が踏掛版です
基本的に橋の両端にあります。
---- いきなり質問コーナー ---
Q:なんで踏掛版を造る必要があるの?
A:道路が沈んで段差やひびを生じさせないようにするためです。
橋台(橋の両端の土台)は大きなコンクリートで、地下深くまで
造られてるため、沈みにくくなっています。
しかし、道路側の地面の下は基本的に土や砂利であるため
沈みやすくなっています。
道路側が沈んでしまうと、橋側との段差ができ、
振動や騒音などの公害が発生してしまいます
Q:なぜ沈むの?
A:車の重さや地震等による影響により沈みます。
特に下りでは、車が橋から降りる際に荷重がかかりやすく
道路下の地盤が年々沈んでいきます。
踏掛版が車の荷重を吸収し、分散してくれるため、
一箇所に荷重がかかることを防いでくれます。
また、地震により、地盤が緩んで沈むこともあります。
東日本大震災において踏掛版を設置していない橋の
約4分の1に段差が生じたという調査報告もあります
--- ---
以上のように、普段は地面に隠れて見えないものですが、
影でとても大切な役割を果たしてくれている構造物です
実際の施工写真(ダイジェスト版)を見てみましょう!
まずは踏掛版を設置する箇所の土を掘り、スペースをつくります。
掘った箇所に透湿性のポリシートを敷きます。
ポリシートの上に鉄筋と型枠を設置した状態です。
鉄筋が設計通りの本数あるか、位置が正しいか、等の確認をします。
鉄筋が正しく設置されていることを確認し、
発注者から合格がでたのち、コンクリートを打設します。
(見えなくなってしまうため、コンクリートの打設前に発注者の確認が必要です)
コテで均し、どんどんきれいになっていきます。
左官屋さんの職人技はいつ見ても感動します
打設後の写真です。
養生後、型枠を脱型して完成しました
(反対も同じものができています。)
幅は6m、長さは5mです。
しっかり車の荷重も吸収してくれそうです。
最近はコンクリート製だけではなく、
鋼製のものやアスファルトでできた踏掛版も出てきたそうです。
気になりますね。
次回は「橋面舗装」についてです
少しずつ完成に近づいてきました
次回もお楽しみに