こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV8月号のゲストは、
ヒューマンライフコード株式会社の原田社長。
ヒューマンライフコードは、
臍帯(さいたい)組織を活用した
再生医療等製品の研究開発・製造・販売をされています。
2019年 東京ベンチャー企業選手権2019
最優秀賞(東京都知事賞)受賞。
2023年 内閣府主催「第5回日本オープンイノベーション大賞」
「厚生労働大臣賞」受賞。
臍帯=へその緒を活用した再生医療製品。
これだけでもワクワクしませんか?
法改正があるためでは、これまでは
へその緒はお産の時に捨てられていました。
しかしアメリカでの医療現場から
この捨てられていたへその緒に
原田社長は無限の可能性を見出しました。
臍帯使うことには多くのメリットがあるそうです。
若い細胞のため、非常に元気であること。
骨髄と違い誰かの痛みを必要としない。
国内調達が可能であること。
そして増殖力にも優れており、
1本の臍帯から成人1000人分の細胞薬品を作れる。
臍帯由来間葉系細胞が持つ
免疫調整能力や組織修復能という特質を活かし、
希少性疾患への製品化が可能です。
加齢性疾患(例:サルコペニア)や
新型のコロナ治療薬(肺の炎症を抑える)にも
挑戦されています。
ここまで聞くと期待しかありませんね。
しかし他事業と大きく異なることは、
時間と費用を要するということです。
非臨床試験を経て、
臨床試験のフェーズ1・2・3を経て、
承認申請をし承認を得るという流れ。
約10年間かかります。
それくらい製品化までには時間を要する。
当然、10年間の売上が立たないわけですから、
商品化までの開発・実験費用、
会社を運営する費用が必要になるわけです。
原田社長は、
「約10年前にパッションを持って、
この会社を創業しました。
へその緒を使った再生医療の世界が
必ず来るという未来像を確認して。
製品化まであとラストワンマイルの所まで来ました。
この製品を待ち望んでいる患者さんが国内外に沢山います。
1日でも早く届けたいという気持ちです」
と言われていました。
本当に長い道のりですね。
賛同してくれる協力企業もいますが、
まだまだ資金が足りないようです。
助成金などもあるようですが
必要な額に対して桁が違います。
こういう成長分野へ資金提供が消極的だから、
他国に追い抜かされてしまうのがこれまで。
これからの時代、再生医療という分野は
間違いなく成長産業。
世界的に見ても
日本が牽引役に慣れるかもしれない。
もっと積極的にもっと大胆に
資金的なバックアップをして
将来の芽を潰さないように
してもらいたいと思います。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
中小企業の経営者でも
「仕事を任せる」ことが
得意な方と苦手な方がいますね。
「あなたを信じて任せる」
と言っておきながら、
あれこれ、細かい所まで指示を出す。
聞かれてもいないのに
たっぷりの助言を出す。
これをやっていく先に待っていること。
それは「上司の手柄」になってしまうということ。
任されたのにも関わらず、
途中から上司から言われたことを
着実にこなすことが仕事になっていきます。
こうなってしまうともはや
部下が主役の仕事ではなく、
上司の小間使いのようになってしまいます。
仮にこの仕事が上手くいったとしても
部下が成功体験として実感することが
はたしてできるでしょうか。
上司のパシリくらいにしか
思わないかもしれません。
ある中小企業で
Aヒット商品が生まれました。
このAヒット商品が生まれるまでに
経営者がどんな助言をしたか
という記事が掲載されていました。
これを読んでいくと、
なぜか助言をした経営者が
偉いという趣旨になっている。
このAヒット商品を作ったのは、
開発者です。
助言をした経営者が
開発者よりでかい顔をしている。
経営者は助言をすることで、
「つまみ食い」をしていけない。
自分の手柄にしてもいけない。
開発者がリスペクトされるべき。
任されて実行した人が
リスペクトされるべきです。
経営者や上司は、
助言をしたくらいで
いい気になってはいけませんね。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
先日、S社長の講演会に参加する機会がありました。
S社長の会社の改革は、ドラマ化されており、
中小企業経営者の目標でもあったりします。
そしてS社長は数年前から
次の経営幹部育成に
着手されているとのことでした。
皆さんは、
経営幹部に求める資質と聞かれて、
どのように答えますか?
S社長は
「見えない不安をポジティブに
捉えられるかですかね」
「私が海外に生産拠点を作りたいと相談した。
これは会社として初めての取り組み。
○○さん、その国に赴任してもらえますか?
と言ったときに、やらせてください!と
言える人が資質のある人」
と言われていました。
これが「見えない不安」ということを
指しているのだと思います。
会社として、個人として
経験したことがない。
当然、不安もあるだろうし、
今の段階では想像もできない不安が
これから出てくるかもしれない。
今の段階では乗り越えることが
できるかどうかも分からない。
しかしそのような状況でも
ポジティブに捉えて、
「チャレンジしてみたい!」
と言えるかどうか。
確かに経営者になるとそういう機会に
幾度となく遭遇します。
だから資質として
それを求めたいというS社長の意図は、
非常に共感できる内容でした。
不安に押しつぶされることなく、
不安をポジティブに転換できる力。
逆境を乗り越えていける人の共通点ですね。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
大企業だけでなく、中小企業でも積極的に
新卒採用をされている企業もあります。
新卒採用をして1年以内で辞めてしまうのは、
お互いに不幸。
できればこういったケースを避けたいですね。
企業側ができる定着率をあげる手段として、
新卒社員の周囲の方と関係性を築くという
中小企業が増えてきました。
例えばエステ系A社では女性比率が9割の会社。
男性社長がご両親のもとに行き、
入社前に家庭訪問をし、
どのような会社なのかを説明していきます。
そして
「娘さんを近くで見ていて、
何か心配なことがあれば、
遠慮なく相談してほしい」
と伝え、安心感を提供しています。
本当に当人に元気がない時は、
社長に相談の連絡が入るそうです。
メーカーB社。
大卒だけでなく高卒も数名採用。
この企業はファミリデーと称して
家族向けに会社見学を定期的に開催しています。
仕事場を見てもらいたいという意図かと思います。
家族参加のバーベキュー等も定期開催。
20歳未満の新卒者であれば、
懇親会にてアルコールの飲酒は絶対にしない等、
事前に丁寧な案内をしているそうです。
あいにく新卒社員が作業中に
ケガをしてしまったことがあった。
会社の管理不行き届きが原因であると
ご両親に怒鳴られると思いきや
「うちの息子がバカなことをしまして
ご迷惑をかけて申し訳ございません。
クビにはならないでしょうか?」
と謝罪に来られたそうです。
自宅では素直な自分の気持ちを話す。
働いていれば、
「仕事を辞めたい」
と弱音を吐く機会も必ずあるでしょう。
そういった時に、
ご家族の方が会社の良き理解者になっていれば、
心強いですね。
「あんないい会社、他にあると思う?
これからもなかなか出逢えない。
それはあなたが良く分かっているはず。
もう少しだけ頑張ってみたら?」
こんなフォローにしてくれた家族もいるそうです。
「家族のファン化」
こんなテーマを掲げる企業が
増えてくるかもしれません。
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV 7月号のゲストは
大黒屋の室井会長。
創業1551年から続く老舗旅館。
ただし一般的な旅館とは一線を引き、
アートスタイル経営を軸においています。
現代美術家である菅木志雄氏の協力の元、
「天の点景」という作品を庭に作ります。
また菅氏に空海の思想を表現してほしいと
依頼をし、「風の耕路」というものを作りました。
空海の思想とは、
6大「火・水・地・風・空・識」のこと。
これらの要素が感じられる場になっています。
庭には薪から煙が上り、
この煙から「風」を感じてもらいたい。
五感を使って大黒屋を味わってもらうためだと。
何とも居心地のよい空間でした。
館内にはアート作品が並び、
定期的に展示会も開かれています。
アートスタイル経営になってから、
来られるお客様の層が変わったといいます。
二人部屋の広さを一人部屋として使える部屋も用意し、
数日、一人で滞在されて帰る方もいるそうです。
本来は二人部屋にした方が収益性はよいのですが、
あえて一人で来られるお客様にも気兼ねなく
利用してほしいという願い。
時間軸で捉えて、投資対効果を考えてほしいと
銀行へ説得されたようです。
大黒屋の現地に行くまでは、
「美術作品が館内に並んでおり、
美的センスに拘っている旅館」
と思っていました。
しかし根本的な発想がそもそも違いました。
思想哲学を美で表現する。
旅館に並ぶ作品にもメッセージがあり、
長い時間と高額な費用をかけて作った庭園にも
哲学が詰まっています。
哲学を表現する場が旅館だったのです。
室井会長が
「経営とは哲学である」
と言っていた意味が現地をみて分かりました。
同業者の視察者も多いそうですが、
おそらく同じようなことを思うでしょう。
美術作品を単に集めて旅館内に並べることが
アートスタイル経営ではないと。
今までにない新感覚の旅館でした。
根強いファン(リピーター73%)がいるのも納得です。
那須塩原方面に行かれた時は、
ぜひ大黒屋に泊まり、
居心地の良い感覚を味わってみてください。