コロナ禍で知った湖西連峰。最初に歩いたのはJR新所原駅から神石山を経て知波田駅に下山するルートだった。その後、小刻みに北上して2023年春にようやく陣座峠(家康が三河から遠江に侵攻したルート)までほぼほぼ繋がった。 

 

<神石山のあら環像、陣座峠>  ※いずれも再掲

 

image

 

歯切れが悪いのは、奥平山バス停から中山峠への登山口まで向かったものの廃道になっているのか登れなくて、宇利峠までの区間を林道で代用していたため。その中山峠~宇利峠もこの春(2024.3)にようやく制覇することができた。これは登山口へのアクセスが面倒だっただけに、感覚的には八ヶ岳(観音平~蓼科山)まで一本の線で繋がった時より嬉しい気持ちがする。

 

BSイレブンだったか、かつて国境沿いを旅する番組があった。独仏スイスの3国の国境付近を旅しているのを見た事がある。確かに興味深い。同様に遠江と三河の国境を歩くのもなかなか興味深いものがあった。

 

峠ってなんだろうと思う事もあった。登山していると下界からは高く、さりとて山頂より低い場所だ。ある意味で変曲点のような場所だ。そしてまた2つの道が交差する場所でもある。登山者は県境伝いに歩いて行くけど、車は姫街道や県道に標高差の少ないトンネルを掘ってはスイスイ往来していく。時間感覚がアンバランスなスポットでもある。峠について語源などいろいろ気になって調べ始めたので、いずれ別の記事にまとめたい。

 

古い本に「神石山を最後に赤石山脈は太平洋に没する」と書かれていたので、それに倣って県境トレイルの南端を神石山に置いた。その先は遠江と三河それぞれに下界に繋がる稜線が分岐している。下表では最初に出発した新所原駅(静岡県)を遠江の起点とした。三河では神石山から隣りの二川駅(愛知県)まで県境トレイル(豊橋自然歩道)が繋がっている。そのルートもつい先日(2024.4)にようやく繋げることができた。

 

<県境トレイルの軌跡>

 

Amebaブログには2023年2月以降の上記山行が未投稿だが、それ以前の山行はアップできている(文末のリンク参照)。他に、このリストに挙げなかったもののこの山域にある石巻山(標高358m)や尉ヶ峰(同425m)も歩いている。

 

このトレイルに惹かれるポイントの1つは浜名湖が見える事。浜名湖が一番近く見えるのは神石山だろう。もう1つ挙げるとすると、低山なれど所々に岩場がある事じゃないか。雨やどり岩、らくだ岩、石巻山、富士見岩、鏡岩、夫婦岩、平尾山の近くのカレンフェルト、雨生山付近などだ。

 

この三州と遠州の県境ルートは、好日山荘で湖西連峰の地図を入手したのがキッカケで知った。なので、おのずとその呼称で覚えた。確かに湖西連峰は静岡県湖西市なのだけど、その北側は三ヶ日町、引佐町(いずれも現在の浜松市浜名区)に繋がっているので、ここでは県境トレイルと呼ぶことにした。

 

西の愛知県側は豊橋市と新城市で、ずっと歩いてみると道標などとりわけ豊橋サイドでトレイルを整備されている事が分かる。豊橋市がネットに公開している地図も登山口を明確に示してくれていて助かっている。勿論、豊橋の方でここは「湖西連峰」じゃなくて「弓張山地」だと主張されている文章も読んでみた。確かに、黒松峠から鳶ノ巣山の間に弓張山があることは分かる。ただ、如何せん馴染みがないのでそう呼ぶのは抵抗があるし、弓張山地も赤石岳を主峰とする赤石山脈の南端であることには誰も異論ないだろう。

 

はて、これから陣座峠より北も繋げていけるんだろうか?

 

これまでも神石山から本坂峠までは比較的にラクに行けたのだけど、その先の峠はアクセスが悪くて苦労している。特に瓶割峠など県道を延々と歩いて辿り着いたので、そこまでで登り切った感じ。宇利峠も遠かったし、陣座峠の引佐側にも採石場があって車を使わない登山者にはなんとも厄介なアプローチだった。

 

YAMAPとか見ると、体力あってJR新所原駅から富幕山まで一気に縦走して奥山バス停へ下山している人もいた。それはそれで尊敬。ただ、私としては1つ1つの峠を小刻みに進んでルートを伸ばしてきたので、峠や山麓の印象は明確に残った。それに姫街道を気賀から嵩山まで繋げたことにもなる。

 

<県境までのルート>

 

確かに弓張山は登ってもいい。鳶ノ巣山もミツマタが群生していると言うから来年3月に行ってみたい。阿寺の七滝とか長篠城址とか県境エリアは何度か訪れているのだけど、県境を地味に辿るのは大変そうだ。なので、ピンポイントでピストン登山するように切り替えようと思っている。

 

※参考ブログ

新城市、湖西市、豊橋市の旅indexはこちらから

 

三ヶ日町、引佐町の旅indexはこちらから