こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
一時は著名だったコンサルタントが、
気づけば名前を聞かなくなる――。
そんなケースは珍しくありません。
たまに名前を耳にしても、
どちらかといえば“良くない噂”ばかりが入ってくる。
なぜ、そうなるのか。
コンサルタントが落ちていく瞬間。
それは「驕り」ではないでしょうか。
「A先生にご指導いただき、新規顧客が30%増えた」
「B先生と契約して、売上が20%伸びた」
「C先生の助言で、新規事業を立ち上げることができた」
こうした“感謝や敬意”の言葉が、
クライアント側から発信されるのは自然なことです。
しかし――
「私が指導してA社の新規顧客を30%増やした」
「私のコンサルでB社の売上を前年比30%伸ばした」
「私が関わったことでC社の新規事業は成功した」
コンサルタント自身が、
聞かれてもいない“自分の手柄”を語り始めたら要注意です。
それは“驕り”のサインです。
どの分野であっても共通しているのは、
主役はあくまでクライアントであり、
コンサルタントは脇役、いわば黒子だということ。
その黒子が「これは自分の手柄だ」と言い始めたら、
どこかズレています。
そもそも成果というのは、
クライアント側のポテンシャルに大きく依存します。
どれだけ優秀なコンサルタントでも、
100戦100勝などありえません。
うまくいく案件もあれば、
費用対効果に見合わない結果で終わることもある。
つまり、成果は“クライアント次第”の側面が大きいのです。
ポテンシャルの高い企業と出会い、
提供するソリューションがたまたま噛み合い、
結果として成功した。
この「偶然の重なり」を忘れてしまったとき、
人は簡単に驕ります。
コンサルタントは、あくまで“触媒”にすぎない。
そう考えれば、
「これは私の手柄です」という発言が、
いかに不自然か分かるはずです。
そして、その発言が増え始めたとき――
その人の衰退は、すでに始まっているのかもしれません。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
元コンサルタントを中途採用で受け入れる。
そのとき、経営者の期待値は非常に高くなりがちです。
しかし――
6ヶ月後には「期待外れ」となり、退職してしまう。
これは決して珍しい話ではありません。
実際、私の知人でも
「コンサルタントとして活躍していた人材」が
中小企業に入社し、社内での評価が伸びず、
1年以内に退職するケースを何度も見てきました。
では、なぜこうしたミスマッチが起きるのか。
元コンサルタントを社員として迎え入れる際は、
最低限、次の2点をチェックしておくべきです。
---
【1.実行力があるか】
コンサルタントは、課題を整理し、
解決策を描き、提案することには慣れています。
しかし本当の勝負はそこからです。
・利害関係の調整
・現場の心理的ハードルの突破
・泥臭い実行の推進
これらをやり切らなければ、
どれだけ優れた提案でも結果にはつながりません。
「やっている“ふり”」の実行では、
当然成果も限定的です。
周囲を巻き込み、本気で動かす。
必要であれば自ら先頭に立つ。
この“実行フェーズ”が弱いコンサルタントは、
社内ではなかなか活躍できません。
---
【2.人間関係を構築できるか】
外部コンサルであれば、
経営者や担当者との関係構築で十分な場合も多いでしょう。
しかし、社員となれば話は別です。
社内の力学を理解し、
幅広いメンバーと信頼関係を築くことが不可欠になります。
・言葉遣いが鼻につく
・やや上から目線に見える
・正論を振りかざしすぎる
こうした振る舞いは、簡単に反感を買います。
一度嫌われると、
「外から来た人間がどこまでやれるか見てやろう」
と、冷ややかな目で見られてしまうでしょう。
---
そもそも、社外と社内では“役割”が違います。
コンサルタントは外部だからこそ、
他社比較や客観視ができ、
利害関係に縛られずに発言できます。
しかし社員になれば、完全に“内部の人間”です。
・社内の慣習に影響される
・評価や立場が気になる
・発言が徐々に穏やかになる
こうして、本来の強みが薄れていくケースも少なくありません。
---
つまり、
「外部コンサルの価値」をそのまま社員に求めるのは、
そもそも無理があるということです。
重要なのは、見極めと活かし方。
元コンサルタントは
ハマれば強力な戦力になりますが、
外せばミスマッチになりやすい人材でもあります。
採用前に見極め、
入社後は役割を明確にする。
この2点を押さえるだけで、成功確率は大きく変わります。
先日のテーマ「多様性」について、
引き続き触れたいと思います。
最近では、「多様性疲れ」という言葉も
聞かれるようになりました。
性別・人種・文化・価値観・障がいの有無・性的指向など、
さまざまな違いを尊重すること。
その重要性は広く理解されていますが、
一方で、常に異なる価値観に配慮し続けることに
負担を感じている人も少なくありません。
多様な人材が活躍できる社会は望ましいですし、
企業にとっても理想的な姿の一つでしょう。
しかし実際には、
「頭では理解していても、実務や感情が追いついていない」
という声も多く見られます。
特にダイバーシティを推進する立場にある
人事や管理部門の方々は、
掲げる理想と、現場で生じる摩擦との間で
葛藤を抱えているケースも少なくないはずです。
現場からは、
「施策が形だけに見える」
「実態と合っていない」
といった声が上がることもあり、
取り組み自体が外部向けのアピールに見えてしまう場面もあります。
多様性が“目的”になってしまうと、
現場とのズレが生じやすくなる――
これは前回も触れた通りです。
一方で、実際にうまくいっている企業を見ると、
必ずしも「多様性そのもの」を目的にしていないケースが多いと感じます。
例えば――
A社では、海外からの顧客が増えたことをきっかけに、
外国籍のスタッフを採用するようになりました。
B社では、年齢に関係なく技術力の高い人材が活躍できるよう、
定年制度を見直し、シニア人材が戦力として定着しています。
C社では、人材採用に苦戦する中で業務を分業化・簡素化し、
障がいのある方も活躍できる体制を整えました。
D社では、結婚や出産で離職してしまう女性スタッフへの対応として、
柔軟な働き方を導入し、顧客満足の向上にもつなげています。
これらの企業に共通しているのは、
「多様性ありき」で考えたのではなく、
経営や現場の課題に向き合った結果として、
多様な人材が活躍する形になっている点です。
つまり、多様性は“目的”ではなく“結果”として生まれている。
この視点が重要なのではないでしょうか。
形だけのダイバーシティ施策を増やすことよりも、
現場にとって意味のある取り組みを積み重ねていくこと。
その先にこそ、
本質的な多様性が根付いていくのだと思います。
こんにちは
理念浸透コンサルタントの松本です。
先日、ある番組で2名の著名人が
「多様性」について語り合う企画がありました。
その中で、特に印象に残った言葉があります。
「発信者には多様性への配慮が求められる一方で、
受信者にも多様性を受け止める寛容さが必要ではないか」
という指摘です。
多様性とは、一般的に
「性別・人種・国籍・文化・宗教・価値観・
障がいの有無・性的指向など、
さまざまな違いを受け入れ、尊重し合うこと」
とされています。
この考え方自体は、とても重要なものです。
ただ一方で、
「行き過ぎているのではないか」と
感じる場面はないでしょうか。
たとえば、ある企業では
「3年後までに女性管理職を○○人にする」
といった目標を掲げています。
もちろん意義のある取り組みですが、
運用次第では別の問題を生む可能性もあります。
女性管理職の比率を優先するあまり、
本来評価されるべき人材が見送られてしまう。
あるいは、「実力主義」を掲げているにもかかわらず、
属性が優先されていると感じられれば、
現場に不満が生じることもあるでしょう。
本来は、属性ではなく、
成果やパフォーマンスを軸に評価されたい。
そう考える人も多いはずです。
また、「ダイバーシティ採用」という名のもとに、
特定の属性を優先する採用が続けば、
組織の一貫した方針に揺らぎが生じる可能性もあります。
多様性が“手段”ではなく“目的”になってしまったとき、
それは本来の趣旨から外れてしまうのではないでしょうか。
さらに近年は、
発信者側に対する配慮の要求も高まっています。
あらゆるバックグラウンドを持つ人に配慮して発言する。
確かに大切な姿勢です。
しかし、
「この表現は誰かを傷つけるのではないか」
「この言い方は不適切ではないか」
と過度に意識しすぎると、
発信そのものが難しくなってしまう側面もあります。
例えば、
・「嫁」ではなく「妻」
・「外国人」ではなく「海外出身の方」
・「高齢者」ではなく「シニアの方」
・「片親」ではなく「ひとり親」
確かに、より配慮された表現ではあります。
ただ、すべてを常に正確に言い換え続けることは、
現実的には簡単ではありません。
だからこそ重要なのが、
受信者側の姿勢ではないでしょうか。
言葉の一部だけを切り取るのではなく、
「何を伝えたかったのか」を文脈から汲み取る。
意図に悪意がないのであれば、
過度に否定するのではなく、
柔軟に受け取る。
そうした姿勢もまた、
多様性の一つだと思います。
行き過ぎた多様性。
目的化してしまった多様性。
それらは一度立ち止まり、
本来の意義に立ち返る必要があるのかもしれません。
そしてこれからは、
発信者だけでなく、受信者にも多様性が求められる時代。
その両方が揃ってこそ、
健全なコミュニケーションが成り立つのではないでしょうか。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
先日、ある経営者の日常に密着した
ドキュメンタリー番組を、たまたま目にしました。
その経営者Lさんは、
月に1回ほど店舗を訪れ、
「あそこができていない。これもできていない」
と、次々に指摘をしていました。
滞在時間は、おそらく1〜2時間ほど。
指摘を受けた店長は、目線を落とし、うつむいたまま。
周囲のスタッフの中には、
どこか不満そうな表情の人も見受けられました。
この光景を見たとき、
サラリーマン時代の自分を思い出しました。
当時、経営層やエリアマネージャーが不定期に店舗を訪れ、
そのたびにダメ出しの嵐。
正直なところ、
「自分たちのために言ってくれている」とは、
なかなか思えませんでした。
「一事が万事と言われるのも分かる。
でも、たった10分、15分見ただけで
なぜそこまで言えるのか?」
そんな反発心を抱いたこともあります。
現場では、上から見えないところで、
日々工夫や改善を積み重ねています。
それなのに、
「短時間しか見ていない人に、何が分かるのか」
「分かったつもりでの指摘やアドバイスはいらない」
そう感じてしまうのも、無理はないと思います。
そして今、私は
経営者・エリアマネージャーの立場になりました。
だからこそ、強く意識していることがあります。
現場を訪れたとき、
“自分がされて嫌だった関わり方はしない”。
短時間で見えることは、ほんの一部にすぎない。
だからこそ、指摘よりもまず理解を。
その姿勢を忘れずにいたいと、改めて感じました。