北野武が教える道徳・倫理観 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

理念浸透をさせる下地として、
「倫理観」が必要だと前回記しました。

倫理観とは、「人として守るべ規範・モラル」のこと。
道徳とは、「善悪をわきまえて行動するための規範」のこと。

意味はほぼ一緒ですが、
倫理観の方が根本的な印象を受けます。

道徳についての北野氏の著書が発売されました。
「道徳を他人任せにするな。自分の頭で考えろ」
というメッセージが伝わってきます。

確かに道徳の教科書は現実離れしている気がするし、
腹落ち感が今一つです。
自分の頭で、なぜ?道徳とは何?と考えない限り、
他人に共感・納得してもらうことは難しいでしょうね。

会社でも「倫理観」を自分の頭で考えて伝えられない限り、
浸透できないのかもしれません。

・道徳の授業で二宮金次郎の話が出てくるが
 あまりにも面白くない。それは教える大人側が
 二宮金次郎に関心がないからではないか。

・なぜ老人を大切にしないといけないのか。
 一番大事なことが語られていない。
 老人は小学生に情けをかけなくては生きられない存在、
 社会的弱者だと言っているのと同じ。
 
・ウサギとカメの話。今の世の中じゃ、ウサギは途中で
 昼寝なんかしない。他のウサギと競争中で、
 カメに構っている暇はない。

・インターネットで手軽に知識を得ることができても、
 手軽に得られるのは手軽な知識でしかない。

・永遠不変のように道徳を教える。
 現実的には勝った方の正義が通って、
 負けた方が間違っていたことになる。
 正義は戦争に負けたくらいのことで簡単にひっくり返る。
 コロコロ変わるのが道徳の宿命。

・友達を助けるのはいつか自分が助けてもらうためではない。
 友達が好きだから助けるだけのこと。
 友達の効能が書いてあるが、それは打算的。

※引用・参考
『新しい道徳』 著:北野武