Belle and Sebastian at Summer Sonic Tokyo 2024 | Have a cup of tea

Have a cup of tea

主に英国に関する出来事を記録しています

2024/08/17

 

先日、7年振りの来日となったBelle and Sebastian(以下ベルセバ)のライブを、サマーソニックの幕張メッセ会場に観に行った。

これまで数十年、国内や海外でコンサートに行ってきたが、フェスに行くことはまったく選択肢になかった自分が、なぜか猛暑の夏に開催されるミュージックフェスティバルに行くことになるとはまったく想像していなかった。とはいえ、一度だけ2000年代後半にTravisが出演するフジロックに行こうかどうか迷ったことはある。その時はかなり直前になってから迷い、宿泊先を検索したら、あることはあったけれども、民宿の4人相部屋とかしかなくて、結局行かなかったのだが。

 

今年の春先にサマーソニック(以下サマソニ)の出演者の発表にベルセバの名前が上がり、前回来日ライブを観たのは2017年の7年前だったこともあり、来日があればいつでも絶対に行きたいグループの一つだったので、フェス出演のほかに単独公演でサマソニExtraの方に出てくれたらと切に願っていたが、その発表はなかった。でもベルセバを観たい気持ちは強いまま、迷っているうちに、国内の超人気アイドルの追加出演が発表され、その後チケットはソールドアウトになってしまった。それを知り、チケットを買っていなかったことをひどく後悔したが、その後、未練がましくイープラスのサイトをチェックしていたら、再度一般発売の表示が出ていて買える状態になっていたので、その後悔した気持ちを思い出し、とりあえず購入しておいて、無理そうならばリセールもできるし後で考えようということに。ソールドアウトの発表後に一般発売が出たのは、期限までに支払われなかったチケットやどこかで余ったものが再販されていたのだと思う。

 

そしてサマソニ開催の週末が近づくと、今度は台風の影響が危ぶまれ、初めての夏フェス、本当に行けるのか?猛暑で大丈夫か?海のそばだから内陸より少しは気温が低いのか?と、落ち着かない気持ちでソワソワしながら当日を迎えた。結果的に台風は上陸を逃れたものの、台風一過後のフェーン現象で幕張は最高気温35℃の高温アラートの出る日となってしまった。

 

フェスなので会場には複数のステージがあり、多数のアーティストやグループが出演するのだが、ほかのアーティストも曲などをチェックしてみたけれども、時間的にベルセバに集中するのが無難だと思った。屋外のマリンスタジアムはもちろん選択肢にはなく、メッセ会場内はスタンディングの公演なので、熱中症の懸念もあり体力温存を重視して、午後4時半ごろに会場に到着するよう計画。駅に着いた時に構内の空いているカフェで腹ごしらえをして少し時間を潰していた。

 

 

 

 

そして駅から幕張メッセまで歩道を10分ほど歩いただけで、まるで学生時代の夏の部活のときのように全身汗かき、屋内といえども空間が広すぎてエアコンが効いているとは言い難い環境。人が行き交うロビーのベンチが空いていたので、少し座って落ち着いたが、暑さは変わらず。じっと待っていても暑いので、SNSで紹介されていたイギリスのロックバンド、Nothing But Thievesをマウンテンステージに観に行った。彼らは最初はもっと早い時間に予定されていたが、確か1組、ミュージシャンのキャンセルがあり、ちょうど自分が見やすい時間にずれてくれてラッキーだった。マウンテンステージはメッセで一番大きい会場だったが、すでにステージ前はたくさんの観客がいたものの、横の方はすいていて、大きいスクリーンもあって意外と近いところまで行けた。会場が広いせいか、最初だからか、後ろ半分はかなり空いているという印象だった。

 

(下の写真はイギリス出身のロックグループ、Nothing But Thieves)

 

 

少し予習して聴いていたキャッチーなメロディのアップテンポな曲が1曲目で、その後3曲ほど聴いた。そして、先にトイレに行っておこうとホールの外に出て、長い列に並ぶ。15分くらい待った気がする。その後、またベンチに座って休憩し、 ベルセバ前のBleachersというバンドが終わる頃にソニックステージという会場に入った。ちょうど演奏が終わり、出て行くお客さんとは逆方向に前に進んで行ったら、ステージ向かって右側の前から2~3列目くらいの位置に立てたので意外だった。事前にフェスについて情報を読んだら、混んでいると入場規制がかかっては入れないこともあるらしくて、それでは困る!と思ったが、全くそんなことはなかった。人混みが苦手なのでラッキー!と思った。

 

そして、ベルセバのステージ替えで楽器やスクリーン映像のチェックをしていると、アニメのザ・シンプソンズ(The Simpsons)にカメオ出演して話題になっていた映像が音とともに流れて面白かった。思わず写真を撮ってしまった↓。

 

 

 

開演を待っている間、観客も徐々に集まって来て、空調つけているはずだけどまったく涼しくなくて、携帯用ファンが小さいながらも風があるとまだマシで持って行ってよかった。そして間もなく、ベルセバのメンバーが現れて、いよいよライブが始まった。

 

 

オープニングに聞き覚えのあるインスト曲が流れて、映画『バグノルド家の夏休み』サントラからの曲だった。1曲目は、I'm A Cuckooで軽快なテンポのメロディ、glad to see you~ と歌がはじまる、オープナーに相応しい一曲。歌い終わった後か記憶がおぼろげだが、合間のトークでフロントマンのスチュアートが、この曲の歌詞にもある原宿のことを言い出して、もうハラジュクに行くには自分は too oldと言っていた。それを聞いて思わず、me too!と心の中で言ってしまった(笑)。でもスチュアート、ステージ上では軽快なフットワークであの独特な踊りで元気に歌ってくれてよかった。

 

 

また、Get Me Away From Here, I'm Dyingも演奏してくれて、この曲は初期の方の赤いアルバム(If you’re feeling sinister)に収録されているが、先の『バグノルド家~』のサントラ用に歌を再録音したそう。思えば、サマソニにベルセバ出演という知らせを見て、単独だったら即決なのに、観に行きたくても暑い時期のしかもフェスで自分は行けなさそう、、ベルセバが来日するのに観に行けないのはほんと悲しい~と悲嘆に暮れていたときに、その映画を観たので、主人公が夏休みに楽しみにしていた予定がキャンセルになり、ふてくされて一夏を過ごすエピソードと、ベルセバのライブを7年ぶりに観れるチャンスだけど、フェスには行けなさそうな自分を重ねて、この曲を聞くと泣きたくなったのが思い出された。夏休みという季節感も相まって・・。

 

 

 

この日のセットリスト→ B&S at Summer Sonic Tokyo 2024

 

サマソニ公式ページのフォトギャラリー →Belle and Sebastian

 

フェスなので時間割り当てが1時間弱くらい、単独公演と比べて半分くらいのセットリストだったが、どの曲も馴染みのある曲でステージ上でメンバーが演奏してくれる姿を見ながら聴けて楽しかった。いちばん新しいアルバム(Late Developers)からも2曲演奏してくれた。来日前に、ファンとインタラクティブに交流するのが好きなスチュアートがソーシャルメディア(X)で、サマソニで聴きたい曲を募る投稿をしていたので、私も数曲リクエストしてしまったが、そのうちの1曲は大阪会場で演奏らしく、東京で聴けなくてちょっと残念だったけれども仕方ない。またの機会に、次はぜひとも単独公演を期待したい。

 

(最後の曲、Judy and the Dream of Horsesのときのステージ↓)

 

 

意外だったのがDear Catastrophe Waitressを演奏したことだった。スチュアートが、このアルバムのリリース時に初めて日本でライブをしたと言っていたように聞こえたが?、後で来日時のチラシをチェックしたら、Dear~のチラシは2004年の来日時だったので、私が初めてベルセバの来日公演を観たのは2001年、赤いアルバムの時が初来日だった?会場は赤坂ブリッツだった。
 

 

しかし、天気はその時の運なので仕方ないが、当日、猛暑で暑くて本当にどうなる事かと思った。幕張の予想最高気温は35℃くらいということだったが、家を出るときがちょうど一番暑い昼過ぎで、駐車場から最寄り駅までの5分~くらいの徒歩でも、体感温度は40℃くらいあったと思う。熱い空気の中を歩いているとくらくらして、息苦しい感じもしてなんだか危険を感じて、電車に乗っても先行き心配になり、行くのやめて家に引き返そうかと思ったほどだった(笑)。やはり、気温20℃~25℃くらいがアクティブな外出は一番快適だと思う。春や秋のもっと気候の良い時期だったら、もう少し他のアーティストのライブも楽しむ余裕があっただろう。でも、今回は唯一の大本命のベルセバが観れて本当に良かった。

 

サマソニライブに向けてベルセバの歴代アルバムを古い順番から聴き直していたが、どの曲もライブ映えする聴きたい曲ばかりだなぁと思った。ちなみに自分がリクエストした曲の一つはこちら↓だった。

 

 


日が経つにつれて、サマソニに行けたことも、ベルセバを観れたことも、貴重な体験だったとじわじわ思えてきた。しばらくはベルセバ祭りで、コロナ禍にリリースされた2枚組のライブアルバム、What to Look for in Summerでライブの余韻に浸りたい。まさにこのタイトルのように、夏に見つけたいことが見つかった気分で。