今年3月に夏沢鉱泉に泊まった時、映画ポスターが貼ってあったが特に積極的なアピールはしていなかった。山小屋らしくてそれでいい。
で、遅ればせながら見に行ったのだが、なかなか良かった。とにかく懐かしいのだ。八ヶ岳は小屋ヶ岳。32軒くらいの山小屋が営業しており、私はその半数くらいに泊めてもらっている。赤岳鉱泉から北は冬が多く、それより南の小屋は夏にお世話になっている。
<西天狗と根石岳山荘> ※硫黄岳山荘グループHPより
(1)映画に登場した小屋の想い出
映画の冒頭は根石岳山荘。あそこは稜線上に小屋を構えているので、根石岳でも箕冠山でもカメラを構えれば絵になる。私も一度下山しなくても硫黄と天狗・根石にまとめて登れるので、冬ばかり3回ほど泊っている。1度は雪山登山学校(あの時に初めてピッケルを使った)で、あと2回は単独行だった。冷え切った体に夕食のカツ煮がホントにありがたかった。水に苦労している小屋だけど、それでも手洗いの水を提供してもらえるのもありがたかった。
真冬にここの外階段で怪我して、2時間下りきってから夏沢鉱泉でいろいろお世話になったことがある。初めての冬季・根石岳はここのスノーシュー・ツアーに参加したものだった。以前はボタン鍋だったが最近は豆乳鍋が続いているのと、湯たんぽが何よりありがたい。どちらの小屋も硫黄岳山荘グループで、ここの浦野さんとは2回ほど会話したことがある。明るい小屋主さんだ。
赤岳鉱泉はステーキが有名だけど、最初に泊まった時は豚しゃぶと焼き魚だった。ここはいつも白人さんを見かける。回遊型の小屋で利便性と温かさがあって、しかも診療所をオープンさせてくれたとか。
<今年3月の山行にて>
双子池ヒュッテはそれぞれ雨池周りと亀甲池周りで泊っている。1度は先代の頃で、天ぷらとみそ汁だけの豪快な夕食にビックリしてみそ汁を4杯くらいお代わりした。2025年に泊まった時は代替わりしており、上品な夕食になっていた。どちらも好き。映画では大岳経由の困った登山者対応のシーンがあったけど、小屋で待つ方が辛いだろう。
青年小屋も2回泊めてもらっている。小屋主さんの顔は覚えていないけど、家族経営だったのか。ここは昔ながらの小屋の雰囲気そのままで、豚肉の天ぷらだったか(正確に覚えていない)とにかく夕食が美味しかった。ただ、翌日の赤岳山頂までムチャクチャ長い道程で、ヘルメット無しのキレットから先は荒れ放題で焦った。
麦草ヒュッテの島本さんは実際にお話ししても感じのいい方。2度泊っており、ハンバーグが美味しい。泊ったのが偶々クリスマスパーティの日で御馳走を戴いたこともある。青苔荘は先代の頃に泊まっているし、黒百合ヒュッテも夏冬とも泊っている。とにかくどの小屋も親切でいい思い出だ。
蓼科山頂ヒュッテはいつも覗いてみるけど、まだ泊った事はない。コロナ禍の9月に登った時に、年配の小屋番さんがこたつに入っていた。映画に出てきたのはその人だったのか?
この映画に出てこなかったけど、八ヶ岳で初めて泊ったのは冬の縞枯山荘で雑魚寝していた隣の布団の兄ちゃんにネチネチと(親切に)叱られたことを今でもよーく思えている。「ジーパンは濡れると乾かないからダメ」、「ヘッテンを忘れてはダメ」と口酸っぱく説教されたけど、雪山初心者にとって大変ありがたかったことでもある。
(2)コマクサ
稲子岳には登った事がない。あそこにコマクサがあるのか。八ヶ岳のコマクサって西天狗の辺りで1度見つけたくらいだな。
シカが10頭くらい集団で闊歩しているし、カメラにはクマやキツネ(テン?)も映っていた。
(3)受け継ぐ行動力
どの小屋も先代から子世代に引き継がれているのは、ありがたいこと。テントを担いだり、料理したりするパワーはないので、いつも小屋泊している身としては、本当に小屋主さん、小屋番さんの苦労には頭が下がる思いをしている。
北アルプスではここまで小屋が充実していないし、八ヶ岳の安心感はなにより小屋番さんあってのものだと改めて感じた。

