こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
先日お会いしたH社長。
先代から事業を引き継ぎ、
事業規模は約3倍に拡大。
M&Aを重ね、複数法人を経営。
近年はホールディングス化も実現されました。
そして現在、
いくつかの法人では代表取締役を後任にバトンタッチしています。
思わず私はこう言ってしまいました。
「その役員報酬分も社内に還元できるじゃないですか?」
それくらい、利他的な姿勢を感じたからです。
H社長はこう話されました。
「自分がいなくても会社が回る状態にできた。
それなのに籍を置いたままの人もいる。
ポストを委譲しない。
役員報酬をもらう合理的な理由にはなるでしょう。
でも、いてもいなくても一緒なら、退任した方が自然じゃないですか?
ポストを渡して、自分は次の目標に向かう。
その方が、みんなにとっていいと思いませんか?」
どうでしょう。
自分が苦労して手に入れたポスト。
ゼロから創り上げた会社のトップの座。
普通は、手放せません。
居心地もいい。
影響力もある。
報酬もある。
「まだ若手が育っていない」
「後継者が十分ではない」
「もう少し自分が支えるべきだ」
理由はいくらでも作れます。
しかし、中堅ビジネスマンにとっても
これは他人事ではありません。
課長の椅子。
部長のポスト。
プロジェクト責任者。
「自分がいないと回らない」
そう思っているうちは、
実は仕組み化ができていないだけかもしれない。
本当に価値があるリーダーは、
自分がいなくても回る状態をつくる人です。
少し厳しい言い方をすれば、
経営者にも、リーダーにも賞味期限がある。
賞味期限が切れてもポストに残れば、
周囲は気を使うようになります。
本音では
「そろそろ世代交代では…」
と思っていても、誰も言えない。
表では
「まだまだ必要です」
と言われながら、
実際には新しい挑戦の芽を止めている。
そんな状態は、
本人にとっても、組織にとっても健全ではありません。
中堅層は、
これからポストを「得る側」でもあり、
将来は「手放す側」にもなります。
大切なのは、
ポストを守ることではなく、
次を育て、次へ進むこと。
去り際は、
在任中の実績以上に、その人の価値観を映します。
ポストにしがみつくのではなく、
「次へ行く背中」を見せられるリーダーでありたい。
H社長の姿勢から、
そんなことを考えさせられました。