今回から肉離れについて情報を発信していきます!

まずは基礎知識からです。


 肉離れとは、筋肉に急激で強い収縮が起こったときに、筋線維や筋膜の一部に損傷をきたす状態です(図1)。



発生部位として、ハムストリングス(大腿部後面)、大腿四頭筋(大腿部前面)、下腿三頭筋(下腿部後面)での発生が多くみられます。

好発年齢については、17歳が全体の約20%を占めるといわれています(1/3が中学性、2/3が高校生)。

走る、跳ぶといったスポーツ活動中に生じやすく、種目別では、陸上競技における短距離走での発生頻度が最も高く、陸上競技の跳躍種目、サッカー、野球、ラグビー、バスケットボール、テニス、バレーボールが続くとされています。


症状および重症度については

軽度(筋線維が引き伸ばされ局所の圧痛や皮下出血がみられる)

 ⇒自覚症状:痛みがあるが自力で歩ける

中等度(筋線維の断裂があり皮膚の陥凹や運動時痛がみられる)

 ⇒自覚症状:痛みが強く何とか歩けるか歩行困難

重度(筋肉自体の断裂があり陥凹や運動時痛が著明にみられる)

 ⇒痛みが強く歩行困難


に分けられています。肉離れは、一度発生すると長期間の治療を必要とし(治癒までに軽度で12週程、中等度で12ヶ月程を要し、重度の場合には手術が必要な事もあります)、再発の可能性も高い障害です。

再発の要因としては、筋肉が治癒しない段階で復帰してしまう事が挙げられます。

痛みが無くなって安心するのではなく、筋肉の柔軟性・筋力が十分に回復してから競技へ復帰する事が重要です。


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テーピングの基礎的な知識についてはこちらをご覧下さい

http://ameblo.jp/csc-lab2015/entry-12138025707.html


テーピングを使用する上でのいくつかの注意点を述べさせて頂きます。



まずテーピングをしたからといって絶対に怪我をしないわけでもなく、怪我自体が良くなるわけではありません。


「テーピングをしているから怪我をした場所に対して改善させるための筋力トレーニングなどをしなくてもいい」「特に痛みはないけど心配だからとりあえずテーピングを巻いておこう」というのは間違いです。


足首の捻挫を例にしても、元々捻挫になりやすい筋力の低下や関節の硬さという身体機能の低下があり、そのために捻挫をした可能性があります。また、怪我によって運動量の低下や腫れや痛みによって関節可動域・筋力の低下が惹き起こされている可能性があります。そのままプレーに復帰すれば、捻挫によって足首の靱帯が弱っている状態なので重症化を招くリスクや、スポーツ時にいつまでもテーピングが必要な状態になってしまいます。


あくまでテーピングは補助的なものと捉え、復帰に向けては弱った関節をテーピングで保護し、その間に関節可動域や筋力の改善・向上を図り、ゆくゆくはテーピングを使用しなくてもプレーできる身体機能に改善させる必要があると言えます。


次に急性外傷時(怪我をしたばかり)の応急処置としてテーピングを自分自身で巻く際、固定を強くするために非伸縮性のテープをとりあえず強く巻き付けてぐるぐる巻きにしまう選手を見かけます。テーピングは確かに固定方法の一種ではありますが、とにかく強く

巻いて関節の動きを制限すればいいというものではありません。


必要な関節運動を制限する必要はありますが、全ての関節の動きを止めてしまうとプレーに支障が出るだけではなく、捻挫したての急性外傷時には腫れが起こり、強すぎるテーピングで関節を必要以上に圧迫した結果うっ血して神経や筋肉にトラブルを起こすリスクがあります。徐々に腫れによって関節の圧迫が強まる事を理解しておき、急性外傷時にテーピングを巻く際は過度な圧迫感がないことを確認する必要があります


また自分でテーピングを巻く方はテーピングの11本の意味や目的を理解しておく必要があります。全部強く巻いてしまえば関節の動きを必要以上に制限してしまい、関節は守れても上手く身体が動かずにプレーの妨げになってしまいます。なぜその位置に巻くのか?なぜその方向に引っ張るのか?圧迫はどれくらいかけるのか?それらを理解して巻くことで固定が必要な部分への制動効果と動くことを許容してもいい部分を固定しないことでパフォーマンスを発揮しやすくなります。しかも、基本の巻く形はあるものの、1人1人・その時その時の身体の状態によって巻く強さや本数を調節する必要があります。



選手自身にテーピングを巻かせる場合のための指導もただ形を真似させるだけではなく、指導する際にテープ11本の意味や目的を理解してもらう事で思いのほか効果的なテーピングをできることを経験します。指導する立場になる方などは参考にして頂けると幸いです。


そしてよく試合などの前日にテーピングを巻いて欲しいという選手もいますが、テーピングを巻くのは試合や練習の直前に限ります。それはテーピングの関節の制動効果は長くは持たないためです。さらには試合や練習が終わったらそのテーピングは外しましょう。長時間巻き続ける事でテーピングの効果も無いばかりか皮膚トラブルなども起こる可能性があります。


以上、テーピングについての基礎的な目的や種類の説明、注意点などを述べさせて頂きました。



どのツールを使用する際にも言える事ですが、初心者にしても熟練者にしても基本に立ち返ってみてそのツールの効果・意味・目的・方法を再確認することで効果的に使用ができることを多々経験します。



次回は『キネシオテープについて』の情報をUPします!



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今回はテーピングについてご紹介させて頂きます。

テーピングはギプスのように完全に関節の動きを制限するのではなく、関節や筋・腱を守るために必要な部位のみの動きの制限を行い、関節や筋・腱などを補強してくれる関節の固定法の1つです。

テーピングの効果としては関節可動域の制限、患部の圧迫、患部の保護、筋・腱の補助などが挙げられます。

現在は街中のドラッグストアーなどでも販売されていることもあり、スポーツ現場では競技レベルに関わらず広く一般的に使用されるようになっていますが、その目的や正しい使用方法などを理解せずに使用してしまうと逆効果になってしまう恐れがあります。今回はそれぞれの部位の巻き方については述べませんが、どの巻き方にも共通した内容の為テーピングを使用する方は是非御一読下さい。


まずテーピングを使用する代表的な目的としては、外傷時の応急処置」「復帰途中・復帰試合などの再発予防」「特に外傷が多い部位などへの予防的に使用する」などが挙げられます。

正しいテーピングを行う事で、患部の安静が必要な際は固定目的でテーピングをすることで治癒の促進を図れますし、復帰途中でまだ関節の不安定性などがある場合は選手が精神的な不安感無く完全復帰のためのトレーニングを行えます。また、そのスポーツで外傷が多い部位・選手自身が元々関節の不安定を有している部位に予防的に使用することで外傷

の発生も防ぐ事ができます。


次にテーピングの種類についてです。

大きく分けて3種類あり、非伸縮性」「伸縮性」「筋肉サポート(キネシオロジーテープ)」となります。
「非伸縮」は、名前の通り伸縮性が無く多くはホワイトテープがこれに該当します。主には関節の固定目的が第一優先となる程度の不安定がある場合などに用います。


「伸縮性」は、非伸縮性よりは伸縮があり固定と共に関節の動きを許容するものです。関節の不安定性が非伸縮性を使用するほどでもない場合や段階的な復帰途中で動きを伴う場合などに用います。固定性は非伸縮より劣ります。


「筋肉サポート(キネシオテープ)」は、皮膚を介して筋肉の動きを補助して痛みの軽減やパフォーマンスアップ目的に使用します。このテープには関節の固定作用はありません。



 図 テープの種類

(左から非伸縮性・伸縮性・キネシオロジーテープ)

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