5月は一度もブログ投稿していなかった。ネタはたくさんあるのだけれど(笑)、なかなかブログを開いて書き出すまでが億劫である。なんというか、思っていることを文章にするのがなかなか難しい。それに仕事があるとそちらでパソコン操作、文字入力もあるので、ずっとパソコンに張り付いているのも(座ったまま)身体によくないし、じっとしているのは眼も手も身体も疲れるので、おのずとブログ投稿が少なくなるのかも。あーあ、早く好きなことだけして過ごせる年齢になりたいものだと、すでにリタイヤした年上の友人を見て思うけれど、フリーランス人生なのでなかなか老後も悠々自適とはいかなそうだ。仕事も程よい量を続けられて、気力とモチベーションを維持して、頭を使って老化を阻止できればいいと思う。
先月は映画館で2本映画を観た。
1本目は、ケン・ローチ監督作品の『オールド・オーク』。
映画のサイト:オールド・オーク
ストーリーの舞台はイギリス北東部のかつては炭鉱で栄えたとある町。そこではシリア難民を受け入れていて、難民を乗せたバスが到着すると、町で活動しているボランティアが難民の生活の支援をしている。しかし、それを良く思わない地元住民もいて、彼らの到着に苛立ちを見せる。難民のなかに家族と逃れてきた一人の女性、ヤラがいた。彼女はある出来事から、その場にいた難民受け入れボランティアで、パブの店主であるTJと知り合う。TJのパブは地元住民の憩いの場であるがさびれた町の客の入りは少ない。そこに難民であるヤラが訪れると、怪訝そうな視線を投げる地元客もいた。パブのカウンター奥の部屋は、今では物置になっているが、かつて炭鉱労働者でにぎわった町の面影が伺える写真が飾ってあっり、その部屋も昔は客であふれていたようだ。
ケン・ローチ監督の作品は社会問題を取り上げているシリアスな内容がほとんどだと思う。以前何作か見たことがあるが、出演者に普通の人を起用しているようで、かといってドキュメンタリー作品とは違う感じで、映画としてストーリーの中に引き込まれてしまう。難民受け入れ問題は海外のニュースでも常日頃取り上げられている。日本も近年は外国人の居住者が増加し、難民とは違うが、自分の住む地域の近くの町も住人の何十人に一人が外国人という統計が発表され、ここ20年くらいでいつの間にか地方の片田舎がグローバル化していた・・・と気づいたものだ。やはり外国人を見馴れていない人は、この映画の住民のように外国人を良く思わない話も聞いたりする。
映画では、さまざまな立場の人々の感情が丁寧に描かれていて、分断気味だった住人たちが互いに理解し合いながらすこしずつ難民の人たちを受け入れ共生していく様子が描かれている。難民、地元民というラベル付けではなく、単純にみんな同じ人間なのだと気付くことが大事だと思わされる。地味で淡々としているが、観た後に静かな感動がある映画だった。
2本目は、『ザ・コラール 希望を紡ぐ歌』公式サイト
監督はニコラス・ハイトナー、脚本はアラン・ベネット、主演はレイフ・ファインズほか。また、イギリス刑事ドラマ『刑事モース~オックスフォード事件簿~』に出ていたロジャー・アラムも出ていて、ほかにも以前イギリス映画で観たことのある俳優が数人出ていた。
ストーリーの舞台は、第一次世界大戦下のイギリス北部ヨークシャー。町の小さな合唱団は、戦争の徴兵により団員が減り、存続の危機になっていたところ、新しい団員を集めて再建を図るべく、新たな指揮者にドイツ帰りのヘンリーが選ばれる。敵国で指揮していたことで周囲からは偏見の目を向けられる。合唱団ではバッハのマタイ受難曲を練習していたが、バッハは敵国ドイツ人だということで反対の声が。ほかの曲にしようと候補があがるもワーグナー、ブラームスと作曲家はみなドイツ人。イギリスに来ていたヘンデルの曲は?と言うが彼もドイツ人だった。とうとう最後に決まったのは、エルガーのオラトリオ「ゲロンティアスの夢」 だった。ロジャー・アラム演じる地元の市会議員は合唱団の責任者でもありテノールのソロパートを任されているが、ほどなくして戦争から戻った負傷兵で元合唱団員だった若者がヘンリーの目にとまり、ソロを担当することに。そのため、ヘンリーは若い兵士を主人公としてエルガーの曲を改変してしまう。合唱発表の当日、国民的作曲家のエルガーがリハーサルのさなか、いきなりその会場へ現れる。団員の一人がエルガーに曲を上演すると手紙書いたのだった。リハーサルを見て自分の曲が改変されて上演されることを知ったエルガ―は、改変は認められないと怒って帰ってしまうのだった。
しかしヘンリーは恐れずに、「芸術が芸術を生みだすのだ」というようなことを言って改変した曲を堂々と上演する。
確かにクラシック音楽では、ある曲を主題として編曲された別の楽器のための演奏曲があったりするので、そういうことかと思った。また作曲家も他の作曲家の作品にインスピレーションを受けて、新たな曲が生まれると言うこともあると思う。
エルガーはイギリスが誇る作曲家だから、映画の中でも威厳のある風体で登場していたのが印象的だった。
合唱団員も若者からシニアまで、それぞれ個性的でドラマがあった。これから未来のある若者が国のために戦うことを誇りに思い戦地に向かうのを見て、なんだか当時はどこの国も皆そんな感じだったのかと複雑な気持ちになった。
今の時代、どう考えても戦争は愚かなこととしか思えないが。


