~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -4ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

仕事を選ぶとき。
会社を選ぶとき。

「やりがい」と「お金」、どちらを優先するか。

これについては、さまざまな意見があります。

以前、ある経営者の方がこんな話をしていました。

「うちの会社は給料は決して高くありません。
でも、やりがいのある仕事ばかりです。
多くの人に喜んでいただける仕事ですし、
社会にも貢献している仕事です。」


とても誇らしげに語っていました。

一方で、少し意地悪な見方をすれば、

「給料が低いという不満を、
やりがいという満足で補っている」


とも受け取ることができます。

やりがいによって心が満たされることはある。
しかし、やりがいだけで生活することはできません。

もちろん、仕事にやりがいがあることは大切です。

ただ、やりがいがあるからといって、
給料を上げていく努力を諦めてはいけないと思います。

そもそも「やりがい」というものは、
個人の感じ方による部分が大きいものです。

同じ職場環境であっても、
ある人はやりがいを感じ、
別の人はそう感じないこともあります。

また、現実的な問題として、
独身の立場と、家族や子どもを養う立場とでは
お金の重みも大きく変わります。

「やりがいがあるから給料は低くてもいい」
という結論には、なかなかならないでしょう。


どんなに好きな仕事でも、
どんなにやりたい仕事でも、
経済的な土台がなければ長く続けることは難しいものです。

「人を大切にする経営」を掲げる会社があります。
私自身、その考え方には共感する点が多くあります。

ただ一方で、

「人を大切にする」=「やりがいを提供すること」

という思考になってしまっている経営者も
少なくないように感じます。

やりがい“さえ”提供できればよい、
と考えるのではなく、

「どうすれば給料も高めていけるか」


ここまで含めて考えることが大切ではないでしょうか。

やりがいと報酬。
その両方を追求していくこと。

それが、人が成長し、
人が定着し、
組織が安定していく経営につながるのだと思います。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先日、二代目経営者のA社長と話していたときのことです。

先代社長は、毎月の給与日に社員一人ひとりへ
給与明細を手渡ししていたそうです。
その際、必ず一言ずつ声をかけていたとのこと。

さらに月に一度、短い時間ではあるものの、
社員との個別面談も行っていたそうです。

A社長も事業承継をした当初は、
先代のやり方をそのまま引き継いでいました。

しかし、社員数が100名を超えたあたりから、
時間的な制約もあり、
同じ方法を続けることが難しくなりました。

そこで現在は、
管理職との面談の機会を中心に設け、
その他の社員とのコミュニケーションは
管理職や監督職に任せる形に変えたそうです。

それまでは社長が直接、
社員一人ひとりと話す機会が定期的にありました。

それがなくなったことで、
社内ではさまざまな声も出たと言います。

トップ自らが現場の社員との会話を大切にする。
これは一見、とても良いことのように思えます。

しかし実際には、
メリットだけでなくデメリットもあるようです。

たとえば、トップと現場の距離が近すぎると、
中間管理職を飛び越えて
直接話が進んでしまうことがあります。


そうなると、中間管理職の役割が弱くなってしまう。

少しでも上司に不満があれば、
トップに直接訴えるという構図も生まれやすくなります


また、部下が自分を通さず社長と直接話し込むような状況は、
中間管理職にとって決して気持ちの良いものではありません。

結果として、組織内の関係が悪化してしまう可能性もあります。

さらに、社長と親しく話せる一部の社員の中には、
「自分は社長と特別に近い存在だ」と
勘違いしてしまう人が出てくることもあります。


周囲から見れば、

「あの人は社長に気に入られている人」
「あの人はそうではない人」

といったラベリングが
生まれてしまうこともあるでしょう。

経営者と現場の距離が近いことは、
確かに大きなメリットがあります。

しかし同時に、組織運営の観点から見ると
デメリットも生まれやすい。


だからこそ、
どちらの側面も理解したうえで、
自社にとって最適な距離感を
選んでいくことが大切ですね。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先日、経営者コミュニティのメンバーと食事をしていたとき、

こんな話題になりました。

「Aさんは地域課題への問題意識も高いし、人を惹きつける魅力もある。

政治家を目指してみたらどうですか?」

するとAさんはこう答えました。

「いやいや、勘弁してくださいよ。私なんて叩けば埃だらけです(笑)。

仮に運よく政治家になれても、1週間で辞めることになりますよ。」

さて、皆さんはどうでしょうか。

叩いても叩いても、少しの埃も出てこない――
そんな自信はありますか?

5年前、10年前までさかのぼったら。
あるいは小さな出来事まで含めたら。

何かしら指摘されることの一つや二つ、

誰にでもあるのではないでしょうか。

政治家は「国を導くリーダー」として、

高い倫理観や模範性を求められます。
 

経営者もまた「組織を導くリーダー」として、

同じように姿勢や在り方が問われます。

徳や学識に優れ、

私欲なく正しく生きる人物を「聖人君子」といいます。
 

私心がなく、

不正のない状態を「清廉潔白」といいます。

私たちは、リーダーにそのレベルを求めすぎてはいないでしょうか。

「聖人君子」であり、「清廉潔白」であることを。


しかし現実には、そんな完璧な人がどれほどいるでしょう。

女性問題や少額のお金の問題など、
一般人であれば大きく取り上げられないことも、
立場が上がれば一気に糾弾の対象になります。

さらに、考え方が少し違うだけで、
人格そのものまで否定されることさえあります。

けれども、100%考えが一致するリーダーなど存在しません。

共感できる部分もあれば、違和感を覚える部分もある。
本来、それが自然な姿のはずです。

「聖人君子」はいない。
「清廉潔白」も幻想かもしれない。
考え方も人それぞれ違う。

それでも、あなたから見て“70%納得できる”なら、
それは十分に信頼に値するリーダーではないでしょうか。


100%を求める社会よりも、
70%を認め合える社会のほうが、
現実的で、調和が生まれる。

私は、そう思います。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先日お会いしたH社長。

先代から事業を引き継ぎ、
事業規模は約3倍に拡大。
M&Aを重ね、複数法人を経営。
近年はホールディングス化も実現されました。

そして現在、
いくつかの法人では代表取締役を後任にバトンタッチしています。

思わず私はこう言ってしまいました。

「その役員報酬分も社内に還元できるじゃないですか?」

それくらい、利他的な姿勢を感じたからです。

H社長はこう話されました。

「自分がいなくても会社が回る状態にできた。
それなのに籍を置いたままの人もいる。
ポストを委譲しない。
役員報酬をもらう合理的な理由にはなるでしょう。

でも、いてもいなくても一緒なら、退任した方が自然じゃないですか?


ポストを渡して、自分は次の目標に向かう。
その方が、みんなにとっていいと思いませんか?」


どうでしょう。

自分が苦労して手に入れたポスト。
ゼロから創り上げた会社のトップの座。

普通は、手放せません。

居心地もいい。
影響力もある。
報酬もある。

「まだ若手が育っていない」
「後継者が十分ではない」
「もう少し自分が支えるべきだ」


理由はいくらでも作れます。

しかし、中堅ビジネスマンにとっても
これは他人事ではありません。

課長の椅子。
部長のポスト。
プロジェクト責任者。

「自分がいないと回らない」
そう思っているうちは、
実は仕組み化ができていないだけかもしれない。

本当に価値があるリーダーは、
自分がいなくても回る状態をつくる人です。

少し厳しい言い方をすれば、

経営者にも、リーダーにも賞味期限がある。

賞味期限が切れてもポストに残れば、
周囲は気を使うようになります。


本音では
「そろそろ世代交代では…」
と思っていても、誰も言えない。

表では
「まだまだ必要です」
と言われながら、
実際には新しい挑戦の芽を止めている。

そんな状態は、
本人にとっても、組織にとっても健全ではありません。

中堅層は、
これからポストを「得る側」でもあり、
将来は「手放す側」にもなります。

大切なのは、
ポストを守ることではなく、
次を育て、次へ進むこと。

去り際は、
在任中の実績以上に、その人の価値観を映します。

ポストにしがみつくのではなく、
「次へ行く背中」を見せられるリーダーでありたい。


H社長の姿勢から、
そんなことを考えさせられました。

 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先日の衆議院選挙は、
予想以上の結果で幕を閉じました。

正直に言えば、
「この人まで当選するのか…」
と感じた場面もありました。

一方で、実力がありながら
流れに乗れず落選した方もいる。

選挙は残酷です。
しかし同時に、
**「今、何が支持されないのか」**を
はっきり映し出します。

これは政治の話ではありません。
リーダーの話です。

ビジネスリーダーや経営者にとっても、
他人事ではないと感じました。


1.批判だけのリーダー

与党を批判する。
会社で言えば上司や経営陣に異を唱える。

それ自体は必要です。

しかし、

・批判すること自体が目的になっている
・解決策がない
・揚げ足取りに終始する

こうなると、周囲は離れます。

組織の中でもいませんか。
「それは違います」とは言うが、
「ではどうするか」は出てこない人。

リーダーに求められているのは、
評論家ではなく、実行責任者の視点です。

2.下品なリーダー

今回の選挙でも、
見ていて不快になる言動がありました。

強い言葉。
半ギレ気味の態度。
相手を小馬鹿にするような発言。

主張が強いことと、
品がないことは違います。

ビジネスでも同じです。

成果が出ていても、
言葉遣いが荒い。
時間を守らない。
他者を軽んじる。

それだけで、
「一緒にやりたい」とは思われなくなる。

支持は、能力だけでは決まりません。


3.一貫性のないリーダー

票を取るために
過去の発言をひっくり返す。

柔軟というより、
信念がないように映る。

状況に応じた戦略変更と、
場当たり的な迎合は違います。

ビジネスリーダーも同じです。

上の顔色で意見を変える。
部下の前では別のことを言う。

それを繰り返せば、
確実に信用は削られます。

一貫性は、派手ではないが、
確実に効く資産です。


4.違いを打ち出せないリーダー

今回の争点の一つは減税でした。

8%か5%か。
2年か無期限か。

しかし、聞いている側からすると、
「結局どれも似たような話」に聞こえる。

一方で、
まったく違う切り口を出したところは、
議席を伸ばしました。

競争戦略で言われる通り、
差別化は「ベター」ではなく「ディファレント」。

少し良い、では埋もれる。

これはビジネスでも同じです。

他部署より少し頑張る。
競合より少し安い。

それでは記憶に残らない。

あなたのチームや会社は、
「何が違う」と言えるでしょうか。


5.反省できないリーダー

落選後のコメントも印象的でした。

「ネットの影響が…」
「あと1週間あれば…」

本当にそうでしょうか。

外部要因は常にあります。
しかし、
それを理由にしている限り、
次はありません。

リーダーになると、
言い訳の精度も上がります。

環境が悪い。
人材が足りない。
上が理解していない。

でも、
その中で何を変えられたのか。

そこから逃げた瞬間、
成長は止まります。

今回の選挙は、
支持されないリーダー像を
かなり生々しく見せてくれました。

・批判だけ
・品がない
・ブレる
・違いがない
・反省しない


これは政治家の話ではありません。

ビジネスリーダーが
次のステージに上がれるかどうかを
分けるポイントでもあります。

「自分は大丈夫か?」

少しだけ立ち止まり、
問い直す価値はありそうです。