Have a cup of tea

Have a cup of tea

主に英国に関する出来事を記録しています

コロナ前は平均して年1回は渡英していたが、コロナ禍を経て2022年に渡英したものの、それ以降2年に一度は渡英する目標を立てている。そのペースだと、今年は渡英するはずなのだが、まだ予定がたっていない。ロシアのウクライナ侵攻による燃油高騰やロシア上空の飛行ルートが✖になり迂回で飛行距離が延びたことによる航空券の高値、世界的な物価の上昇、最近では円安になどにより、コロナ禍以前よりも旅費が少なくとも5割増しになっているので、以前のようにフットワークを軽く渡英・・というわけにはいかなくなってきている。

 

今年初め、8月末にDivine Comedyが英シェフィールドでの野外音楽コンサートに出演するという告知があり、念のためロケーションなどを調べたら比較的アクセスしやすい場所だったので、航空券をチェックしつつ(3月の時点でBA直行便で28万円~)、会場近くのホテルも比較的リーズナブル価格で、直前までキャンセル無料のブッキングコムで確保していたのだが、その後ちょっと事情があり、先行きが不透明になったので、その計画は頓挫してしまった。7月になった今にしてみれば、その事情もだいたい解決して、8月末に渡英できそうな感じだったが、航空券も購入していなかったし(最近検索したらBA直行便40万円以上とか!)、ホテルもキャンセルしてしまったので、今回はあきらめた。でも、もともとフェスのような野外イベントは、よほどのことがない限り行こうと思わないのだが、たまたまシェフィールドには一度も行ったことがなかったのと、友人が夏に滞在する街に近かったこともあり、観光しながらコンサートを観るのもいいかなと思いついたのだった。航空券でもホテル予約でも早ければ早いほどリーズナブルな価格で購入したり、部屋を予約できるものなので、経験からして、渡英に関しては決断の時期やタイミング次第で費用も変わってくる可能性がある。個人的にはハイシーズン(夏季)は観光客も多いし混雑するので、イベントが盛りだくさんなシーズンだけれども、その時期の渡英は、よほど行きたいイベントがない限り回避してきた。以前7月に旅行したとき、ヒートウェーブで爽やかなイギリスとは程遠く、エアコンのない地下鉄やバスがサウナのようだったし、B&Bも安い最上階の部屋をとったら、夜も気温が下がらず暑くて汗だくで大変だった経験があった。天気はその時次第なので運もあると思うが。本来、10月以降が自分にとって渡英のベストシーズンだと思っている。

 

直行便の費用を安くするため、乗継便を選ぶという手もあるが、BAと提携しているフィンエアーなどの乗継便も直行便より若干安いくらいで、あまり変わらないような?それならば直行便で行ったほうがいいかと思ってしまう(乗継便は、途中飛行機から降りて足を延ばせるから、意外と疲れないと言う人もいるようだが・・)。また、燃油サーチャージがかからないエアラインを選択するという策もあるが(カタールやシンガポール航空など?)、ずっとBAを利用していて値引きに使えるAviosポイントも残っているので、比較的ロイヤルなカスタマーになりがちな自分は、気軽に他の航空会社を試せない性質だ。乗継便も昔カナダに行った時に、旅程で最初にケベック州を回ってからトロントへ周遊するため、往路でどこかで乗り継いだ記憶があるけれども、到着したのが深夜近くで空港に人があまりいなくて、閉店時間のように一部のエリアしか電灯がついてなくて、タクシー乗り場も寂しい場所でちょっと心細かった思い出がある。

 

現在も渡英の機会をうかがっているが、正直なところ、どうしても行きたいと思う、航空券を取る弾みになるイベントがまだないので、今年はこのまま、来年に持ち越しになるかも。10月以降に開催されるちょっと興味のあるコンサートやイベントは複数リストアップしているものの、1回の旅費が国内旅行のそれとは比較にならないため、本当に心底飛行機に乗ってお金かけてまで観に行きたいかどうか?と言われたら・・・Yesとすぐには答えられない状態かもしれない。

自分のUK Visit History(←旅行記録のファイル名(笑))を見ると、前回は20回目の渡英でちょうどエリザベス2世女王時代の終焉に居合わせたので、次回はチャールズ3世国王時代、そしてイギリス政府が労働党のスターマー新首相になって初となる21回目の渡英の日が来るまで、いろいろと策を練ってその時を待ちたいと思う(首相は変わる可能性があるかもしれないけれど、自分の渡英がそんなに遠い将来ではないことを願うばかりだ)。

『大貫妙子コンサート 🐰 ピーターと仲間たち2024』

恵比寿ザ・ガーデンホール、2024年7月3日(水)

 

梅雨入りしてから不安定な天気続きだったが、東京が今年初の猛暑日の予報だった先日、1年半ぶりに大貫妙子さんのコンサートに行った。このタイトルのコンサートは昨年8月に開催されていて、内容から、昨年ぜひ行ってみたかったが、昨年は春先に身内に不幸があり(ちょうど坂本龍一さんが亡くなる1か月くらい前)、喪中でまだ半年もたっていなかったことと、8月の猛暑の時期に出かけて行くのも躊躇われ、それでも直前までチケット取ろうかどうか迷っていて結局行かなかった。そして今年春先にコンサートの告知があったとき、7月初めで猛暑の懸念もあったけれど(近年の酷暑の経験から、だいたい7月から9月上旬は電車で出かけるイベント入れない方針)、とりあえずチケットをとっておいた。

 

場所は恵比寿ガーデンホール。出かけて行った昼間は暑かったものの、7時開演なので会場に着く頃は陽が落ちて日中よりは暑さもやわらぎ、ガーデンプレイスの屋外のベンチに座ると、湿気はあるけれども、わりと心地よい風が吹いていた。

 

ホールに入ると、自分の席は10列目以内(ステージ向かって左端)だったが、ステージの前の段差のない平らなフロアに仮設の椅子が繋げてある場所だった。木の椅子なので、座面にかろうじて薄い滑り止めのような布素材が貼ってあったが、背もたれがそのままの固い木なので座り心地はあまり良くなかった。後方のスロープになっている座席の方が、通常ホールに設置されている指定席のようにクッションのある椅子で、座り心地良さそうだった。椅子はさておき、今回はキョードー東京の最速の先行抽選で購入できたので、前方が取れたかも。結果的には、ステージ上で演奏するメンバーや大貫さんの姿が良く見えて、おしゃべりも良く聴こえてよかった。サウンドの聴こえ方は、音量が思った以上に迫力があった(ステージに近かったから?)。しかし、冷房が良く効いていて、会場の一番低い位置のせいか、防寒対策(アームカバーや大判のスカーフなど)していったけれども、座席に座って静かに聴くコンサート、途中から身体が冷えて寒く感じ快適と言う感じではなかった。幸い、ポップなノリの良い曲が多かったので、なるべくリズムにのりながら体を揺らしたり、手拍子したりしてなんとか寒さをしのいだのだった(笑)。自分は特に寒暖差に敏感なので、夏は屋内でも座ったまま動けないシチュエーションだと、本当にエアコンの冷えが身体にこたえるのだ。

 

開演前に会場に流れていた音楽が、アンビエントか何かのようなサウンドで、時折「ピーターラビットとわたし」の曲の中で聴こえるピーターの笑い声のような音が聞こえた。なんの曲だろうと検索してみたら、Xで投稿されている方がいて、坂本龍一さんの「Exibition」というトラックだそう。ピーターラビットの笑い声(鳴き声)ってこれだったのか?(笑)。

 

そして、開演時間になると、バックバンドのメンバーが登場し、楽器だけの演奏が始まった。1曲目はなんと「カイエI」。懐かしい!ライブでは初めて聴いたかも。いや、80年代末のアコースティック・クラッシックコンサートで聴いたかも?記憶がないけれど。インストの演奏が終わると、いよいよご本人が登場。次の曲はイントロのベース音が、ちょっとカルナバルを思わせる、アルバム『Lucy』からの「LULU」だったと思う(セットリストが見つけられないので、うろ覚え)。続いて「ピーターラビットとわたし」のイントロが流れ、早々とピーターが登場し、アップテンポの楽しい音楽で観客の心を掴んだ。大貫さんがLULUについてのエピソードを話してくれて、LULUという本(調べたらゲームのマルチメディアCD-ROM)の朗読を大貫さんが担当したそうで、そのときに作った曲だったそう。検索してみたら、朗読の部分が聞ける動画がアップされていた。
 

今回のコンサートは特に、80年代に出したアルバムから、坂本さんがアレンジを担当した曲を中心に構成されているとインタビューやラジオで何度か聞いていた。当時の録音の音源を流しながら、演奏するという。それらのライブ演奏は音の層に厚みがあり、確かにアルバムを再現したようなクオリティの高い贅沢なサウンドだった。10代後半の頃、レコードやテープで聴いていた親しみのある曲が盛りだくさん、歌も覚えているものも多く、演奏中ずっと小声で口ずさんでしまった。80年末に数回コンサートに行っていたとはいえ、あの頃はちょうど大貫さんのアコースティック・クラシック期だったようで、バックバンドはアコースティックピアノ(当時からレザ・パネさんだった記憶が)と弦楽器編成だったので(一回、ラジオの公開録音でバンド形式で数曲聴けたことがあった)、当時のレコードの様なサウンドでライブを観られたのは初めてだったので感激した。

 

主な演目は、演奏の曲順が正確でないけど、「ぼくの叔父さん」では、ジャック・タチの映画知ってますか?と大貫さん。観客の知っている人、拍手で応える。自分も当時BSで放映したシリーズ作品をビデオに何本か録画して未だに持っている。ジャック・タチ、大貫さんが雑誌か何かで紹介していて知った作品だったかもしれない。また「Patio」を紹介されたとき、最初どんな曲だか思い出せなかったけれど、イントロが流れたらすぐに思い出した。ライブで聴けるなんて意外だったけれど、レコードの音そのもので、演奏の細かいフレーズまで正確で、弦楽サウンドのお気に入りのパートがあり、それを聴いて心が震えるというのはこういうことかと感動した。パティオは中庭という副題がついているが、ガーデンホールならではの選曲なのか?後の大阪公演やEXシアターでも演奏されるのか?
 

シンセサイザーとシンセドラムのイントロですぐにわかる「テディベア」。プー横丁とか歌詞に出てくるし、ポップで楽しい曲で、自分の中で(キターーーッ!)と思ったのは言うまでもない(笑)。ピーターラビットのほうはこの数年ライブでは定番だったが、テディベアのライブ演奏は初めて聴いたかも。思わず一緒に歌ってしまった。そういえば、大貫さんの大ファンだという米国のシンガーソングライター、Ginger Rootさんが来日していて、ちょっと前にSNSでテディベアのレコードをかけてDJをしていた動画を見かけて、ライブでやってくれたらいいな‥と思っていたのだった。

また、ライブで聴きたかった念願の「CARNAVAL」も、昨夏のコンサートのセットリストにあったのを知ったときは、行けばよかったと後悔したものだったが、今回もライブで演奏してくれた。アップテンポでシンセサイザーの音が際立つ曲だけど、座席がシンセサイザーを操る網守さんが良く見えるところだったので、じっと見てしまった(笑)。ちょっとロックっぽい感じのする曲なので、しっとり歌うことが多い大貫さんのコンサートで聴けるとは希少な機会だった。レコードを忠実に再現したシンセは最後まで聴き応えがあり(最後、ちょっと爆音ぽくなる?)、大貫さんの歌声も年月を経て熟成されたボーカル、オリジナルよりももっと芯のある歌声で、本当に演奏してくれてありがとう!と心から感謝。そして間奏に乗せてのメンバー紹介もかっこよかった。

 

コンサートでは定番の「幻惑」は、変わらず、フェビアン・レザ・パネさんのピアノと網守さんのシンセの音が繊細に美しく重なり、キーボード奏者側の座席で演奏する姿をじっくり見れて良かった。

 

また、Rainでは、曲作りのインスピレーション源となった映画が『ブレードランナー』の最後の雨のシーンだということも教えてくれた。

 

コロナ禍に作られた最近の曲「朝のパレット」、「ふたりの星をさがそう」も、高橋幸弘さんがドラムで参加してレコーディングした曲だったと思い出して、、ドラムのビートを意識して聴いてみて、なんだか感無量になった。

 

「色彩都市」もここ数年のコンサートではよく歌ってくれて(少なくとも自分がコンサートに再び行き始めた2020年代になってから)、一緒に口ずさめる一曲。2020年12月の人見記念講堂で教授がスペシャルゲストで登場したときに、この曲でピアノに座って演奏する教授をかなり間近で観られたことを思い出しながら聴いていた。

 

アンコールでは、なんと「地下鉄のザジ」!曲名聞いた時に思わず拍手してしまった。これは当時、原田知世さんに提供した曲という記憶があるが(CMソングになっていたみたい)、私はラジオ放送のスタジオライブで大貫さんが歌っているのをテープに録音して聴いていたので、断然大貫さんの歌という印象が大きい。ぼくの叔父さん同様、大貫さんの歌からこのフランス映画を知って、観たような気がする。そう思うと、大貫さんの楽曲からいろいろと影響を受けていたんだなぁ・・と。フランス語の歌詞もあったりして、当時フランスに憧れ、フランス語を学びたいと短大で第二外国語として専攻したのも、50%くらいは大貫さんから影響を受けていたかもしれない。

 

そして終盤、今回のポップな構成のコンサートいかがでしたか?と大貫さんが観客に聞くと、みんな大きな拍手で応えていた。ラジオでも何度か聞いたけど、今年のフジロック出演について、「呼ばれちゃったんですよ、、」と茶目っ気たっぷりに話し、「私がロック(音楽ではなく生き様が)だとやっと気づいてくれたみたい」と言っていた(笑)。

音楽活動歴50年となる大貫妙子さん、80年代から現代までのどの曲も美しい歌声は相変わらず健在で、今回のポップな曲のセットリストにした理由として、元気なうちにライブでやっておきたいと言っていたのが印象的だった。本当に末永くお元気で活動を続けられますよう願うばかり。

 

大貫さんのコンサートを再び観るようになったのはコロナ禍の2020年でおよそ30年ぶりだった。そして、2022年末までの約3年の間に4回もコンサートを観ることができたが、かなりのブランクがあったので知らない曲も多かったけれど、アルバムを持っていなくても昨今の音楽配信や動画配信プラットフォームのおかげでキャッチャップできるのは良い時代だなと思う。個人的にはやはり80年代の学生の頃に聴いていたアルバムの曲のほうが親しみがあり、今回のポップなコンサートは念願のセットリストで本当に聴けてよかった。

↓ 2023年に開催されたコンサートのCD、レコード、映像も発売されている。

 

 

 

 

 

 

 

映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』を観てきた。

監督はアレクサンダー・ペイン、キャストはポール・ジアマッティ、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、ドミニク・セッサなど。

 

 

公式サイト:リンク

 

あらすじは、ボストン近郊のある寄宿学校(高校生くらいか?)の冬休み前、事情があって冬休みに家族の元に帰れず寮に残る生徒の面倒を見ることになった嫌われ者の考古学の教師と、寮に残った生徒、そして、彼らに食事を提供する調理係の女性のクリスマス休暇の間の出来事を描いている。

 

監督や俳優をはじめ、レビューやあらすじをあまりチェックせずに観に行ったので、映画が始まったときのノイズの聴こえる音響や画面の粗さなどが妙に懐かしい雰囲気で、冒頭のそれだけで、この映画は良い作品かも!?という予感がしたものだ。

 

1970年、学校の備品なども古臭く、教師のデスクの上にはパソコンもなく、携帯電話もない時代のセッティング。クリスマス時期で、ボストン近郊のその学校の古い建物が雪景色に溶け込み、ノスタルジックな雰囲気。クリスマスツリーの飾りや電飾も古くて、、自分は60年代末生まれなのだが、70年代が子供時代だったので、特にここ数年、その時代の風物詩や雰囲気がとても懐かしく感じられる。欧米ではクリスマス時期に上映されたようで、半年遅れの日本での公開、季節感がずれているのは仕方ないけど、まぁ映画館で鑑賞できて良かった。BGMもクリスマスの雰囲気満載なので、またクリスマス時期に観てもいいかも。

 

原題のholdoversとは残留者と言う意味で、それは寮に残った3人の事なのだが、彼らはクリスマスに一緒に過ごす家族がいないという共通点もあり、また、それぞれ家庭の事情や過去を抱えている。欧米では、離れている家族が集まる一年のうちで最も重要なイベントであるクリスマス、それは一人で過ごしてはいけない時期なのだ。こういう地域や宗教的な習慣の重要性は、現地に住んでみないとなかなかわからないものだ。

 

この作品の監督、あまり知らなかったけど、調べたらだいぶ前に数作品を観ていた。『アバウト・シュミット』『サイドウェイ』『ファミリーツリー』など。どれも正直内容をあまり思い出せないのだが、今回この映画を観て、この監督の作品は内容が記憶に残らないのが特徴なのかもと思った。映画を観ているときは、映画の中の世界に心地よく浸れてしまう感じで、ときどき皮肉やユーモアが効いていて面白く、登場人物は不器用だったり、一癖ある人が多いけど、なんとなく親しみがわいてくる、そんな作品かも。食事係の調理師を演じた女優さんの演技が良かった。

 

公開当時から気になっていた、セリーヌ・ディオンの伝記映画『ヴォイス・オブ・ラブ』をレンタルして観た。

監督・脚本・主演はヴァレリー・ルメルシエ。

 

 

公式サイト→ ヴォイス・オブ・ラブ

 

これは映画『タイタニック』のテーマソングで有名なカナダ人歌手、セリーヌ・ディオンが、カナダ・ケベック州で幼い頃にプロデューサーに見いだされ、歌手としてデビューし、現在に至るまでの半生を描いた作品。

 

映画の原題のAline(アリーヌ)は、セリーヌ・ディオンの名前に近い。セリーヌ・ディオンと言えば、90年代はじめ頃、確かタイタニックの主題歌で有名になる前に、日本人ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんとの共演でドラマの主題歌を歌い、日本では有名だった。その数年後、自分がイギリスに語学留学した時、ステイ先にハウスメイトのタイ人の女の子がいて、セリーヌ・ディオンのファンだったのか、自分のタイ語の名前のちょっと難しい発音を、セリーヌ・ディオンを早口で言うと同じ感じになると教えてくれた微笑ましい思い出が・・。

この映画で知ったのが、セリーヌ・ディオンはカナダ・ケベック州の出身だったこと。カナダのケベック州は20年ほど前に一度行ったことがあり、フランス語圏でもあるその地の風景(映画ではケベックまで行って現地で撮影したのかはわからないが)、映像を見てなんとなく懐かしく思った。セリーヌ・ディオンは兄弟姉妹が少なくとも10人はいる大家族の末っ子として育ったそうだ。家族は地元では有名な音楽一家で、幼いころから音楽の素質や才能を覗かせていた。

 

映画の中では、歌手として成功し、家族にも恵まれ、豪邸に住み、多忙に世界ツアーに回る様子などが、自身のヒット曲やカバー曲の演奏とともに描かれるていた。そして、ふと、セリーヌ・ディオンは今?と少し検索してみたら、数年前に難病にかかってしまい、世界ツアーをキャンセルし、今は治療中だという記事を見た。まだ50代半ばくらいだと思うので、どうかまた美しい歌声を世界に届けられる日が来るよう願う。

 

アリーヌを演じたヴァレリー・ルメルシエが、映画では、映像の人物を縮小する特撮を使用して、ヴァレリー自身が子供の頃も演じているのが面白かった。また、ヴァレリー・ルメルシエと言えば、90年代にThe Divine ComedyのAlfieのフレンチバージョンでニールとデュエットしたのも思い出される。

 

 

 

 

当時、CDのボーナストラックに入っていたそのフレンチバージョン、いいなぁと思って聴いていたが、名前を聴いてもフランス人のその女性歌手(俳優)はあまり知らないと思っていたが、この映画の彼女のフィルモグラフィ出演作に、90年頃に映画館で観たフランス映画『五月のミル』があり、DVDも持っているのでまた見直してみようと思った。『モンテーニュどおりのカフェ』は2000年代の作品で、観たことがあったと思う。

 

(追記:最近、イギリスの朝の番組のSNSでセリーヌ・ディオンのドキュメンタリー『 I AM Celine Dion』が配信されると言うニュースを見た。プライムビデオの予告編↓その中で本人のインタビューでは、非常にまれな神経系の疾患にかかり、現在も治療しながら、再起に向けて準備しているようだ)

 

日本語版『アイ・アム セリーヌ・ディオン ~病との闘いの中で~』も最近リリースされた↓

 

 

 

 

 

前に投稿したかもしれないと思いつつ、探してみたらなかったので、2022年の渡英時に初めて訪れたMuseum of London(ロンドン博物館)について。
 

ちなみに、前回2022年の渡英は世界はコロナ後の移動が始まっていたが日本では慎重でコロナ禍のまだ渡航について条件付きだった時期で(飛行機に乗るためにワクチン3回の接種証明など)、通常なら10日~2週間くらいの日程が妥当だったが、ホテルでの隔離云々など不透明だったため、余裕を見て3週間の滞在日程を組んでしまい、日数も多かったので、イベントも盛沢山だった。旅行後すぐに投稿すればよかったが(いくつかは投稿した)、あの時は、10月にもTravisのコンサートに行ったりして、慌ただしい時期だったので、なかなか投稿が追いつかなくて、そのまま時間が過ぎてしまった。また、年を取ってきて、どうもブログ投稿が億劫に感じてしまい、文章を書くのも難しく、なかなか投稿までたどり着けなくなっている。まぁ、過去の旅行の写真を眺めていると当時の記憶が戻り、情報的にはタイムリーではないが、旅行時の雰囲気を思い出して自分で楽しくなったりするので、振り返って投稿するのも良いかと思う。

 

そのロンドン博物館であるが、過去30年近く、何度も渡英してロンドンに滞在していたにもかかわらず、ガイドブックのメジャーな観光先として必ず掲載されていた、気になりつつも、ロンドンにあるからいつでも行けそう・・と、ずっと後回しにしていたスポットだった。その博物館では長年観てみたいものがあった。それは、20年近く前の「地球の歩き方」ガイドブックに写真が掲載されていた、まるでシンデレラが舞踏会に行くときにかぼちゃが化けたような、煌びやかな馬車だった(魔法使いサリーのオープニングにも出てくる馬車にも似た形だが、確か、ロンドン市長のパレードがあるときに使用されるものだったような・・)。そして、2年前にThe Divine Comedyのバービカンでのコンサートを観るため、ロンドン中心部に滞在していたため、そのバービカンの近くのLondon Wallという古い遺跡のある場所にロンドン博物館があることを知り、やっと行くことができた(リンク)。結論から言うと、そのお目当ての煌びやかな馬車は展示されていなかったが、ロンドンの歴史を展示した博物館の内容がとても充実していて、馬車抜きでも見に行ってよかったと思った(しかしあの馬車は今どこかで観れるのか?)。また、その時、ロンドン博物館が別の場所の古いマーケット跡地に移転することを知り、2022年末のあと数か月後にその建物が閉館するということだったので、移転前に観に行くことができて良かった。新しいロンドン博物館の移転先は、バービカン駅の近くのSmithfield General Marketという場所で、2026年オープン予定だそう(リンク)。また、テムズ川沿いには別のMeseum of London Docklands(リンク)という博物館もあるそうで、テムズ川の港湾関連の歴史が観られるようで、機会があったら行ってみたい。

前置きが長くなったが、今は閉館してしまったロンドン博物館、2022年9月に訪れた時の建物や展示品の写真を見返してみた。

 

 

階段を上り歩道橋のような通路から建物へ入った。
 

ビル群の中にぽっかりと円形の緑地があった。この場所は、London Wallという遺跡の一部らしい。この横のある建物がロンドン博物館だった。



ロンドンの起源と歴史に関するものが展示されていて興味深い。


シェイクスピア劇で有名なグローブ座(Globe Theatre)の模型

テムズ川沿岸にはグローブ座のほかにも劇場があったようだ。上の写真はThe Rose(ローズ座)という劇場の歴史が書かれている。上演は日曜を除く毎日午後3時から2時間、休憩なしで上演されたという。作品は、シェイクスピアのほか、マーロウ、キッド、ジョンソンといった劇作家が名を連ねる。

 

下の写真は、ヴィクトリア時代の作家や著名人たちが飲食したり、新聞を読んだり、商売の取引をしたり交流するCoffee House(コーヒーハウス)のジオラマ模型(蠟で作られている)。説明には、作家のサミュエル・ジョンソンが、ラッパ型補聴器を持って、画家のジョシュア・レイノルズの左隣に座っていると書いてある。ジオラマの手前に展示されている欠けた陶器などは、Cheapsideという通りを入ったWood Street にあったTom’s Coffee Houseで1740年代に使われていた物だそう。
 

また、ロンドンに縁のある人物の紹介コーナーもあった。(ヴィクトリア女王、チャールズ・ディケンズ、Dr Johnsonなど)

 

 

↑ 昔の銀行や仕立屋さんの店内の様子。

また、ロンドンに住んだ日本人画家、牧野義男さんの絵画も展示してあった。

説明には、日本の版画(おそらく浮世絵?)に大きな影響を受けている作風とある。牧野氏の絵画を知ったのは、20数年前に訪れたクラッパムにあった漱石ミュージアムに行った時で、当時のミュージアムの館長さんが執筆した牧野氏に関する書籍を購入したのだった。当時、学校で絵画を習っていたので、水彩画で描かれた霧に煙るロンドンの風景がとても気に入ったことが思い出される。

 

 

 

 

 

現在休館中になってしまったロンドン博物館だが、内容も充実した常設展(上の写真の展示など)は無料で観ることができた。奥が深く幅広いロンドンの長い歴史をじっくり鑑賞しようとしたら、到底一日で見きれないので、時間があれば、何度か足を運んで、セクション別に探究しても面白いと思う。2026年のSmithfield Market跡地での開館が楽しみだ。