時期: 2023.1中旬

初日: 桜平(10:40)→夏沢鉱泉(11:05)→根石岳(14:10)→根石岳山荘(14:35)

2日目: 根石岳山荘(8:20)→怪我→箕冠山で止血(8:30)→オーレン小屋で止血(9:10~9:50)→夏沢鉱泉(10:30)

 

毎度「今年は雪が少ないですね」が挨拶になっている雪山登山。2023年のスタートは根石岳だった。桜平まで送迎車、と言っても雪上車ではない。そこからゆっくりと登っていく。

 

<送迎車を降りて桜平をスタート、夏沢鉱泉で一休み>

 

 

夏沢鉱泉からオーレン小屋までギッシリ雪に覆われている筈だが、この日はところどころ地面が覗いていて水が流れていた。そんな際のところにフロストフラワーを発見。TVでは見た事あるけど、リアルに見たのはこの時が初めて。

 

<フロストフラワー(2)>

 

 

ヤマって何度登っても、最初の1~2時間はキツイ。そろそろオーレン小屋に着いてもいいんじゃないか、そう思っても汗をかくばかりで、なかなか到着しない。

 

<オーレン小屋に向かう、君は誰なの>

 

 

稜線の風がキツイとイケないので箕冠山山頂でフードを被って根石岳の稜線に出る。そんなに寒くないな。2022年の冬にはあまりの突風ですかさず根石岳山荘に逃げ込んだけど、これならそのまま登れそう。

 

2023年は快晴とはいかなかったけど根石岳までスンナリ到着。天狗の雪も確かに少ない。

 

<根石岳から天狗東峰、振り返ると硫黄岳>

 

 

<ぐるっと360°>

この日は根石岳山荘に泊まる。ここに泊まるのはいつも冬。初めて冬の天狗岳に登頂した時もここだった。3月の雪山登山学校で生徒が1人だけだったので、とってもゼイタクなガイド山行になった。

 

<カツ煮は温まれる、かほなんが初めて泊まったのがココの小屋だとか>

 

 

この夜は暴風で小屋が揺れた。いつも根石岳山荘の辺りは吹きっさらしで風が強い。でも揺れたのは初めてだった。いつだったか某Zoom講義で、ヤマテンの猪熊さんが開田高原から吹き込んだ風が硫黄岳と天狗岳に吹き付けてくると教えてくれたのを思い出す。根石岳は将に天狗と硫黄の間に位置しており、風を遮るモノが全くない岩山だ。硫黄岳の北面もいつも冷たい風に晒されるので、つい夏沢峠に戻りたくなる。

 

<翌朝、根石も箕冠山も見えなくなっていた……>

 

翌朝、外を伺うと吹雪で何も見えない。風も強い。箕冠山の樹林帯に入ってしまえば大丈夫で、キツイのはたかだか5~10分くらいの事だ。朝メシ食べれば雪も止むでしょ、とタカを括っていたがそうも都合よく天気は回復しなかった。

 

冷静なつもりだったけど心理的には焦っていたのもホント。アイゼン履いて、歩き始めの外階段で転倒して出血。「疾風に勁草を知る」なんて言葉があるけどとんでもない。恥かしくも私はここで「疾風に自分の甘さ」を思い知らされた。トロかったとしか言いようがない。詳細はヘルスケアネタで書いているのでここでは省略する。

 

※参考

 

<夏沢鉱泉でランチ、茅野市街に入ると中腹から市街にかけてガス>

 

 

山小屋の車で諏訪中央病院に送って頂いたのだが、この日はガスが下に垂れこめていた。稜線はクッキリ見えているのに、中腹から市街にかけて白く曇っていた。雪山で茅野を訪れるのは20回近くあるけど、なかなか珍しい光景だった。