【最期は生まれ故郷に帰りたい】 ②
朝6時半に病棟へ到着
昨日の尿量が気になる。
「800ml出ましたよ」 それを聞いて少しホッとする。
ターミナル期では、尿量がかなり重要なポイントとなる。
出発前に痰の吸引とオムツのチェック。
呼吸状態はあまり良いとはいえない。途中で何かある可能性は否定できない。
昨日ご家族に渡しておいた【搬送中のリスクに関する同意書】にサイン
したものを受けとる。「DNRですよね?」 再度病棟ナースと最終確認。
長距離搬送は、病状が思わしくない患者さまにとっては非常に負担が大きい。
一般の方はこの負担を比較的軽く考えがちなので、いつも十分説明
する必要がある。
酸素3Lマスクを装着したままストレッチャーへ移乗、出発する。
最初はご本人も不安気なので、ご家族に隣に座っていただき、
声をかけてもらいながら高速道を行く。
出発して1時間半、途中のバイタルチェックとオムツ交換のため
サービスエリアで止まってもらう。
ここで大変なことが起こる。
(つづく)
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【最期は生まれ故郷に帰りたい】 ①
『家族や親族が暮らしている故郷に帰って最期の時間を過ごしたい。』
病気が進行して残された時間を告げられた。
患者さまの願いを叶えてあげたい。
家族と病院スタッフが相談して移送をする決断をした。
今のタイミングを外したら、患者さまの移送は諦めなくてはならない。
「相当なリスクを背負っているがお願いできますか?」
病院の相談室からの依頼を受けた。
厳しい搬送になることは間違いない。
そもそも、簡単な搬送なんてありえないのだから。
出発前日に同乗する看護師と病棟へ事前調査にあがる。
ここ数日のバイタル(体温、血圧など)は?
食事は? 「禁食です。飲み物だけは飲んでいます」
点滴は? 「末梢から1日4本(500ml×4)入っています」
尿量は? 「600~1000ml/日で、昨日は300ml」(徐々に減っているか?)
痛みや息苦しさは? 「あまり訴えませんが、屯用で座薬があります」
『では明日の朝は、屯用の座薬と、途中で更新する点滴の準備をお願いします』
やや肩呼吸で心拍数も高めなのが気になりながら、その場をあとにした。
明日は朝7時に出発だ!
(つづく)
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