2018年版「ブラックペアン」前半の感想は以前に書いているので、今回は後半について書く。「知らなくていいコト」は序盤と終盤だけ見て中抜き状態だったので、中盤の感想をちょっと補足するくらい。それと3つ目は、TBS「アンチヒーロー」で最後に反旗を翻した木村佳乃がかつて出演していたドラマ。

 

●TBS「ブラックペアン」(6-10話)

治験コーディネーターの加藤綾子はクールで良かった。第7話で彼女の過去が明らかになり医療過誤に対する厳しい姿勢がハッキリしたのは終盤の展開にも繋がって良かった。と同時に「人の敵は人」って科白も滲みる。サラリーマン生活している頃に、キチンとコミュニケーションを取らないでそういう問題を起こす人がいた。こういう話は尾を引く。

 

帝華大・猿之助の悪辣な態度は、日曜劇場らしいシーンでドラマに不可欠なんだろうけどやっぱり不愉快。

 

<TVerより>

 

最後の2話は怒涛の展開で面白かった。勧善懲悪の展開に捕われることなくDr渡海もDr佐伯もそれぞれに真摯な姿勢で目の前の患者に接していたってこと。Dr渡海が父の恨みであれだけオペの手技を磨けたのならそれもそれでアリだな。Dr佐伯が止血のために已む無くペアンを患者の体内に残しておいたのなら仕方ない。12年経過してそれでももう一度ペアンを体内に入れたまま閉胸するシーンはドキリとした。Dr渡海が「メシ炊いといて」と言って消える、1オペ=1000万円で強欲に奪取していたカネも寄付していたと分かりスッキリ回収できた。

 

勿論、突っ込みどころがない訳じゃない。3点ほど挙げておこう。

 

カーボン製でレントゲン画像に映らないブラックペアンに交換したとしても、12年経過してもっと小型のペアンとか脳出血や脳腫瘤を止めるクリップでは駄目だったのか?

 

体勢によって患者がずっと痛み苦しんできた。喩え再手術が難しかったとしても12年もその症状が続いてきたのに本人にホントの事をずっと黙ってきた態度はどうなのか?

 

また、何回だったか覚えていないが、渡海一郎医師が責任を被って医局を去るシーンで、Dr佐伯が横目でチラッと見つつも沈黙を守った回想シーンがあった。冷たい視線だった気がする。あのまま過ぎたからこそドラマが成立したけど、Dr佐伯が海外赴任した話と合わない気がした。

 

 

●日テレ「知らなくていいコト」(6話)

見逃した中盤を見ようとしたけど、4,5,7話はまた見逃してしまった。なので、8~10話を見た後に6話を見ることにした。


8~10話を見た後なので違和感あったものの、1話ずつのストーリーもしっかりしていたので見る価値はあった。脚本・大石静らしくNHK「ふたりっ子」のマナカナ(どちらか見分けがつかない)がゲスト出演。あれから20年以上は経っているんじゃないか。なんだか複雑な気分になる。

 

※参考:先日の「ブラックペアン」&「知らなくていいコト」感想ブログ

 

●TBS「エ・アロール」(1-8話)

2003年製作。貴島誠一郎Pらしく主役・豊川悦司、入居者に吉行和子が登場。この2人と言えばTBS「愛していると云ってくれ」で東北新幹線の駅ホームで走りながら影絵のキツネを作っていた場面を想い出す。あれは切なかった。1995年からもうすぐ30年なのか……。

 

製作サイドはそれを敢えて意識したのか、吉行和子が積極的に院長(豊川悦司)にアプローチを繰り返す。緒形拳も妙に軽いプレイボーイの役柄で、「ツマラナイ」院長のキャラを変えようと絡んでくるのは面白い。と言うか、緒形拳の人なつっこい笑顔を見ているとなんだか堪らくなってしまった。

 

TBS「ダブルキッチン」で山口智子の父役をやっていた伊東四朗も出演。他にも白川由美など八木康夫Pの90年代作品に欠かせなかった父母役の名優たちがこの老人ホームに入居している。

 

渡辺淳一の小説が原作とか。ただ、高級老人ホームって設定がドラマとして面白いかと言えばそうとも言えない。もしかして自分があと20~30年もすれば彼等の気持ちに共感できるかも知れない。けど、今はまだリバイバルな俳優たちの空気感が重かった。

 

数年前にTV10が倉本聰・脚本で石坂浩二や加賀まり子で老人ホームのドラマ(タイトルを知らない)を作っていた。2~3回だけ見た程度だが、この作品はその分野の先駆けだったのかも。

 

 

【オマケ】キリンビール一番搾りCM

つい先日、海外旅行から帰って来て何が驚いたかと云って、豊川悦司と常盤貴子が並んでCMに映っている事。これは嬉しい。正に上で触れたTBS「愛していると言ってくれ」の主役2人なのだ。

 

<ネットより拝借>


コロナ禍に2人のインタビュー動画が流れていたけど、あの当時でも1995年から数えて25年、来年で30年になる。榊晃次(豊川)は吞んだくれた姿が想像できるいいオッサンになった。水野紘子(常盤)はまだまだイケる。

 

<コロナ禍の再放送かTVer視聴にて> ※2020.6

 

※参考ブログ:コロナ禍のTVerで「愛していると言ってくれ」を見た感想