『経営理念は誰のために語りますか?』 | ~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

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100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

『経営理念は誰のために語りますか?』
 
経営理念、クレドといった会社の指針を作成したならば、
当然浸透させたいと考えます。
 
浸透させるためにはどうすればいいか。
経営者・リーダー自ら理念(クレド)を語ることでしょう。
 
こういった論理が一般的ですね。
 
 
「経営理念は誰のために語りますか?」
 
あなたがこういった質問を受けたら、どのように答えるでしょうか?
 
多くの方が、
「それは社員・スタッフのため」と答えるのではないでしょうか。
浸透させるためですから。
 
 
テレビや雑誌でたびたび特集される長野県にある中央タクシー。
会長・社長にインタビューをさせて頂きましたが、
返ってきた答えは意外なものでした。
 
「理念は誰のために語るのか?
 それは“自分のため”ですよ。
 経営者はどんどん成長していく。
 すると経営理念の捉え方が変わっていく。
 語ることを繰り返していくうちに、
 さらに腹落ちしていくし、深化・進化していく」
 
宇都宮会長・社長共におっしゃるのが、
理念は“アウトプット”が重要だということ。
アウトプットしながら自分に言い聞かせていくのだと。
 
 
そして宇都宮社長からは、興味深いエピソードをお聞きしました。
 
「今となっては話が上手ですが、父親である会長は以前は
 人前で話すことが苦手だったみたいです。
 自分が子供の頃、お風呂から親父が何かブツブツ言っているのが
 よく聞こえてきたんですね。
 頭おかしくなったのかな?と思って、
  風呂をそっと覗いたことがあります。
 何をやっているかといえば、
 翌日社員の前で話すスピーチの練習をしていたんです。
 苦手を克服しようとする姿勢を間近で見てきました」
 
 
話上手であろうが、話下手であろうが理念はアウトプットする。
それは他の誰かのためではなく、結局は「自分のため」なんですね。
 
他人へ浸透させようと思う前に、まずは自分へ浸透させましょう。