~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -6ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


昨年12月にダイヤモンド社から、

『ライバルはいるか? 科学的に導き出された
「実力以上」を引き出すたった1つの方法』

という書籍が出されました。

著者が述べているように、
最近は誰かと競争することを
ダサいと考える風潮さえありますね。

著者によれば
ライバルがいる人はいない人よりも、

・モチベーションが26%高い
・仕事の満足度が33%高い
・成長の実感度が36%高い
・年収が28%高い
・幸福度が39%高い


という結果が出ているそうです。

金介教授は昨今の「行き過ぎた協調社会」に
アンチテーゼを投げかけるために、
この調査を行ったそうです。


学校や会社から競争を排除する傾向が
強まっており、ライバルとの競争によって
得られる成長の機会が失われていると。


ライバルは敵ではなく、
ライバルの存在は人生を豊かにすること。

そしてライバルは、
自分を成長させてくれた感謝するべき対象であること


私も筆者の考え方に共感できる点が多いです。


好意的にライバルを捉えることで、
自分を客観視します。

客観視することで、
何を伸ばすべきかを真剣に考えます。

学生時代、サッカーをやっていた時、
レギュラーとして試合に出るために、
チーム内のメンバーは仲間であると同時に
ライバルでした。

だから自分の強みをどのように伸ばすのか、
弱みをどのように克服するのか、
真剣に考えていたと思います。

負けたくない気持ちが
練習へと駆り立てました。


企業経営においてもライバルがいます。

同業の中で、ライバル企業がいるから
切磋琢磨をしますね。

もしライバル企業がいなかったら、
「この程度でも十分」と
どこかで怠け心が働きそうです。

どちらが顧客により支持をされるのか、
競争するからよい商品やサービスが
生まれるわけです。


行き過ぎた協調意識も
行き過ぎたライバル意識も、
悪でしかないのかもしれません。


 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


前回に引き続き、
十方よし.TV1月号のゲスト、
徳武産業株式会社の十河会長のお話です。


前回は「介護用シューズ」あゆみが誕生するには、
現場(高齢者)での徹底的なヒアリングがあったという話でした。


介護施設の代表をしていた友人から

「高齢者が転ばない靴を作ってほしい」

と依頼を受けたのが始まりです。


十河会長は施設に行き、
何百人もの高齢者の歩き方に注目。

若者は踵から地面に着地するのに対して、
高齢者はつま先から地面に着地することを発見します。

そこで靴の先を数センチ上げることによって、
躓きを防ぎ、転倒防止の靴の開発することに成功しました。


数年間の努力の上、
あゆみがようやく売れ始めた頃です。

ある日、有名な看護師に靴を見てもらったそうです。

「ヒールをあと5mm削ってくれたら…」

とアドバイスをもらいました。

そこで、
旧タイプの1,300足の在庫を全て破棄してしまったのです。

「ヒールの5ミリくらい…。
 不良品でないのになぜ廃棄されたのですか?
 1,300足を売り切ってから、新タイプを販売すれば
 よかったじゃないですか?」


と質問をすると

「これは弊社の覚悟です。
 弊社は小さな会社です。
 1,300足の廃棄は大きな損害です。
 でもより良いシューズをお届けしたかったんです。
 このシューズを待っている人がいる」


と十河会長が答えられました。


私でしたら、この決断はできなかったと思います。

私は「損得」で考えてしまった。
でも十河会長は「正しさ」を軸に英断した。

正しい経営を貫くには、
何よりも覚悟が必要です。

 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


十方よし.TV1月号のゲストは、
徳武産業株式会社の十河会長でした。

徳武産業様は、
「介護用ケアシューズ」という新たな市場を開拓。

高齢者の歩きやすさ、転倒のしにくさなどにこだわった
「あゆみシューズ」は販売累計2,000万足を突破しています。

中小企業でありながら、
業界トップシェア(50%以上)を維持しています。



高齢者は多くの足の悩みを抱えているそうです。


高齢者の足の形というのは、
腫れたり、むくんだり、長さが違ったり。
老化による足の変形もあります。

それだけ一般的な靴屋で
ピッタリの物を探すのは難しい。

中には両足のサイズが異なるため、
大きな足のサイズに合わせて靴を購入し、
ブカブカになるもう片方の靴に綿を詰めて使用する。

すると靴がフィットしていないため、
転んでしまうことに繋がりかねない。

高齢者にとって転んで骨折すると、
ADLが落ちるきっかけになってしまいます。

そこで片方半額販売(左右サイズの違う靴の販売)
という非常識なことにもチャレンジされました。

「そんなことをしたら在庫の山になってしまう」
と専門家から反対されましたが決行。


靴の色やサイズ、靴底の厚さ、ベルトの長さ等、
自分に合ったサイズを選べる、
「パーツオーダーシステム」も構築しました。



十河会長夫婦は、あゆみシューズを開発するまでに、
高齢者施設で約500人のお年寄りの足や歩き方について
徹底的に調査されたそうです。


お年寄りの足の悩みを現場で直に聞く。

「施設に預けてから、娘・息子が
 会いに来なくなってしまった」

と話す高齢者もいたそうです。


高齢者の気持ちに寄り添い、
高齢者の声を徹底的に聞く。


その過程があったからこそ、
高齢者の立場に立ち、
非常識なことでも決行することが
できたのではないかと思います。


皆さんの会社は、徹底的に
お客様の声に耳を傾けていますか?
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。


年末から、漫画『インベスターZ』を読みました。

ビジネスに必要なエッセンスが
たくさん盛り込まれています。

その中にこんなストーリーがあります。

「不老不死のビジネス」を考えた中川くん。

新規事業のプレゼン大会があり
そこでプレゼンする機会を得ます。

この会の主催者であるホリエモンは、
中川君のビジネスに3つの条件をクリアしたら
出資するということを申し出ました。



1つめの条件。
不老不死のビジネスアイデアを論理的に説明するということ



2つ目の条件
財布と携帯を持たずにヒッチハイクで東京から札幌まで行くこと。


中川くんは知り合いにお金を借りて
飛行機で札幌まで行こうと考えましたが、
「やってみれば分かる」というホリエモンの言葉を信じて、
ヒッチハイクで札幌まで向かいます。

これは、「死ぬほど恥をかく経験」をさせることが狙いでした。

プライドをかなぐり捨てて、
目的のために自分を犠牲にしなくてはいけない。
企業経営すると、そんな試練に何度も遭遇することを
体験してほしかったのだと思います。

同時にアイデアなんて価値はなく、
大事なのは行動力だといいます。


3つ目の条件。
北海道に着いた中川くんへ提示されたこと。

広大な草原を見ながら、明日の日没までにここの草を
少しも残さずに全部刈ること。


中川君は最初は1時間当たりに刈り取れる面積を計算する等を
しましたが、到底終わる見込みがありません。

無理だと諦めそうになる。

最終的には汗水たらして、愚直に作業をする。
それを見た周りの人が機械を貸してくれたり、
協力者も現れて、最後までやり切りました。

自ら愚直な姿を先頭に立って見せること。
そして周囲の協力を得ること、
周囲を巻き込むことの重要性を体感してほしかったのでしょう。


1 論理的にビジネスアイデアを説明できること

2 アイデアではなく行動に価値があること。
  プライドを捨て恥をかいても、ゴールに向かうこと

3 愚直な姿を見せること。
  周囲を巻き込むこと。協力者を作ること。



上記の3つの条件は、
起業家を目指す人たちだけへのメッセージではないように
思います。

自分が描く志や目標を実現したい人は、
これら3つの条件をクリアすることが
必然なのかもしれません。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。



経営者も人間です。

得意分野がありますし、苦手分野もあります。
一人で全ての領域をカバーすることはできません。

自分の苦手領域を自覚していれば、
苦手領域においてメンバーを頼ることができます。

そして謙虚にメンバーの声に耳を傾けることができます。

「全ての分野が標準以上にできる」と自己認識していると
メンバーの意見に耳を傾けることができない。



例えば、マーケティング(=事業展開)は得意だが
マネジメント(=組織づくり)は苦手な経営者がいます。

ビジネスモデルを考えて、
価値ある商品・サービスを考えることが得意。


一方で社内メンバーの「感情」には関心がない。
関心がないから、人よりも気づかない。


顧客とも社員間も突き詰めると「人間関係」です。

お客様との人間関係が悪くなれば、
リピート率は下がります。

社内の人間関係が悪くなれば、
退職者が増えます。


退職者が増えれば生産性は下がります。
ノウハウも溜まりません。
退職者が担当していた顧客もしだいに離れていく。



人間関係を疎かにして、
内部崩壊してしまった会社もあります。

一からではなく、マイナスからの立て直し。
非常に時間も労力も要するでしょう。


経営幹部同士の人間関係が悪化していることで、
事業の方向が定まらない会社もあります。


このように考えていけば、
「人間関係」は疎かにできません。

人間関係は「経営数値」に与える影響は少ないと
考えがちですが、そうではありません。


会社が好転していく
重要な要因と考えたほうがいいでしょう。