こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
先日、二代目経営者のA社長と話していたときのことです。
先代社長は、毎月の給与日に社員一人ひとりへ
給与明細を手渡ししていたそうです。
その際、必ず一言ずつ声をかけていたとのこと。
さらに月に一度、短い時間ではあるものの、
社員との個別面談も行っていたそうです。
A社長も事業承継をした当初は、
先代のやり方をそのまま引き継いでいました。
しかし、社員数が100名を超えたあたりから、
時間的な制約もあり、
同じ方法を続けることが難しくなりました。
そこで現在は、
管理職との面談の機会を中心に設け、
その他の社員とのコミュニケーションは
管理職や監督職に任せる形に変えたそうです。
それまでは社長が直接、
社員一人ひとりと話す機会が定期的にありました。
それがなくなったことで、
社内ではさまざまな声も出たと言います。
トップ自らが現場の社員との会話を大切にする。
これは一見、とても良いことのように思えます。
しかし実際には、
メリットだけでなくデメリットもあるようです。
たとえば、トップと現場の距離が近すぎると、
中間管理職を飛び越えて
直接話が進んでしまうことがあります。
そうなると、中間管理職の役割が弱くなってしまう。
少しでも上司に不満があれば、
トップに直接訴えるという構図も生まれやすくなります。
また、部下が自分を通さず社長と直接話し込むような状況は、
中間管理職にとって決して気持ちの良いものではありません。
結果として、組織内の関係が悪化してしまう可能性もあります。
さらに、社長と親しく話せる一部の社員の中には、
「自分は社長と特別に近い存在だ」と
勘違いしてしまう人が出てくることもあります。
周囲から見れば、
「あの人は社長に気に入られている人」
「あの人はそうではない人」
といったラベリングが
生まれてしまうこともあるでしょう。
経営者と現場の距離が近いことは、
確かに大きなメリットがあります。
しかし同時に、組織運営の観点から見ると
デメリットも生まれやすい。
だからこそ、
どちらの側面も理解したうえで、
自社にとって最適な距離感を
選んでいくことが大切ですね。