「おや、今日は源兵衛じいさんがわしたちを収穫に来ると出ておるぞ。」
とチンゲン斎が占いました。でもみんなはまた当たらない占いを言っていると聞き流していました。
お日様が高く上がったころ、源兵衛じいさんが大きなザルを持って畑にやってきました。
ニコニコした顔でお野菜を一つ一つ撫でながら、ていねいにていねいに
エビイ門、ひの菜ちゃん、コカブー、チンゲン斎、レディエシャロット、小松菜ばあさん、大根マンの順に
収穫していきました。そうです。占いが当たってしまいました。今日は本当に収穫の日になりました。
収穫されたお野菜たちは、新聞紙に包まれて暗い箱の中に入れられてしまいました。
お野菜を乗せたトラックが街に向かって走り出します。
「拙者たちはどこに連れて行かれるのでゴザルか?」
エビイ門の問いかけに
「みんなと離れ離れになるのはいやだわ。」
と不安げにひの菜ちゃんは言いました。
「コカブー、バブバブ。」
「私は、早く田舎を出て華やかな都会に行きたいわ。」
レディエシャロットは、少しウキウキしているようです。
チンゲン斎は自分の占いが当たったことに不思議がって首をひねっていました。
いつも元気な小松菜婆さんは、さすがにトラックの揺れがこたえているようです。
どれくらいたったでしょうか。
一度箱から取り出されたお野菜たちは、
また薄暗くて今度はひんやりした倉庫のようなところに入れられました。
「ここは一体どこでゴザルかなあ。」「なんだか寒いわ。」「コカブー、バブバブ。」
「お肌が乾燥するわ。」「我々の今後の運命はと。」
みんなが口々に話していると、外から足音が近づいてきました。
「しっ、誰か来るわ。」
息を止めて、お野菜たちに緊張が走ります。
そうっと天井が開いて、光が差し込んだかと思うと、男の子が目をきょろきょろさせて
中を覗いて言いました。
「ねぇ、なかに誰かいるの?」
つづく
