Bromptonの鉄道利用に関して気をつけたいこと | 旅はブロンプトンをつれて

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ブロンプトンを活用した旅の提案

こんにちは。今日はこれから久々に車を運転してきます。大好きな音楽をゆったりと聴きながら珈琲でも飲みながらってところが愉しみです。それに車は暖かいですから助かります。さて、今日はちょっと気になる情報を得たので、それについて書きます。
まだはっきりと確認したわけではないのですが、JRの西の方の会社で、Bromptonを折り畳み、上から袋を被せた状態で、転がして駅構内に入ることに関して、規制する動きがあるらしいのです。
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(Bromptonのイージー―ホイールと、JR九州のホームページに掲載されているチラシ【2013年4月作成】 赤枠の中の絵は、明らかにBromptonです。 JRグループとなっているところも気になります )
 
JR東日本の手荷物の規定に則ると、Bromptonの持ち込みはどういうことなのか、詳しく見てみましょう。まずは、持ち込みの可否として次のように説明されています。
 
〈持ち込めない荷物〉
危険品、暖炉・コンロ、動物、死体、不潔なもの、臭気を発するもの、他のお客さまに危害を及ぼすおそれのあるもの、車内を破損するおそれのあるものなどは車内への持ち込みはできません。
〈持ち込める荷物〉
携帯できる荷物で、タテ・ヨコ・高さの合計が250センチ(長さは2メートルまで)以内で、重さが30キロ以内のものを2個まで持ち込むことができます。
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(たしかにカバーの掛け方が甘いとタイヤの一部が下からのぞいていますが…)
 
これだけ見ると、折り畳んだBromptonが「他のお客さまに危害を及ぼすおそれのあるもの、車内を破損するおそれのあるもの」なのかどうかは判断の分かれるところですが、W59cm × H58cm × D27cm(合計134cm12kgBromptonは、サイズ重量について何ら問題ありません。(2個持ち込めるのですね、2台を一度に乗れないからやりませんが)
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(このように、あからさまに車体の一部を露出するというのはいけないようです)
 
では、「他のお客さまに危害を及ぼすおそれのあるもの、車内を破損するおそれのあるもの」という点についてですが、自転車の持ち込みには別項で規定されています。
 
(無料手回り品)
308  旅客は、第309(持ち込めない荷物)に規定する以外の携帯できる物品であつて、列車の状況により、運輸上支障を生ずるおそれがないと認められるときに限り、3辺の最大の和が、250センチメートル以内のもので、その重量が30キログラム以内のものを無料で車内に2個まで持ち込むことができる。ただし、長さ2メートルを超える物品は車内に持ち込むことができない。  
2  旅客は、前項に規定する制限内であつても、自転車及びサーフボードについては、次の各号の1に該当する場合に限り、無料で車内に持ち込むことができる。
(1)       自転車にあつては、解体して専用の袋に収納したもの又は折りたたみ式自転車であつて、折りたたんで専用の袋に収納したもの
(2)       (サーフボードの規定なので略)
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(こうしてハンドルだけ出して押し引きするのは、確かに他のお客さんに迷惑な面もあるかと思います)
 
この「専用の袋」について、袋というものは自転車の収納に供するための
袋であって、自転車の全部が袋に収まり、一部であっても露出しないようにということです。ここからが微妙なところですが、では、袋の上部と下部が開いていて、下部のみ巾着状に絞る袋(以前201321日付本ブログにてご紹介しました)は、専用の袋に該当し、全部が収まっている状態といえるのかどうか、ここが今回JRの西の方の会社で問題にされているらしいのです。専用の袋であることは、ほかの何かに被せるわけでもないですし、その目的で販売されているので異論はないところです。問題は、腹巻状に上下が開いている「袋」でもって、全部被せているのか、一部が露出しているのか、という点に絞られます。
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(左がBrompton純正のカバーで右がB-Bag。でもキャスター付のBromptonをキャスター付のバッグに収めて転がすとは是如何に?)
 
 たとえば、Bromptonを引くために一部を折りたたまずにハンドルを押したり引いたりする、シートポストをのばしてサドル部分をつかんで押し引きする、さらには、サドル部分だけを袋の頭から出して手に持つというのは、全部被っているとはいえないからアウトです、(JR四国・JR九州についてはポスターで、特にJR九州ではBromptonとしか思えないイラストでもって、啓発しているそうです)といわれても、反論できません。個人的には、サドルだけ出して手に持って、どうしてほかの人に危害を及ぼしたり、設備を傷つけたりするのかが理解できませんが、一部が露出していることには変わりありません。
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(サドルバッグ状になっている純正のカバー。専用の「袋」であることは間違いありません)
 
 しかし、上から被せて、下で絞るのでは、タイヤの一部が見えているから駄目、がんばってタイヤを隠しても、転がすためのローラーの一部が露出するから駄目となってくると、もはやいたちごっこの様相を呈してきます。もし、転がすためのローラーが一部でも露出していたらダメだということになれば、もはやローラーの役割は駅構内においては期待できず、別にB-Bagのような袋を購入して携帯し、駅構内だけそれに入れるということになります(ここで、B-Bagも含め、世のキャリーバッグにはローラーが露出して機能しているわけですが、それは問題にならないというのは、雪上霜を加うというか、笑ってしまうほどの矛盾になります)。何が何でも全部袋に収納しなければ駄目ということになれば、スキーやストックの先端が露出しているのも駄目(近年は本当にダメらしいです)、チェロやコントラバスのエンドピンの露出も駄目ということになってゆきます。
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(鉄道会社によっては規定でそのまま載せてもいい場合もあります(サイクルトレイン)。でも実際にやったら、電車の走行中に自転車を抑えているのが辛くなって、結局車内で実演みたいにして畳んでしまいました-上信電鉄にて)
 
 経験からいわせてもらえば、ローラーの付いていない、いわゆる手に持ったり、肩に下げたりして自転車を全部収納する輪行袋は、却ってほかのお客さまに危害を及ぼす可能性があります。周囲の人からすれば、中に何が入っているか(折りたたみ自転車は特に)分からないので、私が立ち止まっていても、相手が横を通り抜けたとき、うっかり肘などがハンドルや分解したフロントフォークの先端に袋の上から接触して、もの凄く痛い思いをさせてしまうことがあるのです。相手が小さなお子さんなら、頭や顔の位置に接触する可能性があるわけで、こちらとしても、さらに周囲に気を配ります。
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(こちらは以前にご紹介したトートバッグ形状の輪行袋。グリーンサイクルステーションさんのオリジナルです。車体がすっぽりと入り、肩掛けして歩けますが、脇腹に刺さって痛いです)
 
 私はまだJRさん(四国以外の全て)の改札を通って注意されたことはありません。おそらく、取り外し可能な和田サイクルさんのオリジナルフロントキャリア(2013521日付本ブログ)を付けて引いている姿が、キャリーバッグを引いている姿とほとんど変わらず、「車体の一部を露出しているわけでもなく、ほかのお客さまに危険が及ばないよう精一杯気を遣っている」と好意的に受け取ってもらっているのだと勝手に解釈させてもらっています。それに、これはスキーや旅行でこれまでに身につけた知恵ですが、こちらは大きな手荷物をもって、荷物の無い人と同じ条件で乗せていただく身ですから、精いっぱい爽やかな笑顔をつくって会釈し、できれば「こんにちは」とか「お願いします」って声かけして改札を通り抜けるのは、人としての礼儀だとも思うのですよ。けれども、新しいことをやろうとすれば、必ず何か問題点が指摘されるというのもまた致し方のないことです。 
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(この袋に入っているのはBromptonではなくて、BD-1です。でも何が入っていようと、当たると痛いですよ)
 
Bromptonは公共交通機関、特に鉄道と自転車の相互利用を前提として製作された稀有な折りたたみ自転車です。都市におけるマイカー利用の抑制、駅周囲の放置自転車問題、路上における自転車と歩行者の分離、適度な運動が日課になることで健康増進に役立つ、地域の振興、災害時の移動手段など、様々な問題解決やメリット・可能性を秘めている折りたたみ自転車でもあります。鉄道だって、ローカル線にイベントとかではなく、恒常的に観光客を呼び込むのに、こんなぴったりのツールはなかなかありません。
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 (きちんと下まで被せて、把手を着脱して転がすのが、いまのところ自分にできるもっとも安全なBromptonの運搬方法です)
 
そこで、つまらない自己中心的な考えやマナー違反が、ひいてはBromptonの利用全体に規制を及ぼさないように、これからは、
・日常ではBromptonの車体がなるべく露出しないよう、さらに気をつける
・混雑が予想される時間帯の鉄道利用には、(時間をずらす、乗車する区間や列車種別、乗車位置を考慮することで)慎重を期す
・折り畳んだ状態で、安全に引くための道具を考えたり、袋を自作したりするアイデアを出してみる
など自分ひとりでできることからやってみて、Bromptonに乗る人にも乗らない人にも、安全で豊かな環境を、たとえわずかでも提供できたらと、やたら堅気なことを考えるのでした。
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(鉄道とBromptonが、末永く仲良くありますように 2011年12月 門司港駅)