『経営理念は誰のために語りますか?』
経営理念、クレドといった会社の指針を作成したならば、
当然浸透させたいと考えます。
浸透させるためにはどうすればいいか。
経営者・リーダー自ら理念(クレド)を語ることでしょう。
こういった論理が一般的ですね。
「経営理念は誰のために語りますか?」
あなたがこういった質問を受けたら、どのように答えるでしょうか?
多くの方が、
「それは社員・スタッフのため」と答えるのではないでしょうか。
浸透させるためですから。
テレビや雑誌でたびたび特集される長野県にある中央タクシー。
会長・社長にインタビューをさせて頂きましたが、
返ってきた答えは意外なものでした。
「理念は誰のために語るのか?
それは“自分のため”ですよ。
経営者はどんどん成長していく。
すると経営理念の捉え方が変わっていく。
語ることを繰り返していくうちに、
さらに腹落ちしていくし、深化・進化していく」
宇都宮会長・社長共におっしゃるのが、
理念は“アウトプット”が重要だということ。
アウトプットしながら自分に言い聞かせていくのだと。
そして宇都宮社長からは、興味深いエピソードをお聞きしました。
「今となっては話が上手ですが、父親である会長は以前は
人前で話すことが苦手だったみたいです。
自分が子供の頃、お風呂から親父が何かブツブツ言っているのが
よく聞こえてきたんですね。
頭おかしくなったのかな?と思って、
風呂をそっと覗いたことがあります。
風呂をそっと覗いたことがあります。
何をやっているかといえば、
翌日社員の前で話すスピーチの練習をしていたんです。
苦手を克服しようとする姿勢を間近で見てきました」
話上手であろうが、話下手であろうが理念はアウトプットする。
それは他の誰かのためではなく、結局は「自分のため」なんですね。
他人へ浸透させようと思う前に、まずは自分へ浸透させましょう。