~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -4ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


2020年まで千代田区麹町中学校の校長を
務められた工藤勇一氏。


宿題廃止、定期テスト廃止、固定担任制廃止などの
教育改革を実行されたことで有名です。

これまでの学校の「当たり前」を変えてきました。


工藤氏は書籍の中でこのように言っています。


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決して多数決は民主主義ではない。
少数派で多数決に負けた人たちは苦痛を感じる。
学校は「誰一人取り残さない社会」を学ぶ場。

そのためには対話を通じた合意形成が必要。
みんながOKと思える「最上位目標」は何か。
最上位目標に繋がるかで合意をする。

A案になってもB案になっても誰の利益も
損ねることがないとき。
その時は多数決を使っても構わない。

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以前から私も疑問に思っていた点でした。

多数決をとる。多い方の意見が採用される。
少ない方の意見は却下される。
それは民主主義と言えるのか?


SDGsの基本に理念には
「誰一人取り残さない」とあります。

でも普段から少数派の意見は、
「少数」と軽んじられてしまう。
少数派は取り残されていく。


工藤氏が言っている通り、
実社会の中でA案とB案のいずれかを選択すれば、
利益を損ねる人間が出てくるため、
多数決を使わざるを得ない時もある。


しかし多数決は、合理的な方法であるが
最も知恵を絞らず、最も楽な方法なのかもしれない。


A案でもなくB案でもないC案があってもいい。

「妥協」とはネガティブな言葉とした使われるが、

「最善な妥協点」は歓迎するべきではないか。



企業の中でも一旦、多数決を止めてみる。
最上位目標を定めて、
「最善の妥協点」を模索することがあってもいい。


理想論と言われてしまうだろうが、
「誰一人取り残さない」結論を
模索してもいいのではないか。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


『静かに退職する若者たち』という書籍の中に
下記のようなエピソードが出てきます。


A社の開発部門では女性が圧倒的に少ない。

そこで女性の採用数を増やしつつ、
時間をかけて彼女たちのキャリアパスを検討を重ねた。

研究開発者といえ、実験室にこもっているわけにもいかない。
より顧客に近い所で、知見と経験を積む必要がある。

そこで4名の女性新入社員を採用し、
彼女たちを対象に新しい取り組みを始めた。

開発部に仮配属した上で
6ヶ月~12ヶ月単位で
企画部や営業部を経験してもらい、
再び開発部に戻すといった
横断的なプロジェクト。

つまり最長12カ月にも及ぶジョブローテーション。

あくまでも研修という目的であること、
そして開発部に出入りもできる。
研修終了後は必ず開発部に戻す。

このことを丁寧に説明してスタートしたそうだ。

しかし予想外のことが起きる。
4人中2人が辞表の提出。


うち1人は退職代行サービスを使って。
担当者は相当ショックを受けたそうだ。


上記のようなエピソードです。

様々な部署を経験し、
理想的な開発者を育てることが狙いだったはず。

意識の高い人には、
このプロジェクトはフィットするが、
そうでない人にはどのように受け止めたのか?と
推察されている。


これは非常に考えさせられる事例です。

つまり社内のスタッフが、
どのような目標・価値観・資質を持っていて、
その人たちにどのような価値を届けるのか。

社内の教育もマーケティングであるということ。


「将来幹部になりたい」

「幅広い視点から考え、
 他部署も巻き込める研究者になりたい」

というビジョンを持っている人には、
多少大変なことがあっても、
このプロジェクトに価値を感じたかもしれない。



そうではなく、
「自分の好きな研究だけを淡々とやっていたい」

という人には、意義を感じられなかったのかもしれない。



丁寧に顧客分析をするように
社員分析も丁寧にする。

決して別物ではない考えたほうが
これからの時代は上手くいくかもしれません。

 


こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


新入社員の方へメッセージを出す際、
自分の話が相手にどのように受け止められるか、
注意をする必要はありますね。


額面通り受け止められてしまうことがあるからです。


例えば、

「苦手なことであっても、大変なことがあっても
 挑戦していきましょう」


といった旨の話をする。


これは
「逃げてはいけない。立ち向かうべきだ」
といった意味で解釈されることがある。



「逃げてはいけない」だけがその人の価値観になり、
結果、心が疲れて壊れてしまう人もいる。

その人は「逃げる」「お休みする」ことが
必要になります。


「逃げてはいけない」「逃げてもいい」、
どちらもTPOに応じて正解なんですね。



情報発信者は、メッセージを片側からしか
発進できません。

そうしないと、
結局何が言いたいの?結局どちらが大事なの?
となってしまうからです。


またはその人の今の状況にもよります。


これまで「逃げる」選択肢ばかりしてきた人は、
「逃げてはいけない」というメッセージが響く。

これまで「逃げない」選択肢をとってきた人は、
「逃げてもいい」というメッセージが響く。



できれば、情報発信者側は
相手がどのような状態なのかを把握して伝える。

情報受信者側は、相手がどのような立場で話を
展開しているのかを想像する。


少しでも互いに誤解を防ぐには、
このような努力が必要ですね。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


十方よし.TV3月号のゲストは、
株式会社マコセエージェンシーの高橋社長。

前回に引き続き
マコセエージェンシー様の事例です。

鹿児島の一企業でありながら、
日本全体の1割の会葬礼状を扱っています。

そもそもこの事業は365日拘束されてしまい、
年中無休になります。

スピードとクオリティの高さから
溢れるほど仕事の依頼が入りました。


当時スタッフの6~7割くらいの方が膀胱炎、
血尿の症状が出ていたそうです。

それくらい次々に仕事が入り、
トイレに行く時間もなかなか取れなかった。

3年間で30人採用しても
30人退職をしてしまうほど定着率が悪い。


ある時、退職する社員が高橋社長へ
涙ながらに言い放ったそうです。

「やっている仕事は素晴らしいし、
 やりがいを感じる。
 でも会社クソだ!」


本当は辞めたくないけれど、
この状況ならば仕事を続けることが難しい。

その声を聴いて、
「人を大切にする経営」
本腰を入れていったといいます。


数々の福利厚生を整える仕組み。
効率を上げるDX化。
育休・産休制度。
社内アワード。

もちろんトイレについても。

事務所にトイレランプが点滅し、
空き状況が一目で分かるようになりました。

これらによって、
今となっては離職率が著しく下がり、

「女性が輝く会社」

として書籍で紹介されるようになりました。


「やりがい」だけあっても、
仕事を続けることは難しい。

「働きがい」と「働きやすさ」の両面が
必要ですね。


これらを実現しようとする
経営陣の本気が見られています。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


十方よし.TV3月号のゲストは、
株式会社マコセエージェンシーの高橋社長。

マコセエージェンシー様は、
フューネラル関連商品の提案や
オリジナル会葬礼状の作成・会葬パネルの作成を
されている会社です。


日本の一年間の葬儀件数は130万件。
会葬礼状の作成件数は13万件。
鹿児島の一企業でありながら、
日本全体の1割の会葬礼状を扱っているそうです。


オリジナル会葬礼状を始めたきっかけは、
創業者のお母様の一言。

「形式的なものではなく、
 故人(こじん)への思いや思い出を伝えたかった。
 関係者の方へも御礼を伝えかった」



これまでの会葬礼状は、
どこも同じようなものばかりでした。

名前を変えているだけで文面は一緒。

礼状が最寄駅のゴミ箱に捨てられているということも
よく見かけたそうです。


「形式ではなく感謝を伝えたい」

私も故人の立場であれば、同じように考えると思います。

でも「しきたり」を変えることまでは、
なかなか考えないですね。

こういうものなんだろう…と受け入れてしまう。


マコセエージェンシー様も
コロナで大きな損害を受けました。

三密を避けるために、
葬儀に人を呼ばなくなった。
そうすると会葬礼状もいらなくなります。

そこで以前から準備をしていた、
デジタル会葬礼状を始めます。


例え参列をされなくても、
「お世話になった方には感謝の言葉を伝えたい」

その思いがサービスになりました。

紙であれデジタルであれ、
オリジナル会葬礼状を作るには、
ご遺族や喪主に直接電話をし、
生前どのような方だったのか、エピソード等を聴く。

ここのヒアリングが全てだといいます。


悲嘆に暮れる方もいるでしょう。
そのような方からお話を聞くのは、
高度な傾聴技術と寄り添う心がないと
できないでしょう。

これを90分で仕上げるという驚異的なスピード。

同業他社もこのスピード感と品質の高さと
競うことは難しいようです。


ご遺族や喪主の心に寄り添う。
そのようなサービスを提供されています。