昇ってくる太陽を見ながら自転車を走らせる | 旅はブロンプトンをつれて

旅はブロンプトンをつれて

ブロンプトンを活用した旅の提案

朝に早起きをしている自分は、毎年6月になると、日の出の早さを感じます。
自分の場合、朝といっても午前3時半に起きて4時前後には家を出ているので、「それは早朝じゃなくて深夜でしょう」と他人からいわれることもあります。
新聞社の用語例では、午前0時から5時迄を「未明」、同5時から7時までを「早朝」と定義づけているらしいですが、暦を管理している気象庁の区分では、午前0時から3時頃迄を「未明」、午前3時頃から6時ごろまでを「明け方」、夜明けから1時間ないし2時間の間を「早朝」としているそうですから、「明け方」ないし「早朝」はあながち言葉の使い方を誤っていないことになります。
そして、この「明け方自転車通勤」は、本格的な夏を前にしたこの時期は、空を眺めながら走っていると、実に興味深いのです。

去年までは、仕事の場所が自宅より南の鎌倉にあった関係で、日の出の方向の空に背を向けていたので分かりづらかったのですが、今年は仕事の場所が自宅よりも北の都内にあり、仕事のない日も自転車旅のトレーニングのためというよりは、標準体重に戻すそうと運動する関係で、雨天の日以外のほぼ毎日、北方向へ自転車で走っているので、必然的に北から北東にかけての空を眺めながら走ることになります。
夏場は日の出の時刻が早くなると同時に、太陽の昇ってくる位置がかなり北寄りにずれて、かつ昇り方が冬のそれよりずっと急角度であることが特徴でもあります。
雨降りではない限り、雲の多い日などでも、雲間から射す太陽光線に照らされて、一瞬ではありますが、雲の一部が輝くこともあり、空に水蒸気が多くなって朝から曇りがちになる梅雨入りより前のこの時期であれば、まだ日の出の様子を楽しむことができます。

なぜ未明に自宅から北の方へ向かって走った方が有利かというと、単純に都心よりも私の家が南にある関係上、朝の通勤時間帯(実際にはそれよりも前)に電車に乗って自宅へ戻ってくるのに、上り電車より下り電車のほうがすいているからです。
以前、東急目黒線が日吉止まりだったときは、平日でも都心方向から日吉に6時7時に到着する上り電車はガラガラでした。
最近新横浜を経由して相鉄線方面に乗り入れる列車は、新横浜へ向かう人が多いのか、人が乗っていますが、それでも目黒線は折返しの関係で日吉止まりが多いので、こういう電車を選んで乗れば、「夜明け前トレーニング」の帰りは、座ってゆっくり自宅に帰ることができます。
だから私の家が都心より西の方にあれば東へ向かって走るし、北にあれば南に向かって走った方が帰りの電車は楽ということで、去年横浜よりさらに南の鎌倉まで走っていた時のように、朝に半分の距離を走り、午後の復路に残り半分を走るというような工夫をせずに済むところが、ずっと簡単になりました。

今年(2024年)の夏至は6月21日金曜日です。
太陽が最も高く位置し、日照時間が長くなるこの日の日の出は、横浜も東京も4時26分ですが、横浜はこれより日の出が早い時間になることはありません。
東京は横浜より少し北に位置する関係で、6月5日~6月20日までの間は、日の出が4時25分と早くなります。
北に位置する方が日の出は早いということですから、札幌の日の出は6月8日~6月22日の3時55分になりますし、もっと北にある稚内市の日の出は、6月6日~6月21日の間は3時44分になるわけで、都内ではその時刻の空は全般的に真っ暗なのですが、見通しの良い場所から北方をみると、明るい場所があるように見えるのは、既に北海道の最北端では日の出を迎えていることの証明でもあるのでしょう。
自分の経験からいうと、自宅近辺(東京都横浜の間)について、この時期でも3時半より前は完全に夜です。

ちなみに、各地の暦で使われる基準になる地点をご存知でしょうか。
東京は港区麻布台2丁目にある日本経緯度原点です。(緯度35°39' 29.1572 経度139°44' 28.8869")
公開されている座標を入力して求めると、横浜は大桟橋と山下ふ頭の間、赤い靴を履いた女の子像から350mほど北東の海中になります。
今は自宅や宿泊地の緯度経度はグーグルマップの当該地点にて右クリックをすればすぐ求められますし、それが分かれば計算サイトなどでその地点の日の出時刻のみならず、日の出の方向方位角まで教えてくれますし、スマホのアプリなら矢印で方向を示してくれます。
なお、当たり前ですが地形によっても日の出時刻は変わります。
上記はすべて、地平線なり水平線から太陽が昇ることを想定しているので、遠方でも高い山の稜線や、近隣の高層ビルなどがその方向を遮ってしまえば、自己の位置やドローンなどによって視点の高度を大幅に変えない限り、太陽を拝めるのはかなり陽がのぼってからということになります。
そうなると、太陽の色も、それから周囲の環境も、未明や明け方のそれとはだいぶ変わってしまいます。

今の時期、午前8時をすぎるともう路上はかなり気温が上昇してしまいます。
先日、夕方の天気予報で「今日は朝から暑かったですね」とアナウンサーが話していましたが、私の感覚だと「朝家を出るときは肌寒いくらいだったのですけれど」でした。
よく考えたら、向こうが言っているのは午前7時ごろの話で、私は4時前の感覚ですから、全然違って当たり前なのです。
たしかにその日は5時前には都心に居て、8時前に家に戻った時はもうかなり暑かったのです。
6月も半ばの今頃、平均値で午前3時~4時は摂氏19~20度くらいですが、8時を過ぎると21度台後半で、22度に迫る勢いです。
だから、自転車通勤など以外でも、運動をするなら7時前までに済ませてしまった方が、ずっと楽なのです。

気温以外の道路環境についても、平日に関していえば、午前6時を過ぎると車の交通量がどんと増え、7時を過ぎると他の自転車や歩行者の通行量が格段に増え、8時近くなると通勤だけでなく通学の子どもたちも増えてくるので、幹線道路を走るのなら6時前までに、住宅街の路地でも7時前までに走り終わった方が、平均スピードが速くなるだけでなく、運動効率もずっと良いのです。
こういう理由から、都心に早朝から開いている、或いは24時間営業のコインロッカー付きシャワールームがあって、ランニングする人たちだけでなく自分のような明け方自転車通勤の人間も利用出来、さらに皆が出勤してくる前の時間だけの利用だったら料金を格安にしてくれたらどんなに良いだろうと思うのですが、コロナ前に夏の朝の自転車通勤でこうした施設を探そうとしたら、軒並み24時間営業のネットカフェしかなかったので、がっかりしました。
なお、河川の土手にあるサイクリングコースですが、川沿いであるぶん、コンクリートで固められたオフィスビル街や土の露出が極端に少ない住宅街よりも、水辺であるだけ太陽が昇る前は気温が低いのですが、太陽が出てくるとどんどん気温が上昇して、午前8時近くにはかなり暑くなります。
おそらくは、日陰が少ないことが影響しているのでしょう。
この点、奥多摩等に代表される山深い谷間の道は、日陰が多くてそういう場所は午前10時を過ぎても涼しいままだったりします。

7月、8月になると、都心の平均気温は午前3時でも24度、25度にもなり、月別ではもっとも気温が高くなる8月では、午前8時~9時には30度に近づくため、場所によって偏差はあるものの、運動できるぎりぎりの気温になります。
だいたい、その時期になると一晩中空調をつけている家が多くなり、またビルや家屋などの躯体も、昼間の熱を貯め込んだままになるので、臨海部や皇居お堀端の水辺や、神宮外苑や代々木公園、新宿御苑など、広い範囲に樹木など緑が生い茂っているところ以外、肌感覚では早朝からかなりの熱気を感じます。
それに、エアコンの室外機の出す排気を吸いながらの運動なんて、想像しただけでも健康によろしくないように思います。
ともあれ、このブログを読んでくださっている皆さまには、夏も日常的に運動を続けたまま健康を保つためにも、通年での早朝運動習慣をお勧めする次第です。
朝の空の美しさは、それを毎日見ている自分でも飽きることはなく、これを観ることができ、昇ってくる太陽に向かって祈りながら身体を動かせる今の自分は、とても幸せだと感じるのでした。