前回までの引越遍歴
研修が修了する数日前に人事部から配属後の寮の説明がなされる
概要は以下の感じ
(1) 移動先は会社で借り上げている集合住宅のうち3寮から選択
(2) 現寮を希望する場合は残ってもよい
(3) 自分で賃貸契約をする場合は退寮届を提出
(3)は環境に合った物件を選択可能であるが入社数か月の我々にとって
敷金礼金⁺仲介手数料の莫大な初期費用の捻出は厳しい
そもそも部屋探しは面倒臭い
(2)はこの環境を選択する酔狂な奴が存在するのかと誰もが思う中で...
いるんだな、それが
この話も機会があればまた今度
ということで(1)以外の選択肢は事実上排除される
次の選択肢となるのは3つの社員寮のうちどれを選ぶかであるが
各寮も空部屋数に限りはあるため希望者が集中した寮は希望通りとはならない可能性がある
ちなみに寮費はもともとの賃料の3割が社員負担となる(社則より)
ここで選択肢となる各寮の概要
寮A:
神奈川県川崎市
RC造のマンションタイプ
地下に駐車場(料金別)あり
寮B:
東京都稲城市
軽量鉄骨アパートタイプ(ロフトあり)
敷地内に駐車場(料金別)あり
寮C:
東京都稲城市
RC造のマンションタイプ
敷地内に駐車場なし(近隣に一般月極駐車場あり)
寮Bと寮Cの最寄駅は同じであるが駅まで近いのは寮B
寮費は 寮A > 寮C > 寮B
寮費の負担と駅までの距離、利便性、駐車場の有無
さらに駅から寮の間に食品スーパーがある点を踏まえると寮Bが第一希望
全員同じ情報を得ているので必然的に寮Bが一番人気となる
その結果、寮Bの空き部屋に対して希望人数は上回る
倍率が1を超過した場合なんらかの手段により1に収めなくてはならない
解決にはやはり古より伝わるアレが最適である
B寮希望者によるジャンケン大会が盛大に開催される
念のため言っておくが
ここは社員研修の場であり現在は勤務時間中である
まるで飲み会のような盛り上がりを見せる中で
無事に"寮B"の確保に成功
しかしこの選択が後の災難を招くことになることは知る由もなかった
ここで余談
東京生まれの(10歳までの)東京育ちのワタシであるが
ここに至るまでに
稲城市の存在は知らなかった模様
何もないので習わないんだもの
そんな喧騒を経て幾日か後に迎えた人事研修最終日
お世話になった担当上司や先輩社員への挨拶も程々に引越し作業である
荷物は多くはないもののハンドキャリーには限界がある
そこで車を持ち込んでいた同期が協力して各寮へのピストン輸送を実施
ワタシもその(車を持つ数少ない)一人であったが
当日に実家に戻る用事が発生してしまい作業に参加できず
それどころか自分の荷物も同期に運んでもらうというポンコツっぷりを発揮
そんなこんなでバタバタの転寮は完了
新しい住まいはごく普通の2階建てのアパート
寮Bは敷地内に2棟の構成で1棟あたり16部屋ぐらいだったと記憶している
会社がその全てを借り上げているので居住者は先輩も含めて社員しかいない
間取りは1Kでバス・トイレ・洗面は3点ユニット
6畳フローリングに2畳程度のロフトがある構成
さらに1畳程度のクローゼットもあった記憶がある
生活面では最寄駅まで徒歩5分
駅からすぐの場所に食品スーパーもあり
幹線道路も目と鼻の先と電車、車のどちらも便利
前述の通り駐車場も個人契約にはなるが敷地内にある
家賃(個人負担分)は2万円程度であるが光熱費は含まれるので実質的には1万円程度である
同期だらけなので週末に集まっては騒ぎ
近隣住民から苦情がきていると総務に怒られたり
配属されても一向にガクセイ気分が抜けていない
そんな快適生活を謳歌していたのであるが...
長くは続かなかった
転居してわずか1年と少しばかりが経過した頃
当時、ワタシは三鷹の某社の研究所が勤務先となっていた
ある日の勤務時間中に珍しく直接の上司から電話とのこと
まだ悪いことはしていないのに...とドキドキしながら電話に出ると
上司「お前の住んでいる寮が再来月で廃寮になるぞ」
ワタシ「………」
Ω な、なんだってー!?
これが以前に書いたブログに続く話
おおまかな流れはすでに書いてしまっているが
本シリーズでは当時のことをもう少し細かくお届けしようと思う
続く