kataraが語る

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気ままじゃないアメリカ生活

なぜにそこまで言われなきゃいけない、と怒りを通り越して悲しくなり、最後に何それ、となった職場でのこと。

 

他部署のある人にプロジェクトでの間違いの訂正をお願いしたら、「みんなに私の間違いを強調して伝えて、貴方はプロフェッショナルじゃないし、不適切で、意地悪な人だ」と、私と私の上司にメールしてきた。プロジェクトはグループメールで情報共有鉄則。これまでも間違いの訂正をその都度お願いしてきたので、度重なる自分の間違いとそれを指摘されることに辟易したということか。

 

こんなことを言われるのは初めて。

 

これからたくさん経験積んでいただきたいという若手ではなく、私と同じレベルの管理職。売られた喧嘩を買いたいところだが、グッと我慢した。個人的な感情ではなく、チームでプロジェクトを成功させるために系統を立てて問題を解決したいだけです。と冷静に応えるメールを送った。

 

その人からのメールの最後に、「私は完璧じゃない、人間誰も完璧じゃない。一所懸命やってる私にあなたが何を期待しているのかわからない。…(でも) 更に二つ私の間違いがありました。確認後、訂正して下さい。」と文書が添付してあった。

 

何もかもうまく行かない日は、誰にでもある。それをどうやって昇華するかが大切だと私自身にも言い聞かせた。

 

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私の昔の上司は、離婚後の人生を変えるために、45歳を過ぎて大学に入り弁護士になったそうだ。アメリカでは子供に手が掛からなくなってから、大学に行ったり資格取得に勤しむ事は珍しくない。彼女は

テレビや映画で見る、事件をめぐって検事相手に戦う弁護士ではなく、非営利団体で法務を担当する分野の弁護士だった。

今は悠々自適に隠居生活をする彼女の口癖は、「誰もがroof (家) food (食べ物) education (教育) を平等に手に入れられる世の中じゃなきゃいけないのよ。」

 

現実は、簡単ではない。

銀のスプーンをくわえて生まれた子供は、例外。Generation Poverty (少なくとも2世代にわたって貧困層に属する家庭)に育つ子供は、公的補助や奨学金などを使って高等教育を受け、貧困連鎖から抜け出す並大抵ではない努力をしなくてはならない。

 

アメリカは今、信じられないインフレに直面している。

家を買うのも借りるのも、ここ10年で2倍にはなっている。食品はそれ以上だ。一袋1ドル50セント足らずだったポテトチップスが4-5ドルする。車での移動に欠かせないガソリンは1ガロン4ドルを超える。ついこの間まで3ドルもしなかったのに。

 

教会やボランティア団体が、日常生活に困っている人たちを助ける活動をしているのもアメリカならではだ。

普通に生活ができる人たちにとっても、老後が見えない、リタイアをするのが遅れがちになる時代になっている。

 

 

20年前、ビッグガイの同僚からラブラドールの子犬を見においでと招待された。あまちゃんが生まれる数ヶ月前のこと。帰りの車の後ろ座席には、4才のミスタースポックの隣に、3ヶ月の子犬、カーターが座っていた。カーターは、子供たちの我儘をしっぽをぶんぶん振り回しながら許し、二人と一匹は一緒に大きくなった。

 

その10年後カーターは癌になった。ビッグガイと私はもしもその日が早く来て、子供たちがとてつもなく悲しむことを恐れて、ラッキーを受け入れた。あまちゃんが9匹いた兄弟姉妹の中で一番小さいラッキーを選んだ。お母さん犬は出産後1週間と経たずに子犬たちを置いて亡くなっていたので、ちょうど離乳食を始めた頃から私たちが育て、カーターに躾けられたようなものだ。ラッキーが一匹立ちするのを見届けて、カーターは虹の橋を渡った。ラッキーは今年10歳、生まれた時に育ちきれないかもと言われていたのが嘘のようだ。

 

そしてライナス。

5年前の夏の日、仕事から帰ったら真っ白な子犬が庭にいた。グレートピレニーズ、超大型犬。ビッグガイから保護犬の写真を見せられて、可愛いねと言ったが、飼う相談をされた覚えはない。犬好きとしては返犬、とは言えるわけがなく。シェルターではコットンボールと呼ばれていたが、子供たちはライナスと名付けた。

ライナスは家族とラッキーを外敵から守ることを使命にしている。頑固だがとても優しい、Gentle Giant。

 

我が家の犬たちの話。

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