前リッツ・カールトン日本支社長の高野氏の書籍からご紹介です。
■使うから生かすへ
誰だって「使われたい」と思ってはいない。
人は使おうとすればするほど、使われまいとする。
使われたくない社員は、なるべくさぼろうとする。
だから社員を「使う」会社は、規則で縛ろうとする。
出退者時刻、休憩時間、死語禁止など。
使う側と使われる側の間に信頼は生まれない。
そこで大切な社員を「使う」という発想を捨ててみる。
社員を「生かす」という発想に切り替える。
■わずかな違いに心を配る
「お客様のために」と考えるのか。
「お客様の立場」で臨むのか。
大多数のホテルマンはお客様のためにサービスをしている。
しかしその背後には自分たちの都合や価値観が見え隠れ
している。そしてお客様の価値観には近づいていない。
■優しい言葉を紡いで
100歳のおばあちゃんがこう言ったそうだ。
「お金もいらない。着物もいらない。
命だってもういらない。でもお願い。
優しい言葉をかけてほしい。」
100年間生きてきた彼女が最後に求めたもの。
それは「優しい言葉」だった。
■つもりのものさしは十人十色
「みんなそう考えるはず」という時の「みんな」とは
じつは「自分」でしかないことが多い。
よく目にする「つもりちがい十ヶ条」
高いつもりで低いのが教養
低いつもりで高いのが気位
深いつもりで浅いのが知恵
浅いつもりで深いのが欲望
厚いつもりで薄いのが人情
薄いつもりで厚いのが面皮
強いつもりで弱いのが根性
弱いつもりで強いのが自我
多いつもりで少ないのが分別
少ないつもりで多いのが無駄
ときには自分の「つもりのものさし」を点検してみよう。
※引用:『おもてなし日和』高野登