Have a cup of tea

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主に英国に関する出来事を記録しています

あなたが一番好きな木は?

 

今の時期ならば、金木犀かな。このブログスタンプって何?(笑)

 

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いつも行く散歩道の林には、いろいろな木が植えてあるが、今は金木犀の香りが漂う。9月半ばくらいに薄黄木犀がすでに咲いていて良い香りを放っていたので、今年は長い間2度香りを楽しめた。そういえば昔、通学路に大きな銀木犀(白い花)の木があったが、最近銀木犀ってあまり見かけない。いつもの散歩道は、春には桜や木蓮、こぶしの花が咲き、初夏にはシナノキやくちなしの花、夏にはピンクや白色のサルスベリの花が咲き、初秋には彼岸花、秋になると銀杏やもみじの木が紅葉するので、そこに行くと季節の進み具合を感じられる。

 

最近、全国で倒木事故のニュースを目にすることがあるので、林の中を歩くときは周囲を見回して気を付けている。特に雨の後は地盤が柔らかくなっていそうなので用心。この夏、いくつか台風が来た後に散歩に行ったら、大きな木が倒れていることが何度かあった。

 

若い頃は都会や大型ショッピングセンターに行くのも楽しかったが、歳をとってきたらなんだか物欲もなくなってきて(これ普通なのか?)緑豊かな自然に触れる方が大事だと思うようになってきた。上記の林や自然のある場所は自治体が管理し保全しているので、ずっと維持してもらいたいと思う。

大型ショッピングセンターと言えば、最近たまに行くとその品揃えの多さとキラキラした商品群に圧倒され、しまいにはこの商品全部売り尽くせるの?余ったらゴミにならないか?って余計な心配をしてしまうのだ。購入された後も飽きられたらゴミになるが(笑)。

 

それで、人の一生と物欲の関係をふと考えてしまった。

親にお金を出してもらう子ども~学生時代は、欲しい物があってもすべては買ってもらえないことが多いと思うので、この時点ではまだ健全に物欲があり、欲しい物もたくさんあり、大人買いとかに憧れるだろう。

社会人になって実家住みだと(自分そうだった)、稼いだお金はある程度は自由に使えるし、世間の経済事情を積極的に知ろうとしなければ、大人買いとか好きなものや高いものにも手が出てしまう。しかし、実家を出て一人暮らしで家賃の支払いからすべて自分で生計を立てる場合は、経済観念も自ずと身に着き、欲しいものも多少我慢するしかない。このあたりで結婚して家庭を持つ人と、そのまま独身でいる人とで経済観念も分かれると思うが、物欲って、欲しいものを自由に手に入れられる時期をある程度経験したら、なくなるものではないかと思う。なので、家庭を持っている人よりも、独身の人のほうが年齢的に早い時期に物欲がなくなる?と勝手に思っているが、どうなのだろうか。

しかし年をとっても、心の隙間を埋めるために物欲を満たす人もいると思うので、一概には言えないが(食欲を満たす人もいるだろけど(笑))。自分的にはある程度買い物を経験すると、いろいろなものが見えて来て、どれも同じようで「飽きる」ということが物欲の減退に関係しているかもと思うのだ。

まぁキャラクターグッズとかそういうものは消費意欲のある若い人たちにがんばって買ってもらいたい!ってなぜかエールを贈る(笑)。

 

なぜか、木の話から物欲の話になってしまった。

 

2026/09/24

 

9月下旬、来日としてはサマソニ出演から2年振りとなるBelle & sebastian(ベル・アンド・セバスチャン、以下「ベルセバ」)のコンサートに行ってきた。会場は東京ドームのそばのKanadevia Hall。

 

 

今回のツアーは、アルバム『Tigermilk』と『If You're Feeling Sinister』のリリース30周年を記念して両アルバムの全曲再現というプログラムで、アジア・オセアニアツアーの一環となる日本公演だった。大阪1夜、東京2夜の3公演の開催で、私は東京2夜を観に行った。

 

ベルセバは来日したら必ず行きたいと思う大好きなバンドの一つなので、単独公演の告知を見て2日とも行くことを即決した。ツアー発表時の今年初め、私は主催プロモーターの会員になっていなかったので、SNSのアーティスト公式にあった購入コードを入力するアーティスト先行の先着発売を迷わず利用した。以前は主催プロモーターに毎月会費を払っていた時期もあったが、ここ数年はそのプロモーターが主催する公演では見たいバンドがあまり来日しないので、会費払うのもったいないな~と思ってやめてしまった。なので今回のベルセバのアーティスト先行販売というのは大変ありがたかった。先行でシステム手数料を含めて1枚当たり1,500円近くを支払い割高になってしまったが、座席はまあまあ良かった。

 

今回、個人的には2年ぶり6回目の参加となるベルセバのライブ、1日目のTigermilkの夕べ(勝手に命名)は、アーティスト先行A席で第2バルコニーの最前列、ステージ向かって右側はそれほど端でもなくて、眺めのよい良席だった。

 

 

紙のチケットでないのが残念だが、これも時代の流れか。

 

 

 

(上:開演前)

この夜は1部がTigermilk全曲再現、2部がベストヒット集という構成。

 

Tigermilkはベルセバのデビューアルバムだが、当時確か赤いアルバム(Sinister)か緑のアルバムを聴いていた後に購入したような記憶がある。ベルセバといえばアルバムジャケットのアートワークの色が印象的で、赤、緑、黄色という順番で購入し、その間のどこかで輸入盤CDのTigermilkを入手したと思う。というのも、Tigermilkはフロントマンのスチュアート・マードックがグラスゴーのStow Collegeの職業訓練プログラムで制作したレコードで数量限定リリースだったそうで、その後バンドの人気が出て来て、改めてレーベルからデビューアルバムとしてCDが再リリースされたのだった。

 

このコンサートに備えて初夏からベルセバの過去のCDやEP盤を1枚ずつ聴いていたが、Tigermilkの曲は、ライブではあまり演奏しているのを聞いたことがない曲も多かったので、アルバムの曲順で通して聴くライブ演奏は印象がガラッと変わってとても新鮮だった。アルバムだとさらっと聴いてしまっていたTigermilkだったが、ライブでは一曲一曲を再発見できた感じだった。演奏中にステージ後ろの大きなスクリーンに映像が映し出されて、曲と映像がマッチして見応えがあり楽しかった。ただ演奏する彼らを見たいと思いつつ、スクリーンの方も見逃せなくて、困ってしまったが(笑)。映像もアートセンス良く、ちょっとレトロな感じがしたり、はるか遠くのグラスゴーの雰囲気も感じられた。

 

 


 

ちなみにグラスゴーには2003年に1回行ったことがあるが(また行きたいと思いつつ20年以上過ぎている)、その時はすでにベルセバファンだったので、当時ネットに公開されていた日本人のコアなファンが開設していたホームページに、確かベルセバやスチュアートにちなんだグラスゴーのロケーションが紹介されていて、おぼろげながら覚えていた通りや店とか(確かコピー屋さんかカフェみたいなのもあった気がする)を見つけようと歩いたり、大学のある場所や街並みや公園などを巡ったことを思い出し、演奏される曲を聴きながらノスタルジーを感じつつベルセバワールドに浸った。(当時イギリス留学中にグラスゴーに旅行したのだが、目的はC.R.マッキントッシュやTravisのメンバーが通っていたアートスクールなど、アート関連の施設を鑑賞するのが主な目的だったけど。)

 

Tigermilkで好きな曲は、「My Wnadering Days Are Over」で、確かこの曲はフロントマンのスチュアートが若い時に初めてアメリカに旅して帰ってきたときに作った曲だという。昨年からスチュアートが書いた小説『Nobody's Empire』をカタツムリ並みにゆっくりゆっくり読んでいるが、今ちょうど、その主人公が友人とカリフォルニアに滞在してギターで曲を作ろうとしているところを読んでいたので、その内容を思い出し、さらに先を読むのが楽しみになってきた。この曲、歌詞ではメランコリーとかロンリーとか連呼するけど(笑)、希望をもてるような軽やかなチューンが心地よい。

 

バルコニー席の最前列だったのでずっと座ってじっくり演奏が聴けてよかった。Tigermilkにもアップテンポで踊れる曲もあるが、バルコニー席は周囲を見たら立っている人はほとんどいなかった。観客も皆お年頃なのかもしれない(笑)。でもアリーナを見たらみんな最初からずっと立っていたので、翌日のチケットがS席1階3列目ということもあり、一抹の不安がよぎったが・・・。

 

1部の演奏が終わると、10分くらいの休憩だよってスチュアートが言って、メンバーはステージから去って行った。10分というものの、結局5分くらいでメンバーが戻ってきて、2部が始まった。

2部はベストヒット集ということだったが、スチュアートが事前にSNSのアカウントでファンにリクエスト曲を募っていたので、いろいろとリクエストしてみた。リクエスト聴いてくれるのって優しいな!確か、2年前のサマソニのときも事前に聞いてくれたのだった。やるかやらないかは別として、そういうファンとのコミュニケーションをさらっとやってくれるところが親しみやすくCarefreeな感じでいいな~と思う。

 

2部では、スティ―ビーが奥様に捧げる曲だということで(このとき、すでに奥様が恋しいと言っていた)、「To Be Myself Completely」、そしてスチュアートも奥様が自分を歌った曲がないと文句を言われた(?)とかで、この曲を妻に捧げると言っていた、「Piazza, New York Catcher」を歌った。スチュアートの奥様はたしかアメリカ出身だからか?後者は2年前のサマソニ幕張でも演奏してくれた。スクリーンにBelle and sebastianのバンド名がキラキラと映るのが夜空みたいで美しかった。

 

 

そういえば、その2曲の合間に、「Beautiful」をアコースティックギターで少し歌ってくれたのだった。懐かしかった!この曲好きだけどアコースティックで静かな曲だからリクエストするまではいかなかったが、好きな曲で昔4曲入りCDを買ってよく聴いていた。スチュアートも、これは最後まで哀しい曲なので、全部は歌わないと言っていたような。確かに、歌詞では~リサが目が見えなくなる~とか、ちょっとDepressingでメランコリックなんだけど。その「Beautiful」が入っているCDが結構お気に入りだったのを思い出した。CDのタイトルは、『3..6..9 Seconds Of Light』というのだが、「A Century Of Fakers」「Le Pastie De La Bourgeoisie」「Beautiful」「Put The Book Back On The Shelf」の4曲入りだけど、最後の曲にはHidden Trackが入っていて(あの頃、隠しトラックって流行っていたよね?CDのなせる業!笑)、"Belle and sebastian on the radio~"という歌詞が聞こえる。ライブではアンコールのときにこの4曲目の「Put the book back...」をワンフレーズだけ歌ってくれたのだった。

 

 

 

 

 

また、「Funny Little Frog」は以前も何度かライブで聴いたことがあるが、ベルセバの大好きな曲のひとつなので座っていてもノリノリで楽しんだ。2年前のサマソニでも演奏してくれたかも。

 

この日のセットリスト: Belle and sebastian (Tigermilk) at Kanadevia Hall Tokyo (24/09/2026)

 

そして2部の最後の曲として、「Lazy Line Painter Jane」を歌ってくれた。この曲、確か2001年に赤坂ブリッツで初めてベルセバのライブを見た時に(ベルセバ初来日だったか?)、観客からのリクエストかどうか、うろ覚えだけど、誰か歌ってくれない?とスチュアートが観客に呼び掛けたら、2階席にいたファンの女の子がステージに招かれ歌った曲で、そのときの印象が強く残っている。当時、私はまだこの曲を知らなくて(アルバムしか聴いてなかったので)、ライブで初めて知った曲だった(その後、シングルCD/EP盤を買いあさった自分)。その飛び入りの女の子のボーカルがすごく上手くて(おそらくバンドを組んで歌っていた人だったのかも)、圧倒されたのを覚えている(横で一緒に歌っていたスチュアートもびっくりしていたような・・・)。その時から、ベルセバは観客参加型の楽しいライブなんだ~と印象づけられたような気がする。あれから25年!確かにThe Boy With The Arab Strapでは観客をステージに上げて踊ってもらうのが定番になっている。

 

そしてアンコールでは、ファンからのリクエストが多かったという「Dog on Wheels」を演奏してくれた。私もリクエストしたのでまた聴けて嬉しかった。アップテンポでなぜか懐かしさを感じさせるチューンがお気に入り。ミュージックビデオでは、若きスチュアートが狐か犬?のパペットを持ってグラスゴーの街をさまよっていて、その映像もかなりノスタルジックである。

Dog On WheelsのMV

 

アンコール2曲目は、後ろのスクリーンで時計の針が周る映像が目を引いた、エレクトロポップなサウンドの「Sleep the Clock Around」。最後におやすみなさい~みたいな感じで、このTigermilkの夜は幕を閉じたのであった。この曲もサマソニ大阪では演奏されていたが、幕張の方ではやらなかったので今回聴けてよかった。

 

2年前にサマソニ来日があったとはいえ、その前の単独公演が2017年頃だったので、単独としては9年振り!のベルセバのコンサート、本当に実現して嬉しかった。しかもアルバム再現というのも贅沢で、ファンとしては言うことなしの完璧な2日間のライブだったと思った。ベルセバありがとう!

 

都心の会場からちょっと遠い所に住んでいるので、正直ライブコンサートに行くのはちょっと骨が折れるし、寄る年波には勝てないレベルになってきたが(笑)、過去20数年前、何度かのベルセバのコンサートに行った時、いつも楽しくてライブっていいなぁと感じていたのを思い出し、また次回の来日があったら行けたらいいなと思いながら、1夜目のコンサートを振り返ってみた。(2夜目につづく)

 

 

 

 

 

 

ライブの雰囲気に浸れるライブアルバムもおすすめ↓

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VIPツアーの日程が決まってからおよそ2か月後、ついにその日が来た。2月の出発の日、成田空港に向かうバスの窓の外は雪が舞っていた。

 

(写真:成田までの雪景色)

 

(写真:搭乗するロンドン行きのBA機)
 

ロンドンに到着してから数日間をロンドンで過ごし、いつもの公園に行って時差ボケを解消しながら、近くに住む友達に会ったり、美術館に行ったりした。そして数日後にヒースロー空港からアイルランドのダブリンに飛んだ。ダブリンに来たのはその時が23年振りの2回目だった。前回は語学学校の小旅行ツアーで、イギリスからフェリーに乗ってアイルランドに渡ったのを思い出し、懐かしかった。ダブリンでは、参加者のファンの方と同じホテルに滞在し、その一人が運転するレンタカーに乗せてもらい、郊外にある動物保護団体の施設を訪れたのだった。



(写真:ダブリンにて、宿泊したホテルの近くにあったレストラン)

 

 

 

VIPツアーは12人のグループで、レンタカーで来た私たちは4人が到着すると、アイルランド在住のファンの一人が自家用車で着いたところだった。ほかの人たちは同じくダブリンから運転手付きのミニバスですでに到着し、その「会場」となる民家のような家の小さな一室に入っていた。部屋に入ると、なんと、あのThe Divine Comedyこと、二ール・ハノン氏が出迎えてくれたのだ!もう心臓が飛び出るかと思うくらいドキドキして舞い上がり、たしか到着したときに、「はるばる遠くから、ようこそ~」(英語で)とか言われて握手をしてくれたような記憶がある。その瞬間を他のファンの人がスマホで撮影してくれたので、その写真はちゃんとプリントアウトして、今でもときどきアルバムを眺めては思い出に浸ってしまうが、あまりにシュール過ぎて、その瞬間を思い出すとなぜか笑えるのだが・・・。


(写真:施設の建物の入り口にあったユーモアのあるウェルカムボード。たしかにみんなNutsというくらいのファンだ!)

皆が揃ったところで、最初にニールのライブコンサートを聴いてから、次に施設の見学というスケジュールであることを知った。10畳くらいの広さのこじんまりとしたリビングルームのような部屋でファンの10人がソファに座り、壁を背に設置してあった赤いKORGのキーボードにニールがスタンバイし、コンサートは始まった。個人的にはその段階でまだまだ気持の準備ができていないうちに、いきなりという感じで演奏が始まった。1曲目は「Geronimo」。こちらもいきなりボーカルで始まるあの歌だ。電子ピアノの伴奏とニールの歌いだしを耳にした瞬間、これ現実のことなんだ・・・と、泣きそうになったのを覚えている。その後、ニールは電子ピアノとギターの弾き語りで次々にお馴染みの曲を演奏し歌ってくれた。

 

当日のセットリストは、事前にグループ内で聴きたい曲を挙げて投票し送ったものからニールが選曲したのだと思う。ライブで聴きたい曲は数知れないが、私はここぞとばかり、ライブで演奏されているのを見たことがない、「Birds of Paradise Farm」(アルバム『Casanova』日本盤のボーナストラックの一曲)などをリクエストした。提出する曲を選ぶのに、最初は投票しようということで参加メンバーがそれぞれ聴きたい曲をあげていったのだが、参加者は熱心なファンの方ばかり、当然いろいろと揉めた(笑)。投票ということだったのに「これは自分のテーマ曲だから譲れない!」「一人1曲にしよう!」という人もいたりと、それぞれの思いが熱いので、一時はまとまらず議論があったりしたが(オンライン上のグループチャットだったので意思疎通ができているんだろうか?という感じもあった)、最終的にまとめ役の人が投票の上位20曲くらいのリストを団体に送ったらしい。どの曲を歌ってくれるかは最終的にはニールご本人の裁量なので、私としてはどの曲であっても、ニールの選んだ曲の生演奏を聴けるのは嬉しいことこの上ないと思っていた。

ライブでは、曲間にファンの人と気さくにおしゃべりしていたニールさん。印象深く覚えている話としては、VIPコンサートにちなんでの話題だったのか、当時ベン・フォールズがスコットランドの古城でプライベートな音楽VIPイベントを開催し、その参加費が凄いお値段だとか言うことを話していた。また、当時Divine Comedyの新譜がそろそろ出るのでは?という噂がファンの間であったので、イギリスのファンの人が、次の新譜はいつ出るのか?と聞くと、「imminent」(差し迫っている)とニールが答えていたのを覚えている。また、その場で「何かリクエストある?」と聞いてくれたりして、他のファンの人が言ったリクエスト曲を即興で歌ってくれた。私は皆の早口の英会話についていけなくて、ちょっときょとんさんだったが(笑)、事前にリクエストし投票で上位にあった「Birds of Paradise Farm」もギターの弾き語りで歌ってくれたので、それだけでもう感激し胸がいっぱいだった。

 

ライブ会場となった小さな部屋には、保護され飼われていた小型犬が数匹いて、みんなのそばをうろうろしていたが、その犬たちもおとなしくニールの歌を聴いていた。外では大型犬の吠える声も聞こえて、本当に民家のような会場での弾き語りコンサートは、終始和やかでリラックスした雰囲気で幕を閉じたのだった。(つづく)

 

10代の頃からライブに行くのが趣味であるが、昔から時々見る夢があった。それは、自宅や身近な場所に、憧れのミュージシャンがやって来てプライベートライブをしてくれるというものだった。会場はさまざまで、学校の体育館や講堂みたいなところだったり、誰かの家や自宅の一室だったり、鄙びた温泉街の商店の一角だったり・・・。現実世界ではライブやコンサートを見ると言えば、都心の大きな会場が主だけれど(Divine Comedyを観に行くイギリスでは、ロンドンや他の中都市の会場だったりする)、夢の中ではもっと身近な会場が多く(単なる願望か?)、まさにそんな夢のような夢を見ては、目覚めた時にわぁ~いい夢見たな、夢の続きを見たい!とまた寝ようとしたりしたこともあった。その夢のような夢みたいな憧れのミュージシャンのプライベートライブを、なんと数年前に実際に体験できたのだ。

それは、およそ7年前、2019年2月のことだった。


このブログの投稿でもたびたび登場する北アイルランド出身のThe Divine Comedyこと、ニール・ハノン氏がパトロンとなっているアイルランドのダブリン郊外にあるMy Lovely Horse Rescueという動物保護団体がある。ニール自身もSNSなどで自らがサポートしている団体について時々動物と一緒にいる動画や写真を投稿しているが、その団体名が、イギリスのコメティドラマ(Father Ted)の挿入歌としてニールが作った曲のタイトル(My Lovely Horse)に由来することもあり、その情報を時々フォローしていた。すると、2018年の秋ごろ、その保護団体のチャリティイベントとして、寄付をするとニール・ハノンのプライベートコンサートに招かれ、さらに同団体の保護施設を見学できるVIPツアー(名称がうろ覚えだが)というものが発表された。1グループ10人くらいで受け入れ可能ということだった。FBではThe Divine Comedyやニール・ハノンのファンが集う非公開グループに入っているが、当時そこでもそのツアーの話題がもち上がり、グループ内の何人かが行きたいとコメントしていたので、自分もまぁ軽い気持ちで「年内は無理だけど、翌年くらいなら行けそう・・」とコメントしたら(英語で)、他にもその時期ならば行けそうだという人が返信してくれて、その後、すぐにメンバーを募り始めたので、勢いで「I’m in!」と返信したら、あれよあれよという間に、VIPツアーのメンバーに入り、都合の良い日程の話し合いを経て、代表者が団体側に連絡して、日程が決まってしまった。


VIPといえば、その当時よく国内のコンサートで来日するロックバンドがVIPチケットというものを販売していたのを目にしていたが、VIPチケットは普通のチケットよりも高額で、コンサートの前方席のほかに、バンドメンバーと「Meet and Greet」の機会があり、サインをもらったり一緒に写真撮影りできるもの。そんな情報を見てVIP羨ましいな~と思っていたので、私は即座にそのMLHRのVIPツアーの情報を見た時、その寄付額について、捕らぬ狸の皮算用ではないが(笑)参加人数で割って計算してみたら、動物保護団体に寄付できるとともに、間近でIntimate(!)なプライベートコンサートが聴けて、サインをもらえたり、一緒に写真撮影もできるのなら、その寄付額は妥当だと思った(というかちょっとリーズナブルすぎる?と思うくらい。そう、当時はまだ今ほど£は高くなかったので)。今思えば、自分も(今よりは)若くて、毎年のように渡英するほどフットワークも軽く、いろいろなことで相当タイミングも良かった(星が一列に並んだ?!(笑))のかもしれない(今ではそんな海外でのグループアクティビティに参加する気力はなくなっているし💦)。あのVIPツアーに参加できたことは本当に幸運だったと今でも思う。(つづく)

(2025年10月のイギリス旅行記)

 

バースでは、ジェーン・オースティン・センターを訪ねた。リンク: The Jane Austen Centre

ジェーン・オースティンは生涯にイングランドの数カ所の街に住んでいたが、そのひとつがバースだった。

 

バースではジェーン・オースティン・センターに行く予定をしていたので、その前に少し予習をしようとKindle本で見つけた『The Jane Austen Travel Guide to Bath and England』(Rachel French著)という本のサンプルをダウンロードして読んでいた。

また旅行に持参したノートパソコンでBBC iPlayerの『Miss Austen』というドラマを観た。このドラマ、予想外に面白かった。Gill Hornbyの『Miss Austen』という小説をベースに制作されたこのドラマは、ジェーンの姉、カサンドラを主人公に、ジェーンが姉や友達に送った手紙のエピソードをベースに描かれている。ドラマではジェーンの死後にカサンドラが手紙を読み返し、憤慨したり涙したりするシーンもある。手紙にはカサンドラの若い頃の婚約者についての記述や、彼女を憤慨させる批判的なことも書かれていたようだ。原作の小説を読んだことがないので定かではないが、ドラマのベースとなった小説は、現存するジェーンの手紙の内容や、ジェーンの小説のなかのエピソードを織り交ぜて書かれているようだ。

 

 

 

 

(現時点では日本で配信されていないのが残念。)

 

 

 

 

ジェーン・オースティン・センターは、バース中心部から歩いて行ける。傾斜のゆるい坂道を少し登り始めたところにあった。

 

 

センターの入り口。この建物はジェーンと家族が実際に住んでいた場所らしい。


 

チケットは大人17ポンド。最初は入場者をグループごとにまとめてレクチャー室みたいな所に案内し、いろいろと説明してくれた。その後は、自分のペースで館内を見て回れた。

 

 

ジェーン・オースティンの多くの作品はドラマや映画化されている。これはITVテレビ映画『Persuasion』(2007年)の衣装。主人公を演じたのは、サリー・ホーキンス(最近では映画『パディントン』のお母さん役で有名)。私が見たことのある同作品は、昔NHK BSで放送していたBBCドラマ版だったかも。

 

 

 

昔の手袋や洋服の生地、扇など。ジェーン・オースティンの時代のものらしい。

 

 

 

バースと言えば温泉。療養に温泉を利用したというが、療養する人がこの箱型の中に座り、前後で人が持ち上げて移動し、温泉の湯に浸かっていたらしい。解説によると、これは膝の関節痛がある人用の療養箱らしく、膝の部分が温泉によく浸かるように丸い形状に作ってあるとか。

 

 

 

ジェーン・オースティンの年表があった。ジェーンがチョートン村へ引っ越したのは1809年だった。20数年前にこの写真のチョートン村のジェーン・オースティン・ハウスを訪れたことがある。懐かしい。

 

 

1811年から1815年は、『Sense and Snesibility』『Pride and Prejudice』『Mansfield Park』『Emma』などが出版された。また1815年にバースを舞台にした『Persuasion』を書き始めたという。

 

 

1817年に病気の治療のためウィンチェスターに移るが、同年帰らぬ人となる。ウィンチェスターの最後の家も、20数年前にチョートン村に行った時に訪れた。

 

 

ジェーン・オースティンは42年の短い生涯だった。結婚もせず(一度はプロポーズされて受け入れるも、一晩でお断りしたというエピソードを、チョートン村のオースティンハウスに行った時に知った)、後世に残る人気小説を執筆した人生だったのだ。彼女の代表作はドラマや映画で観たことがあるが、何度か原作の小説を読もうと文庫本や原書を入手したが、どうもなかなか読み進めず読了できていない。たまに途中から読み始めることもあるが・・。通信制大学の英文学史の講義で、ジェーン・オースティンの時代の女性の地位や問題などを学んだことがあるが、オースティンの小説にも出てくるエピソードとして、当時の女性は独身だと親の財産を相続できないなど、人間としての尊厳がないがしろにされていて、今の時代はそういうことが見直され解消されつつあるものの、いつの時代も女性の多様性に関して社会の目は厳しいものだと思ったり・・。そんな時代に、ジェーンは家にこもって小説の執筆に専念し、その内容も身近な家庭内や自分の行動範囲内の出来事を題材にし、人間模様や人々の感情を細かく観察して表現したことで、多くの読者から共感を得る作品が生み出されたのだと思う。

 

ジェーン・オースティンセンターでは、見学した最後に、オースティン作品のドラマや映画でよく見るリージェンシー時代のドレスを着ることができる。着用すると、スタッフの人がスマホで5ショットくらい記念撮影してくれるサービスがあった(男性用の衣装もある)。

 

(服の上から着られるドレスとボンネットを着用し友人と。右の人形はPride and Prejudiceのミスター・ダーシーか?写真撮影してくれたスタッフの人に「あっち向いて、こっち向いて、微笑みあって!」といろいろ指示された(笑))

 

また、ジェーンはロングウォークが好きで、バースでも周辺のカントリーサイドや近くの村までよく歩いていたそうだ。バースではシドニー・ガーデンズという庭園がお気に入りだったそう。ジェーン・オースティンセンターを観た後に、シドニー・ガーデンズまで歩いて行ってみた。

 

(上:シドニー・ガーデンズに向かう途中、パルトニー橋の上に軒を連ねるベーカリーなどのお店。パルトニー橋はイタリア・フィレンツェのヴェッキオ橋をモデルにしたそう。)

 

(上:Great Pulteney Streetに立ち並ぶジョージアン様式の建物。これらはサー・ウィリアム・パルトニーの依頼により、ジョージアン様式建築家のトーマス・ボールドウィンが設計し、1789年に完成したとのこと。VisitBathサイトによると、この通りは映画やドラマのロケ地としても有名で、代表的な作品は『レ・ミゼラブル』『悪女(Vanity Fair)』『説得(Persuasion)』『ある侯爵夫人の生涯(The Duchess)』など。)
 

(上:シドニー・ガーデンズの一角に建つホルバーン美術館)

 

 (上:シドニー・ガーデンズに流れる運河)

 

 (上:シドニー・ガーデンズ内を通る鉄道)

 

 

(上:広々としたプレイグラウンドもある、シドニー・ガーデンズからの眺め)

 

広い庭園を歩きながら、200数年前にジェーンが両親や姉のカサンドラとおしゃべりしながらこの辺りを歩いていたのだと想像してみた。緑豊かで広大な庭園はのんびり散歩するのにうってつけの場所だ。