『経営理念が綺麗ごとにならないために…』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。


『経営理念が綺麗ごとにならないために…』

 
ある会社の理念浸透研修をしていた時のことです。
参加者のKさんが質問をされました。
 
「松本さん。経営理念に正しいとか間違っているとかありますか?」
 
なぜこのような質問が出たのでしょうか。
私は逆にKさんへ質問をしました。
 
「Kさんは、正しい理念、正しくない理念はあると思います?」
 
「私はあると思います。
 この理念はずれているんじゃないかと思うことがあります。
 松本さんはどう思いますか?」
 
「正直なところ、ある!と思います。
 でも経営理念が正しいか正しくないかというより、
 先に整備することがあるとは思います」
 
 
理念を浸透させることが私の専門領域ですが、
非常に困難な職場・会社が存在します。
 
それは「倫理観」が欠如していることです。
倫理観とは「人として守るべき規範・ルール」のことです。
 
具体的には、取引先との賄賂、窃盗、性別差別、虚偽申告、
セクハラ、パワハラ、社内不倫など。
 
これら倫理違反行為が大小あるにせよ、
社内で見過ごされているとしたら…。
 
 
こういった会社で社員の方が発した一言。
 
「理念浸透といった綺麗ごと言う前に、
 人としてやってはいけないことを止めましょうよ。
 理念を語ることはその後にしませんか?」
 
何の弁解もありませんね。
 
理念の一部にコンプライアンスを掲げている会社もあるでしょう。
でも理念と倫理は同等ではなく、
理念以前の問題である気がしてなりません。
 
「人としてNG」
 
こうなってしまったら、理念に耳を傾ける社員はいなくなるでしょう。
 
あなたの会社の倫理観は大丈夫ですか?