理念浸透をさせる下地として、
「倫理観」が必要だと前回記しました。
倫理観とは、「人として守るべ規範・モラル」のこと。
道徳とは、「善悪をわきまえて行動するための規範」のこと。
意味はほぼ一緒ですが、
倫理観の方が根本的な印象を受けます。
道徳についての北野氏の著書が発売されました。
「道徳を他人任せにするな。自分の頭で考えろ」
というメッセージが伝わってきます。
確かに道徳の教科書は現実離れしている気がするし、
腹落ち感が今一つです。
自分の頭で、なぜ?道徳とは何?と考えない限り、
他人に共感・納得してもらうことは難しいでしょうね。
会社でも「倫理観」を自分の頭で考えて伝えられない限り、
浸透できないのかもしれません。
・道徳の授業で二宮金次郎の話が出てくるが
あまりにも面白くない。それは教える大人側が
二宮金次郎に関心がないからではないか。
・なぜ老人を大切にしないといけないのか。
一番大事なことが語られていない。
老人は小学生に情けをかけなくては生きられない存在、
社会的弱者だと言っているのと同じ。
・ウサギとカメの話。今の世の中じゃ、ウサギは途中で
昼寝なんかしない。他のウサギと競争中で、
カメに構っている暇はない。
・インターネットで手軽に知識を得ることができても、
手軽に得られるのは手軽な知識でしかない。
・永遠不変のように道徳を教える。
現実的には勝った方の正義が通って、
負けた方が間違っていたことになる。
正義は戦争に負けたくらいのことで簡単にひっくり返る。
コロコロ変わるのが道徳の宿命。
・友達を助けるのはいつか自分が助けてもらうためではない。
友達が好きだから助けるだけのこと。
友達の効能が書いてあるが、それは打算的。
※引用・参考
『新しい道徳』 著:北野武