こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV12月号のゲストは、
うきはの宝株式会社 代表取締役・大熊社長です。
大熊社長は2019年、
生活に困窮し、生きがいを失いつつあった高齢者に
「生きがい」と「収入」を同時につくることを目的に、
いわゆる「ばあちゃんビジネス」を立ち上げました。
75歳以上の“ばあちゃん”たちが主役となって働く会社です。
福岡県知事賞を受賞した「密な干し芋」をはじめ、
ばあちゃんの知恵や経験を活かした商品を次々と世に送り出し、
発行部数5,000部の「ばあちゃん新聞」も発行。
中でも「ばあちゃんの人生相談」は、
多くの読者に支持される人気コーナーとなっています。
舞台となる福岡県うきは市は、
人口約3万人弱のうち、35%以上が65歳以上。
20年後には、人口のほぼ半分が高齢者になると予測されています。
独居世帯も増え続けており、
見方を変えれば「超高齢社会の先進地方都市」。
この環境の中から生まれたのが、
「ばあちゃんビジネス」でした。
では、なぜこのビジネスは成り立っているのでしょうか。
大熊社長の最大の強みは、
圧倒的なまでに「一次情報」にこだわったことです。
創業前、大熊社長は
無料送迎サービス「ジーバー」を開始しました。
お金は一切取らず、1年3ヶ月間続け、
利用件数は約450件。
車がなければ生活が不便な地域です。
最終的には感謝されるものの、
当初は怪しまれたり、
市役所の福祉職員と間違われることもあったそうです。
しかし、この450件の送迎の中で、
ばあちゃんたちと膝を突き合わせたリアルな会話を重ねました。
・何に困っているのか
・どんな生活を送りたいのか
・収入はいくらあれば助かるのか
数字や統計では見えてこない、
本音や感情が、そこにはありました。
この圧倒的な経験値から、
ばあちゃんたちの「インサイト」を掴めたことが、
「ばあちゃんビジネス」誕生の原点となっています。
現在も、一次情報は入り続けています。
「ばあちゃん新聞」を通じて、
全国にばあちゃんの仲間が増え、
直接連絡が入ることも珍しくありません。
今の時代、
GoogleやChatGPTを使えば、
整理された情報はいくらでも手に入ります。
しかし、それらはあくまで二次情報です。
顧客になりうる人たちに直接耳を傾けてこそ、
言葉にならない不満や、
本人も気づいていない悩みまで感じ取ることができます。
新規事業や新商品・新サービスを考えるとき、
「一次情報を把握している“つもり”」で始めてしまうと、
その努力は空振りに終わるかもしれません。
あなたは今、
誰の声を、どれだけ生で聞いているでしょうか。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
「何歳になっても成長し続けたい」
そう思っているビジネスマンは、きっと多いはずです。
だからこそ、
本を読み、セミナーに参加し、情報を集める。
学びを止めない努力をされている方も多いでしょう。
それなのに――
なぜか思考も行動も変わらない。
成長している実感がない。
そんな人、あなたの周りにもいませんか?
実はその原因、
知識不足ではないかもしれません。
学びを止めている正体。
それは「感情」です。
もう少し具体的に言えば、
好き嫌い。
たとえば、こんな話があります。
サプリメント通販会社を経営するA社長。
ある日、知人からこう勧められました。
「中国企業Y社はサプリ事業で急成長している。
一度、経営者の講演を聞いてみるといいよ」
しかしA社長の答えは、即答でNO。
「中国企業は好きじゃない。
どんな会社かは知らないが、参考にする気はない」
また別の場面では、
「著名なK社長の考え方は資本主義寄りで合わない。
感覚的にどうしても好きになれない」
と話す人もいました。
ニューメディアでよく見かける堀江貴文氏についても、
「彼のような実業家にはなりたくない。
自分のスタイルとは違う」
こう感じる人は少なくありません。
価値観が合わない。
なんとなく好きじゃない。
その感情が先に立った瞬間、
私たちは「学ぶ」という選択肢を
無意識のうちに消してしまいます。
合わない人、嫌いな人からは、
学ぶ必要がない。
そう思い込んでしまうのです。
もし今、
「自分は成長が止まっているかもしれない」
「何かが足りない気がする」
そう感じているなら、
原因はここにあるかもしれません。
これまでと同じ価値観、
同じタイプの人からだけ学んでいないでしょうか。
成長には、ときに異質な学びが必要です。
それは、
自分と価値観が合わない人かもしれないし、
正直、苦手な相手かもしれません。
価値観が合わない上司、
正直好きになれない上司から、
積極的に学ぼうと思う人は少ないでしょう。
それでも――
合う・合わない。
好き・嫌い。
これらをいったん脇に置き、
「この人から学べることは何か?」
と問いかけてみる。
そこに、
これまでとは違う成長のヒントが
隠れていることがあります。
好き嫌いの感情はいったん無視する。
だまされたと思って、相手から学んでみる。
ビジネスマンとして成長し続けるために、
そんな姿勢も、ときには必要なのかもしれません。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
「ビジネスの世界では結果がすべて。
結果を出した人間が、この会社では一番偉い。」
ある顧問先のリーダーが、そう言い切っていました。
確かに、この考え方には“半分だけ”賛成できます。
しかし残りの半分には、どうしても首をかしげてしまいます。
ビジネスにおいて結果が重要なのは言うまでもありません。
そこに異論はありません。
しかし「結果を出した人間が一番偉い」
という価値観には、大きな落とし穴があります。
この考え方を持つ人は、
往々にして「成果を出さない人材」を見下し、
収益を生まない部門を軽視します。
中には、自分が忙しく成果を出しているのだから、
多少周囲の人を振り回しても構わない──
そんな“王様”のような態度を取る人もいます。
こうした人物は、いわゆる
“ブリリアントジャーク(Brilliant Jerk)” と呼ばれる存在です。
仕事の能力は極めて高く、問題解決も早い。
しかし周囲に与える影響は決して良くありません。
例えば、
攻撃的・高圧的な言動
他者を見下す態度
チームワークを乱す
情報を共有せず独占する
ミスを他人に押し付ける
…といった振る舞いが典型です。
近年は「いくら優秀でも、性格に問題がある人材は採用しない」
という方針を掲げる企業も増えています。
皆さんの職場には、
この“ブリリアントジャーク”はいないでしょうか。
私が見てきたケースでも、
彼らは確かに成果を出します。
しかし同時に、
威圧的な雰囲気で周囲の生産性を著しく下げ、
離職者を生む原因にもなっていました。
組織全体で見れば、
プラスよりマイナスのほうが明らかに大きいのです。
経営者に必要なのは、
「あなたがいなくても会社は十分に回る」
と、はっきり言える覚悟です。
短期的には痛手に見えても、
長期的にはこうした人材の存在は組織にとって“害”でしかありません。
企業が本当に守るべきものは、
成果より先に「企業風土」なのです。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV 10月号のゲストは、
ファミール産院グループの杉本理事長。
同グループは現在、産婦人科医院を8院展開しています。
今回も前回に続き、杉本理事長のお話をご紹介します。
私が同グループに興味を持ったきっかけは、
「一つの産院から、8院体制へと成長している」点でした。
2005年:ファミール産院館山 開院
2014年:ファミール産院君津 開院
2015年:なのはなクリニック 開院
以降も、ほぼ毎年のペースで新規開院
医療業界において、
一院から多院展開するケースは決して多くありません。
優秀な医師でも、経営が得意とは限らないためです。
医療と経営では求められるスキルがまったく違い、
分院展開で経営が一気に悪化してしまうケースも珍しくありません。
開業には医療機器を含む大きな投資も伴います。
その中で杉本理事長は、医師として現場に立ちながら、
グループ全体のマネジメントも的確に実践されています。
近年の分院ペースが加速しているのは、
「廃業案件の引き継ぎ」が増えているためだといいます。
そこで私は、
「どのような基準で事業を引き継ぐのですか?
断る案件もありますか?」
と質問しました。
杉本理事長の答えは明快でした。
「最終的に、自分がその産院のリーダーとして
“何とかできる”と思えるかどうか。
自分でも難しいと判断すれば、引き継ぎません。」
過去のケースでは、引き継ぎ後は理事長自身がリーダーとなり、
現場を引っ張っていくことが多かったそうです。
背中を見せ、言葉と行動で経営姿勢を示しながら、
スタッフに自らのイズムを浸透させていく。
そうした丁寧な組織づくりを行っている様子が伺えました。
「引き継ぐ以上、最終的には自分が何とかする。」
その覚悟が問われるのです。
もちろん、優秀な幹部を派遣して立て直す選択肢もあります。
しかしそれは、「人を送って終わり」という話ではありません。
場合によっては自ら現場へ入り、V字回復させる覚悟が必要です。
その気概がなければ、組織も業績も変わりません。
効率だけを求めれば批判されるかもしれませんが、
分院展開の初期フェーズでは「自ら院長を務める覚悟」が
不可欠なのだと思います。
一方で、杉本理事長はこうも語ります。
「分院展開は勧めません。とても大変ですから。
分院より先に、まずは今あるクリニックの
成長・発展を考えるべきです。
規模や機能を倍にするなど、
既存院を強くする方がトップの目も行き届きます。」
分院展開には想像以上の労力とリスクが伴います。
その現実を理解したうえで、慎重に経営判断する。
それが、持続的な医療経営の鍵なのだと感じました。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV 10月号のゲストは、
ファミール産院グループの杉本理事長。
同グループは現在、
産婦人科を8院運営されています。
近年、産婦人科医の不足が指摘されています。
その背景には、複数の構造的要因があります。
■ 労働時間の長さ
お産は昼夜問わず突然始まるため、
オンコール待機が常に必要となり、負荷が大きい。
その結果、若手医師が集まりにくい状況が続いています。
■ 診療報酬と負荷のミスマッチ
拘束時間の長さに対して、産科の診療報酬は
他診療科と比較して低く、
経営面での負担が大きい傾向があります。
■ 地域偏在の深刻化
医師が都市部に集中し、地方は特に人手不足が深刻。
当直の回数が増え、休みが取りづらいという
“悪循環”が生まれています。
こうした状況により、
赤字が続き閉鎖される産院も珍しくありません。
その中で生まれたのが「お産難民」という言葉です。
出産を希望しながらも、地域に適切な受け入れ先がなく、
病院で産めない妊婦を指します。
特に地方では、この問題がより顕著です。
「地元で産みたいのに、それが叶わない」
そんな状況から、
都市部へ移動せざるを得ないケースもあります。
ファミール産院グループの理念は、
『しあわせなお産をしよう』。
妊婦の視点に立ち、
「もっとこうしてほしかった」
と感じる点を一つずつ改善されています。
・食事をより充実させる
・家族が一緒に泊まれる部屋を設ける
・創痕が残りにくいお産にこだわる
といった取り組みがその一例です。
さらに、「産院は地域コミュニティの中心になれる」
という考えのもと、
駐車場を活用して地域向けのイベントも開催。
プロレスや餅つきなど、多様な企画を通じて
地域との関係を築いています。
こうした取り組みがある産院は、地域に
「ここなら安心して産める」
「またこの地域で生みたい」
という安心感を提供します。
その結果、
「二人目を産みたい」「三人目も考えたい」
と考える家庭が増える可能性もあります。
構造的な課題は依然として残ります。
それでも、「安心できる産院が身近にある」
という地域を一つでも多く増やすことが、
未来に向けた重要な基盤となるはずです。