~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よし.TV 10月号のゲストは、
株式会社GHIBLIの代表取締役
坪内知佳氏でした

前回の引き続きの内容です。

どのような取り組みをされたのかをご紹介します。

獲れたての魚を漁師が自分たちで活け締めして梱包した
「鮮魚ボックス」を自家出荷するサービスを始めました。

漁から帰ってきて、クタクタになった漁師さんに
一手間の要求をしました。

鮮度を保つため一匹一匹の血抜きをすること。
郵送後に鮮度を保つために氷詰めや温度管理を徹底すること
箱を開けた時の美しさも考慮した梱包にすること等。

早く自宅に帰って体を休ませたい漁師さんに
この一手間を要求する。かなり反発があったそうです。

でも漁師さんの待遇面を改善するには避けては通れない。

これまでは漁をして、釣った魚を漁協に納めて終わり。
でも消費者のことを考えて配送までしなければいけない。

魚を捕るプロではあったが、
顧客目線に立った発想はなかなか持てずにいました。


どのように意識改革されていったのか。

自分たちが釣った魚が東京のレストランでどのように
使われているのか、漁師さんを連れて
視察に行ったこともあるそうです。

こういった体験から一手間が必要な手間だということが
理解してもらいました。


また「V!V!V!旅」(びびび)を企画。
これは料理人が漁師さんの漁を直に見にいくというツアー。

どういった環境下で漁をしているのかを
料理人にも理解してもらうことに繋がります。


自然を相手にしているため、漁に出られないこともある。
大漁の日もあれば不漁の日もある

漁師さんも料理人も、自分の仕事にプライドを持ち、
譲れないこともある。

一癖も二癖もある個性的な両者の理解を
深める企画になっているそうです。


新鮮な商品を届けるための一手間。
漁師と料理人、互いの理解を深める一手間。


この一手間がこのサービスには欠かせません。

皆さんのお仕事で必要不可欠な一手間は何ですか?
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よし.TV 10月号のゲストは、
株式会社GHIBLIの代表取締役
坪内知佳氏でした

2011年に約60人の漁業者たちと前例のなかった
水産業の6次産業化に着手。

SENDANMARUブランド第一号となる
「萩大島船団丸」を設立し代表に就任。

農林水産省に6次産業化の認定を申請。
同年に自家出荷を開始されました。

2022年日本テレビ系連続ドラマ
「ファーストペンギン!」のモデルとなりました。

こちらのドラマで坪内さんを
知った方もいるでしょう。

全国で行政、漁協、生産者との関係の調整や、
生産される一次産品の出荷ルートの確保、
販路拡大までを手がけていらっしゃいます。

当時、坪内さんは漁業について何も知らないド素人。
アジとサバの区別すらつかなかったそうです。
その方が船団丸の代表に…。


獲れたての魚を漁師が自分たちで活け締めして梱包した
「鮮魚ボックス」を自家出荷するサービスを始める。

水揚げされた魚は
「生産者→市場(漁業協同組合)→仲卸業者→小売店」
という経路で消費者に届くのが水産業の商慣習です。


漁協や関係業者にとっては面白いはずがなく、
嫌がらせのようなことも。

漁師たちとは何度も意見がぶつかり合い、
取っ組み合いのけんかもありました。

半年間ほど断絶状態だった時期もあるそうです。

ただ「萩大島の未来を守りたい」という目的は
どの漁師さんとも同じであったそうです。


事業の赤字を個人的に補填し、自己破産寸前だった時期も
ありましたが、2017年にようやく単年の黒字化。

「漁村の豊かな生活と美しい刺盛り文化を守る」
「青い海を未来へ繋ぐ」

これらが坪内さんの揺るがない思いです。


次回のメルマガで具体的にどのようなことに
チャレンジされたのかをご紹介します。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

ハインリッヒの法則というものを聞いたことがありますか?

労働災害の原因分析に基づいて
アメリカのハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが提唱した法則。

厚生労働省のサイトでも紹介されていて
この法則は、「1:29:300の法則」とも呼ばれているそうです。

1件の重大事故の背景には29件の軽傷事故、
さらにその背後には300件のヒヤリハット(未遂事故)が存在する
という経験則を示しています。

日常に起きるヒヤリハットの段階で
適切な対策を講じることで、重大な事故を未然に防ぐことができます。

この法則を労働災害にだけ限定しては、
もったいないですね。
他経営全般にも応用することもできます。


企業経営において多くの「ヒヤリハット」が存在します。

・会社と従業員とのトラブル
・会社と顧客とのトラブル
・会社と取引先とのトラブル
・会社と地域住民とのトラブル


トラブルにはなったけれども、
この程度で済んでよかったと思う事例はないですか?

「運が良かった、ラッキーだった!」で
済ませてはいけませんね。


ヒヤリの段階で大いにビビることが必要です。

ラッキーなことに解決できたトラブル。
実はもっと大きなトラブルに
繋がってしまっていたかもしれません。


つまり「この程度で済んでラッキー」ではなく、
この程度のことが起きないように、
再発防止の意識を高め、
必要に応じて仕組みやルールも改善すること。


小さなトラブルの段階で
それを敏感にキャッチし、
先手を打っておくこと。

安定した経営をする上で
リスクを1つずつ潰すことは必須です。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先日、若手後継者(仮名:須坂社長)の方とお話をしました。

須坂社長は先代から
1年前に会社を引きつぎました。

成長市場ではないと世間では言われています。
業績を伸ばすことは困難。
むしろ現状維持さえ経営努力が必要です。

先代の負債として2億円。
こちらも返済していかなければなりません。


「なんでこんな会社を引きついでしまったのか…。
 知人の忠告通り、継承をしない方が良かった。

なんで先代の借金を自分が
返していかないといけないのか。


 明るい未来もなかなか描けない業界で
 なぜ親父は起業したのか。

 やりたくもない仕事や親父の会社を
なぜやらなければいけないのか…」



須坂社長の悩みや愚痴は止まりませんでした。

私はそれを聞いて、

「つまり須坂社長は被害者ですか?」

と反応しました。


「被害者意識…。
 言われてみるとなんで自分ばっかり…と
 正直思っていたかもしれません。
 
 親父のせいではなく、
最終的には自分で継承すると決めた。
 
 被害者意識を持っている経営者に
 従業員はついこないですよね…」



須坂社長は少しクールダウンして、
自分の言動や思考を振り返っていました。


事業継承をされた若手後継者。

なかなか事業が上手くいくないと、
いつのまにか、「被害者意識」
持っているように思います。

俺はこんな仕事をやりたくなかった。
俺はこんな会社を引き継ぐべきではなかった。
潰れそうな会社を継承した俺はかわいそうだ。
もっとマシな状態でバトンを渡してくれれば。


須坂社長が言われた通り、
被害者意識を持っている限り、
従業員はついてこないかもしれません。

成長へのヒントも掴めないかもしれません。

最終的には自己選択であり自己責任。

その現実を受け入れるしかありません。
 

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

自民党総裁選が10月4日に行われ、
高市早苗・前経済安保相が第29代総裁に選出されました。

選出後の挨拶で自民党議員に対し
「馬車馬のように働いていただきます」と呼びかける。

さらに「私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てます」
「働いて、働いて、働いて、働いて、働いて参ります」と発言。

ワーク・ライフ・バランスを尊重する働き方を進める中、
時代と逆行する発言に批判が相次いでいるそうです。

皆さんはこの批判についてどう思いますか?

これまでの自民党への評価や支持率、
話の文脈を考えれば、私は何ら違和感がないのですが…。

「ワーク・ライフ・バランスを重視して、
 政治家の仕事を遂行します」


とでも言ったらよかったのでしょうか。
本気度が全く伝わりませんね。


国会中継が流れた時に、
昼寝をしているような議員を見つけると
腹立たしく思う人もいるでしょう。


今現在の自民党の見られ方を考えれば、
馬車馬のように働いてでも結果を出そうとする
姿勢が政治家には求められる。


所信表明だからこそ、決意を伝えなければならない。
人の心に残るメッセージにするべきです。

心に残るメッセージは焦点化されているので、
誤解を生むような表現にも聞こえる。


言葉尻に目くじらを立てすぎでは?と
思う今日この頃です。

何でそこまで話を大ごとにしたがるのか…。

リーダーだからこそ、言葉選びに慎重になるべきだという
意見も分からなくもない。

しかしそれを求めるからこそ、
リーダーのメッセージがどんどん陳腐化している。
尖るような発信がなくなっていく。


「日本人ファースト」もそうですが、
誤解を受けて批判をされるにせよ、
力強いメッセージを発信しなければいけない時が
あると思います。