こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
会社を辞めて独立を考えるとき、
多くの方はまず
「今の自分に、何ができるだろうか?」
と自問するはずです。
一方、部署の責任者であれば、
「この部署をどう成長させられるか」
という視点で考えるでしょう。
立場は違っても、
ビジネスマンとして行き着く問いは共通です。
自分は、どのような形で会社に価値を出せるのか。
その判断軸として、
シンプルですが有効な考え方があります。
それが
「好き・嫌い」×「得意・不得意」
の4象限で整理してみることです。
1.好き × 得意
最も理想的な領域です。
経営者であれば、
この領域の事業には自然と改善や成長のアイデアが湧きやすい。
ビジネスマンであっても、
やりがい・充実感・貢献実感を得やすく、
成果も安定して出やすい仕事です。
まさに、力を最大限に発揮できるゾーンと言えるでしょう。
2.嫌い × 不得意
ここは説明不要かもしれません。
経営者であれば、
この領域の事業は早めに撤退判断をする方が賢明です。
ビジネスマンの場合も同様で、
力を発揮しにくく、精神的な負荷も大きくなりがちです。
社内であれば、配置や役割のミスマッチと考えられます。
3.好き × 不得意
「好き」という感情は、継続する力を生みます。
短期的には、
会社に目に見える成果をもたらさないかもしれません。
しかし中長期で見て、
不得意が得意に転じる可能性があるかどうか。
ここを見極めることが重要です。
育成すべき領域なのか、
趣味や関心に留めるべきなのか。
冷静な判断が求められます。
4.嫌い × 得意
「嫌い」というより、
「特別好きではないが、人よりできてしまう」領域です。
先日お会いした、金融業界で活躍されてきたK社長は、
こんなことを話されていました。
「正直、金融の世界は好きではない。
でも、お金を動かし、増やすことは得意かもしれません」
得意であるということは、
相対的に見れば強みです。
それは、価値やお金を生み出せる力につながります。
会社としても、
ビジネスマンとしても、
まずは**「得意な領域」で勝負する**ことが第一歩です。
その中で経験を積み、成果を出すことで、
仕事への理解や手応えが深まり、
やがて「好き」という感情が育つことも少なくありません。
さまざまな考え方はありますが、
最初から「好き」を軸にするよりも、
「得意」から始める。
その方が、
経営も仕事も、結果的にうまく回る。
私はそう感じています。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV 1月号のゲストは、
鹿沼(かぬま)グループの福島社長です。
前回は、
福島社長が困難な状況でも動き続けた
「折れない姿勢」についてお伝えしました。
今回は、
事業再生の軸となった「ビジョン」
についてのお話です。
会社が厳しい局面に立たされたとき、
必ず問われるのが、
・この会社は、どこに向かうのか
・なぜ、この会社は存在するのか
という点です。
鹿沼グループも、
民事再生という状況の中で、
多くの社員が会社を去っていきました。
その中で福島社長は、
「この会社に残る理由」と
「進む方向」を
はっきりさせる必要がありました。
現在、鹿沼グループが掲げているビジョンは、
次の一文です。
「また来たいと思ってもらえる
“次のゴルフ場”を創り出す」
このビジョンの特徴は、
「次のゴルフ場とは何か」を
あえて決めていないことです。
多くの場合、
ビジョンは数値や具体策まで落とし込み、
解釈の余地をなくそうとします。
もちろん、
それが有効な場面も多くあります。
しかし鹿沼グループは、
あえて正解を示しませんでした。
ゴルフ場という事業を
一度広く捉え直し、
現場一人ひとりが考える余地
を残したのです。
その結果、
「本当にゴルフ場なの?」
と思うような取り組みが生まれました。
・リトリート事業
ゴルフコース内に設けたトレーラーハウスで、
焚き火や自然を楽しみながら過ごす特別な時間
・ピッツァコンテスト
子ども × 食育 × ゴルフで地域をつなぐイベント
・R&A コミュニティゴルフ
子どもたちが気軽にゴルフを体験できる場づくり
・花火大会の開催
鹿沼市唯一の一尺玉を含む花火大会。
過去最高の850名が来場
いずれも、
ゴルフ場が本来持っている
「場所」「自然」「集客力」を
別の形で活かしたものです。
ビジョンは、
細かく指示を出すためのものではなく、
考え方の方向を揃えるためのものとも言えます。
答えを決めすぎないことで、
現場が考え、動き、工夫する余地が生まれる。
福島社長の話から、
そんなビジョンの力を
改めて感じました。
経営において、
すべてを決め切ることだけが
正解ではありません。
あえて問いを残す。
それもまた、組織を前に進める
一つの経営判断なのだと思います。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV 1月号のゲストは、
鹿沼(かぬま)グループの福島社長でした。
鹿沼グループは、栃木県で複数のゴルフ場を運営されています。
・鹿沼カントリー倶楽部(45ホール)
・鹿沼72カントリークラブ(45ホール)
・栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部(18ホール)
合計108ホールを持つ、大規模なゴルフ場グループです。
しかし同社は、
足利銀行の一時国有化の影響を受け、
2004年に民事再生法の適用を申請することになります。
当時、福島社長は代表取締役を退任し、
執行役員副社長という立場に。
それでもスポンサーに頼らず、
自力での再生を選び、
2008年に再び代表取締役社長に就任されました。
この経験は
『負債1400億円を背負った男の逆転人生』
という書籍にもなっています。
まるでドラマのような実話です。
借入金を含め、負債総額は約1400億円。
正直に言えば、
多くの人が「関わりたくない」と思う状況です。
実際、社内には
「潰れた方がいい会社だ」と言う社員もおり、
会社全体が危機的状況に対して
無関心な空気だったそうです。
資金繰りに追われ、
給与の遅配も続く。
社員に頭を下げ、
銀行に頭を下げ、
関係者に頭を下げる。
謝ることが、仕事の日々でした。
私は福島社長に、
こんな質問をしました。
「これだけ厳しい状況で、
心が折れることはなかったのですか?」
すると、こう答えてくださいました。
「暴飲暴食くらいはありましたが(笑)、
心が折れることはなかったですね。
正確には、“心が折れる暇がなかった”。
動き続けないと、何も良くならない。
問題が起きたら、すぐ行動。
お正月以外は、ほとんど休まず動いていました。
失礼な言い方かもしれませんが、
心が折れる時というのは、
行動が止まった時ではないでしょうか」
次から次へと課題が降ってくる。
だから、立ち止まる余裕がなかった。
結果として、
「心が折れる暇」すらなかったのだと思います。
これは、
ビジネスマンの皆さんにも
大切なヒントではないでしょうか。
よくベテランの経営者が、
若手にこう言います。
「悩む暇があれば、動け」
悩むこと自体が悪いのではありません。
ただ、
悩むことを「行動しない理由」にしない。
まず一歩動いてみる。
すると、次の一手が自然と見えてくる。
福島社長の言葉は、
そのことを強く教えてくれました。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
売れる商品と、売れない商品。
どちらに目が行くかと言えば、多くの場合、
「売れない商品」ではないでしょうか。
「どうすれば、この商品は売れるようになるのか」
これは、私たちが仕事をする中で
自然と考えてしまう思考プロセスだと思います。
先日、ニトリOBの方の記事を読みました。
そこには、こんなことが書かれていました。
「ニトリの強さは、あれだけ多くの商品数がありながら、
1年間で半分くらいの商品が、
気づかれないほど少しずつ変わっていること。
特に“売れている商品”を改善し、
バージョン2、3と進化させていく力にある」
この考え方は、とても興味深いですよね。
すでに売れている商品があると、
「もう売れているのだから、お客様は満足している」
「これ以上、手を加えなくてもいい」
と考えてしまいがちです。
つまり、
「伸びしろはあまりない」と思ってしまうのです。
しかし、見方を変えてみるとどうでしょうか。
その商品が売れているということは、
確実にニーズがあるという証拠です。
ニーズがあるなら、
・もっと使いやすくできないか
・もう一歩、かゆい所に手が届かないか
と掘り下げることで、
伸びしろはまだまだ広がります。
結果として、
より多くの人に支持されたり、
購入頻度が高まったりする可能性もあります。
私自身、ニトリで買い物をすることがありますが、
「前に買った商品とまったく同じもの」を
1~2年後に見かけることは、あまりありません。
形や機能が少しずつ改良され、
気づかないうちにバージョンアップしている。
これこそが、ニトリの強さなのだと思います。
売れていないものを何とかしようとする前に、
すでにうまくいっているものを、もっと深く掘り下げる。
この視点は、
商品開発だけでなく、
日々の仕事や自分自身の成長にも
応用できる考え方ではないでしょうか。
ぜひ、明日からの仕事で
「今、うまくいっていること」に
目を向けてみてください。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV12月号のゲストは、
うきはの宝株式会社 代表取締役・大熊社長。
前回に引き続き、
75歳以上のばあちゃんたちが働く
「ばあちゃんビジネス」を立ち上げた
大熊社長のお話をご紹介します。
今回のテーマは、
**「権限移譲してよかったこと」と
「権限移譲しなかったこと」**です。
■ 権限移譲したこと
それは、ばあちゃんの採用。
創業当初は、
「やる気があり、共感してくれるなら誰でもいい」
という考えで採用していたそうです。
ところが実際には、
価値観の異なるばあちゃんが次々と集まり、
メディア取材が増えるにつれて、
「自分だけを見てほしい」という
強い承認欲求を持つ方も現れました。
結果として、
協調性よりも“我”が前に出てしまい、
組織は不協和音を起こします。
多くのばあちゃんが離れ、
現場は一気に混乱状態へ。
当時を振り返り、大熊社長はこう語ります。
「まさに組織崩壊でした。
創業時の人数に逆戻りし、
本当に危機的な状態でした」
そして、残った少数のばあちゃんから
こんな言葉を投げかけられたそうです。
「社長は人を見る目がない。
どんな人も良く見えてしまう。
採用は、私たちに任せてほしい」
この一言をきっかけに、
現場の感覚を持ったばあちゃんが
『一緒に働ける仲間か』という視点で
採用を担うようになりました。
すると、定着率は一気に改善。
経営者が見る「良さそうな人」と、
現場が見る「一緒に働きたい人」は、
必ずしも同じではないのかもしれません。
■ 権限移譲しなかったこと
一方で、大熊社長が
あえて任せなかったことがあります。
それが、**「値決め」**です。
密な干し芋をはじめ、
通販で扱う商品づくりには
ばあちゃんたちの知恵が欠かせません。
しかし価格だけは、
ばあちゃんの意見を聞かず、
社長自身が決めているそうです。
理由はシンプル。
ばあちゃんたちは、
「高いお金を払わせるのは申し訳ない」
「安くして、お腹いっぱいになってほしい」
という思いが強く、
極端に安い価格をつけてしまう。
その優しさが、
ビジネスとしての判断を
曇らせてしまうのです。
「値決めは経営」と言われる通り、
価格は事業継続の生命線。
市場全体を見渡し、
自分たちが提供している価値を
合理的に判断する。
そこは、
経営者が責任を持つべき領域だと
大熊社長は考えています。
スタッフに
何を任せて、何を任せないか。
この線引きを誤ると、
中小企業の経営は
一気に行き詰まってしまいます。
権限移譲は「任せること」ではなく、
「見極めること」。
そんな示唆に富んだお話でした。