ロシアの大学生が入りたい会社
前回、海外の就職先企業人気ランキングで、アメリカやフランスの大学生が就職先として魅力的に感じる企業のランキングを掲載しました。まあ、当然といえば当然、欧米の学生さんも大手企業に魅力を感じていることが判明したわけですが、4月15日付の掲載記事にロシアの大学生を対象とした同様の調査結果がアップされていましたので、ご紹介しておきたいと思います。
結論から言いますと、アメリカやフランスの大学生が考えていることと変わりません。インフラ、資源開発、銀行、一部のグローバルに展開するメーカーに人気が集中していました。巨額の売上を達成し、社会的な信用を十二分に勝ち得ている。そんな会社で働きたいとロシアの大学生の多くが考えているようです。
では、ロシアの大学生の皆さんはどのような視点で企業を選ぶのでしょうか(複数回答)。大きく3つの志向に分類することができるようです。調査は、ロシア国内36の主要大学、1万3,000以上の大学生からの意見をもとにしたものです。ちなみに調査対象となった企業は、3万7,400件に及びます。
安全・安定した仕事であること(選択率:51%)
ロシアは石油やガス等資源開発・国家間取引により巨万の富を手にしている大きな国です。世界的な石油需要の急伸による石油価格高騰の恩恵を多分にうけているのは、誰もが知るところでしょう。ちなみに、石油というと中東諸国が原油生産高トップクラスをイメージするかもしれませんが、実はロシアが世界一位だったりします。下記に人気企業ランキングを記載していますが、このような背景もあり資源開発系会社の多くがトップランクに位置しています。ロシア国内においてこれら企業は、それなりの地位をがっちりと確立しているわけで、まさに安定安全のイメージを容易に学生に示すことができます。資源開発、インフラ、銀行に人気が集中するのは、自然な成り行きと言えるでしょう。
専門性の高い人材になれること(選択率:41%)
特に工学系学部学科に属する学生がこちらをチョイスされたようです。安全安定をベースに、その上で自分自身の専門性を高めたいと思うのもまた自然な成り行きと言えるでしょう。
ワークライフバランスが実現できること(選択率:33%)
日本でも今、声高に叫ばれている分野だと思いますが、ご多分にもれずロシアの大学生もその多くがワークライフバランスを実現できる企業に魅力を感じているようです。まあ、そりゃそうですよね。無いよりもあった方が、絶対に嬉しいに決まっています。
さらに踏み込んで、どのような特性が企業に備わっていると学生にとって最も魅力的に見えるでしょうか。ロシアの大学生の皆さんは、次にあげる3点が揃っている企業に大きな魅了を感じるようです。選択項目は全部で10項目あるようですが、下記の4項目以外は分かりません。
財務体質(選択率:62%)
…要するに儲かっているということ。
市場での成功(選択率:46%)
…要するに進出した市場において成功しているということ。
評判の良さ(選択率:34%)
…要するに対外的印象の良さということ。
ちなみに…興味深いことに、
高い倫理観(選択率:9%)
…全10項目のうち10番目とのこと。あまり企業倫理には関心がない!?
やっぱりというか、当然と言いますか、想定内と言いますか、期待通りの結果でした。やはりどうせ就職するならいい会社に行きたいと思うのは、世界共通の真理といえるでしょう。あまりロシア経済には詳しくありませんが、少なくとも世界的な評価は莫大な資源を擁する国であり、豊かな国のひとつであると言えるでしょう。が、格差問題や領土問題、民族問題、失業問題などなど国内問題は山積。経済も石油やガスなど天然資源に強く依存していると察します。外需主導の経済体制ですから内需拡大路線を並行して進めて国内消費を高めなければ、外交によって経済は浮揚と下降と停滞を不安定に繰り返すことになり、結果的にその影響が雇用へと跳ね返ってくるように思います。資源ビジネスで儲かっているうちに、国民が広くその恩恵を享受できるような国家のデザインを描いて頂ければな、と思います。
[ロシアの大学生が理想とする就職先]
※ビジネス系学術分野の調査結果
1.ガスプロム ※石油会社
2.ルクオイル ※石油会社
3.ズベルバンク ※銀行
4.BMW
5.ロシア鉄道 ※インフラ
6.VTB24 ※銀行
7.グーグル ※グーグル先生はロシアでも大人気
8.トヨタ ※がんばれ日本
9.コカコーラ社
10.ロスネフチ ※石油会社
11.マイクロソフト
12.モスクワ銀行 ※銀行
13.イケア
14.ロレアル
15.ノキア
16.P&G
17.ライフアイゼン ※銀行
18.ユニリーバ
19.プライスウォーターハウスクーパース
20.ネスレ
最後に、本調査結果のニュースタイトルは、「Russian students are looking for the easy road」でした。グーグル先生の日本語翻訳機能で直訳してみると、「ロシアの学生は楽な道を探している」。なんだかあまりにもストレートな訳(表現)だったので、清々しさを感じてしまいました(笑)。
結論から言いますと、アメリカやフランスの大学生が考えていることと変わりません。インフラ、資源開発、銀行、一部のグローバルに展開するメーカーに人気が集中していました。巨額の売上を達成し、社会的な信用を十二分に勝ち得ている。そんな会社で働きたいとロシアの大学生の多くが考えているようです。
では、ロシアの大学生の皆さんはどのような視点で企業を選ぶのでしょうか(複数回答)。大きく3つの志向に分類することができるようです。調査は、ロシア国内36の主要大学、1万3,000以上の大学生からの意見をもとにしたものです。ちなみに調査対象となった企業は、3万7,400件に及びます。

ロシアは石油やガス等資源開発・国家間取引により巨万の富を手にしている大きな国です。世界的な石油需要の急伸による石油価格高騰の恩恵を多分にうけているのは、誰もが知るところでしょう。ちなみに、石油というと中東諸国が原油生産高トップクラスをイメージするかもしれませんが、実はロシアが世界一位だったりします。下記に人気企業ランキングを記載していますが、このような背景もあり資源開発系会社の多くがトップランクに位置しています。ロシア国内においてこれら企業は、それなりの地位をがっちりと確立しているわけで、まさに安定安全のイメージを容易に学生に示すことができます。資源開発、インフラ、銀行に人気が集中するのは、自然な成り行きと言えるでしょう。

特に工学系学部学科に属する学生がこちらをチョイスされたようです。安全安定をベースに、その上で自分自身の専門性を高めたいと思うのもまた自然な成り行きと言えるでしょう。

日本でも今、声高に叫ばれている分野だと思いますが、ご多分にもれずロシアの大学生もその多くがワークライフバランスを実現できる企業に魅力を感じているようです。まあ、そりゃそうですよね。無いよりもあった方が、絶対に嬉しいに決まっています。
さらに踏み込んで、どのような特性が企業に備わっていると学生にとって最も魅力的に見えるでしょうか。ロシアの大学生の皆さんは、次にあげる3点が揃っている企業に大きな魅了を感じるようです。選択項目は全部で10項目あるようですが、下記の4項目以外は分かりません。

…要するに儲かっているということ。

…要するに進出した市場において成功しているということ。

…要するに対外的印象の良さということ。
ちなみに…興味深いことに、

…全10項目のうち10番目とのこと。あまり企業倫理には関心がない!?
やっぱりというか、当然と言いますか、想定内と言いますか、期待通りの結果でした。やはりどうせ就職するならいい会社に行きたいと思うのは、世界共通の真理といえるでしょう。あまりロシア経済には詳しくありませんが、少なくとも世界的な評価は莫大な資源を擁する国であり、豊かな国のひとつであると言えるでしょう。が、格差問題や領土問題、民族問題、失業問題などなど国内問題は山積。経済も石油やガスなど天然資源に強く依存していると察します。外需主導の経済体制ですから内需拡大路線を並行して進めて国内消費を高めなければ、外交によって経済は浮揚と下降と停滞を不安定に繰り返すことになり、結果的にその影響が雇用へと跳ね返ってくるように思います。資源ビジネスで儲かっているうちに、国民が広くその恩恵を享受できるような国家のデザインを描いて頂ければな、と思います。
[ロシアの大学生が理想とする就職先]
※ビジネス系学術分野の調査結果
1.ガスプロム ※石油会社
2.ルクオイル ※石油会社
3.ズベルバンク ※銀行
4.BMW
5.ロシア鉄道 ※インフラ
6.VTB24 ※銀行
7.グーグル ※グーグル先生はロシアでも大人気
8.トヨタ ※がんばれ日本
9.コカコーラ社
10.ロスネフチ ※石油会社
11.マイクロソフト
12.モスクワ銀行 ※銀行
13.イケア
14.ロレアル
15.ノキア
16.P&G
17.ライフアイゼン ※銀行
18.ユニリーバ
19.プライスウォーターハウスクーパース
20.ネスレ
最後に、本調査結果のニュースタイトルは、「Russian students are looking for the easy road」でした。グーグル先生の日本語翻訳機能で直訳してみると、「ロシアの学生は楽な道を探している」。なんだかあまりにもストレートな訳(表現)だったので、清々しさを感じてしまいました(笑)。
口先ではなく、背中で伝える。
先日、ずっとフリーターだった後輩と会いました。
本人はべつにフリーターをやりたいわけではなく、
デザイナーというものになりたいらしい。
しかし、就職活動してもなかなか決まらない。
まぁ、よくある話です。
「どうしてデザイナーになりたいと思ったの?」
「どんな作品が好きなの?」
そんな質問をしても、どうも腑に落ちる返答じゃない。
「ポスターを作ってみたかったから」とか、
「日本の広告はイマイチですよね」とか、
おまえ、仕事なめてるだろ、という感じでした。
そこで、
「もし憧れの人がいるなら、その人の本を読んだり、
できれば会ってきたらいいよ、そうしたら何か感じるものも
あるはずだから」とアドバイスしておきました。
そして、2週間後。
なんと、彼は本当に憧れのデザイナーに会って来ました。
その行動力だけでも拍手喝采、彼の可能性を感じたのですが、
今回は、そのお話ではありません。
「何かいいお話は聞けた」自分は尋ねました。
すると、後輩は目をキラキラさせて、こんなお話をしました。
その有名なデザイナーさんは、クライアントから「前と同じような感じで
頼むよ」と仕事の依頼が来たら、「いや、それはできません。なぜなら、
前よりも良いものを作ってお出ししますから」と応えているらしい。
後輩は、「本当のプロって、そこまで自分を追い込んで、真摯にシビアに
仕事に向き合って、クリエイティブを追求しているんですね!やっぱり
すごくかっこいいと思いました!自分もそんなデザイナーになりたいと
強く思いました!」と熱く語っていました。
その後、後輩は電通図書館に通っていろいろな作品を研究したり、
マーケティングの本を読み漁ったり、自主制作で作品を制作したり、
ものすごく生き生きとしています、当然、まもなく就職先も決まりました。
自分も30歳を超え、もういい大人です。
そして、思いました。
いま、このような若者に、「かっこいい」と思ってもらえるような
仕事をしている大人はどれほどいるのでしょうか。
「若者が就職できないのはやる気がないからだ」
「若者が就職できないのは甘えているからだ」
「若者が就職できないのは行動力がないからだ」
「若者が就職できないのはゆとり教育のせいだ」
「若者が就職できないのは大手ばかり受けているからだ」
「いまの若者はホント大変でかわいそうだね~」
うるせーよ。
あんたらが若者に説教する前に、自らの社会人としての姿を振り返ってほしい。
誇りをもって仕事ができていますか?自分自身との戦いから逃げていませんか?
何より、周囲に、若者に、夢を与えられるほど頑張っていますか?
人事さんも経営者さんも、あなた達に若者を選ぶ資格が本当にありますか?
就職サポートしている人も、
口だけで、脅して、凹ませて、それを教育だとか、指導だとか、おかしくない?
「やりたいことを見つけないとダメだ」
「夢を持たないとダメだ」
はぁ。
仕事へ取り組む姿で、生き様で、
大人たちがまず、それを示していかなきゃならんのではないか、と。
愚痴いって、いろんなことに諦めて、言い訳ばかりにアタマ使って。
そんな姿を見て、子供たちは果たして夢を持てますかね。
あー、ホント、がんばろう、いい大人になろう。
ちゃんと、かっこいい大人になろう。
自分も、あなたも。
本人はべつにフリーターをやりたいわけではなく、
デザイナーというものになりたいらしい。
しかし、就職活動してもなかなか決まらない。
まぁ、よくある話です。
「どうしてデザイナーになりたいと思ったの?」
「どんな作品が好きなの?」
そんな質問をしても、どうも腑に落ちる返答じゃない。
「ポスターを作ってみたかったから」とか、
「日本の広告はイマイチですよね」とか、
おまえ、仕事なめてるだろ、という感じでした。
そこで、
「もし憧れの人がいるなら、その人の本を読んだり、
できれば会ってきたらいいよ、そうしたら何か感じるものも
あるはずだから」とアドバイスしておきました。
そして、2週間後。
なんと、彼は本当に憧れのデザイナーに会って来ました。
その行動力だけでも拍手喝采、彼の可能性を感じたのですが、
今回は、そのお話ではありません。
「何かいいお話は聞けた」自分は尋ねました。
すると、後輩は目をキラキラさせて、こんなお話をしました。
その有名なデザイナーさんは、クライアントから「前と同じような感じで
頼むよ」と仕事の依頼が来たら、「いや、それはできません。なぜなら、
前よりも良いものを作ってお出ししますから」と応えているらしい。
後輩は、「本当のプロって、そこまで自分を追い込んで、真摯にシビアに
仕事に向き合って、クリエイティブを追求しているんですね!やっぱり
すごくかっこいいと思いました!自分もそんなデザイナーになりたいと
強く思いました!」と熱く語っていました。
その後、後輩は電通図書館に通っていろいろな作品を研究したり、
マーケティングの本を読み漁ったり、自主制作で作品を制作したり、
ものすごく生き生きとしています、当然、まもなく就職先も決まりました。
自分も30歳を超え、もういい大人です。
そして、思いました。
いま、このような若者に、「かっこいい」と思ってもらえるような
仕事をしている大人はどれほどいるのでしょうか。
「若者が就職できないのはやる気がないからだ」
「若者が就職できないのは甘えているからだ」
「若者が就職できないのは行動力がないからだ」
「若者が就職できないのはゆとり教育のせいだ」
「若者が就職できないのは大手ばかり受けているからだ」
「いまの若者はホント大変でかわいそうだね~」
うるせーよ。
あんたらが若者に説教する前に、自らの社会人としての姿を振り返ってほしい。
誇りをもって仕事ができていますか?自分自身との戦いから逃げていませんか?
何より、周囲に、若者に、夢を与えられるほど頑張っていますか?
人事さんも経営者さんも、あなた達に若者を選ぶ資格が本当にありますか?
就職サポートしている人も、
口だけで、脅して、凹ませて、それを教育だとか、指導だとか、おかしくない?
「やりたいことを見つけないとダメだ」
「夢を持たないとダメだ」
はぁ。
仕事へ取り組む姿で、生き様で、
大人たちがまず、それを示していかなきゃならんのではないか、と。
愚痴いって、いろんなことに諦めて、言い訳ばかりにアタマ使って。
そんな姿を見て、子供たちは果たして夢を持てますかね。
あー、ホント、がんばろう、いい大人になろう。
ちゃんと、かっこいい大人になろう。
自分も、あなたも。
海外の就職先企業人気ランキング
http://www.universumglobal.com
という雇用に関する研究や企業のブランドイメージ調査などを手がける──いわゆる雇用シンクタンクといえるのでしょうか──アメリカの調査会社が、アメリカをはじめ世界各国の大学生はどんな会社に雇用先として魅力を感じているのかの調査結果をWEBサイトに掲載しています。
調査手法としては、各国内の有名大学や学術機関(専門学校等かと?)に通う大学生にアンケートに回答してもらう(ビジネス、工学、情報技術、自然科学、人文科学など複数の研究分野にセパレートして調査しているようです)というもの。たとえばアメリカだと、345の有名大学で、のべ5万6,900もの回答をもって調査結果を公表しています。ちなみに、日本だと就職人気ランキングと表現できるかと思いますが、最新のものだとこちら(http://www.asahi.com/job/special/OSK201102010052.html)が参考になるかと思います。
さて、今回の震災支援で圧倒的な存在感を示してくれたアメリカ、この国に住まう大学生が魅力的に思う会社ベスト100(2010年)はどのようになっているのでしょうか。例として、経営学・経済学・商学を内包するであろうビジネス系学術分野での調査結果をご紹介します。
▼ビジネス系学術分野の調査結果
1.Google
2.Ernst & Young
3.PricewaterhouseCoopers, LLP
4.Deloitte
5.Walt Disney Company
6.KPMG LLP
7.J.P. Morgan
8.Apple Computer
9.Goldman Sachs
10.Nike
11.FBI
12.Major League Baseball
13.The Coca-Cola Co.
14.Microsoft
15.Bank of America
16.Procter & Gamble
17.Morgan Stanley
18.U.S. Department of the Treasury
19.Johnson & Johnson
20.U.S. Department of State
なお1位のGoogle先生は、工学分野で3位、情報技術分野で1位、自然科学分野で8位、人文科学分野で4位という、あらゆる学術分野において魅力的に思われている企業であることが証明されています。日本だと「みんなの就職活動日記(http://www.nikki.ne.jp/event/20110329/?action=event&spid=20110329&dangumi=1)」によると5位にランクインしています。AERAの調査結果には載ってなかったのですが…ま、いいか。
ぱっと見て印象的なのは、金融系の会社がまだまだ人気があるということ。まだまだ最近の出来事の範疇にあるであろうサブプライムローン問題やそこから派生した不況もなんのその、モルガンやバンカメ、ゴールドマンを魅力的に思う学生はまだまだ沢山いる模様。コンサル、会計事務所等も人気のようですね。その他、FBI、アメリカ政府といったいわゆる公務員系も人気のようで、CIAが26位、NSA(国家安全保障局)が72位だったりします。
ここで、フランスの学生が魅力を覚える企業をご紹介しておくと。
※アメリカ同様、ビジネス分野より抜粋
1.LVMH社(ルイヴィトン)
2.ロレアル
3.アップル
4.グーグル
5.カナル+(ケーブルテレビみたいな…)
6.BNPパリバ
7.エールフランス航空
8.ダノン
9.ネスレ
10.アーンスト&ヤング
1位はルイヴィトン。そして、グーグルがやっぱり上位につけている。その他は、ロレアル、エールフランス、ダノン、ネスレとフランスやスイスなどで誕生した会社が上位につけています。加えてカナダの調査結果をちょっとだけお知らせすると、1位は州政府でした。移民に寛容であり、税金は高いけど福祉がしっかり、で比較的治安がいい、そんなイメージがありますので、政府で働いてみたいと思う感情は、なんとなくわかるような気がします。
これら調査結果から、海外の学生も大手志向とは一概に言えませんが、最高学府を経たからにはあの有名企業で働きたい、と思うのは極々自然な思考なのは間違いありません。日本もそう。メディアに露出するのは有名企業ばかり。出来るなら(いや絶対に)大手で、という考えが固定化されていくのは、致し方ないものだと思いますから。
大手志向、大いに結構。でも現実にもしっかりと目を向ける。夢と希望と現実と、そのバランス感覚を就職活動を、転職活動を行うにあたり養うことが、ベストとは言えないかもしれませんが、ベターな結果を手にするひとつの方法論と言えるのかもしれません。今後も、海外の就職事業関連の情報をアップしていきたいと思います。就活・転活の一助となれば幸いです。
という雇用に関する研究や企業のブランドイメージ調査などを手がける──いわゆる雇用シンクタンクといえるのでしょうか──アメリカの調査会社が、アメリカをはじめ世界各国の大学生はどんな会社に雇用先として魅力を感じているのかの調査結果をWEBサイトに掲載しています。
調査手法としては、各国内の有名大学や学術機関(専門学校等かと?)に通う大学生にアンケートに回答してもらう(ビジネス、工学、情報技術、自然科学、人文科学など複数の研究分野にセパレートして調査しているようです)というもの。たとえばアメリカだと、345の有名大学で、のべ5万6,900もの回答をもって調査結果を公表しています。ちなみに、日本だと就職人気ランキングと表現できるかと思いますが、最新のものだとこちら(http://www.asahi.com/job/special/OSK201102010052.html)が参考になるかと思います。
さて、今回の震災支援で圧倒的な存在感を示してくれたアメリカ、この国に住まう大学生が魅力的に思う会社ベスト100(2010年)はどのようになっているのでしょうか。例として、経営学・経済学・商学を内包するであろうビジネス系学術分野での調査結果をご紹介します。
▼ビジネス系学術分野の調査結果
1.Google
2.Ernst & Young
3.PricewaterhouseCoopers, LLP
4.Deloitte
5.Walt Disney Company
6.KPMG LLP
7.J.P. Morgan
8.Apple Computer
9.Goldman Sachs
10.Nike
11.FBI
12.Major League Baseball
13.The Coca-Cola Co.
14.Microsoft
15.Bank of America
16.Procter & Gamble
17.Morgan Stanley
18.U.S. Department of the Treasury
19.Johnson & Johnson
20.U.S. Department of State
なお1位のGoogle先生は、工学分野で3位、情報技術分野で1位、自然科学分野で8位、人文科学分野で4位という、あらゆる学術分野において魅力的に思われている企業であることが証明されています。日本だと「みんなの就職活動日記(http://www.nikki.ne.jp/event/20110329/?action=event&spid=20110329&dangumi=1)」によると5位にランクインしています。AERAの調査結果には載ってなかったのですが…ま、いいか。
ぱっと見て印象的なのは、金融系の会社がまだまだ人気があるということ。まだまだ最近の出来事の範疇にあるであろうサブプライムローン問題やそこから派生した不況もなんのその、モルガンやバンカメ、ゴールドマンを魅力的に思う学生はまだまだ沢山いる模様。コンサル、会計事務所等も人気のようですね。その他、FBI、アメリカ政府といったいわゆる公務員系も人気のようで、CIAが26位、NSA(国家安全保障局)が72位だったりします。
ここで、フランスの学生が魅力を覚える企業をご紹介しておくと。
※アメリカ同様、ビジネス分野より抜粋
1.LVMH社(ルイヴィトン)
2.ロレアル
3.アップル
4.グーグル
5.カナル+(ケーブルテレビみたいな…)
6.BNPパリバ
7.エールフランス航空
8.ダノン
9.ネスレ
10.アーンスト&ヤング
1位はルイヴィトン。そして、グーグルがやっぱり上位につけている。その他は、ロレアル、エールフランス、ダノン、ネスレとフランスやスイスなどで誕生した会社が上位につけています。加えてカナダの調査結果をちょっとだけお知らせすると、1位は州政府でした。移民に寛容であり、税金は高いけど福祉がしっかり、で比較的治安がいい、そんなイメージがありますので、政府で働いてみたいと思う感情は、なんとなくわかるような気がします。
これら調査結果から、海外の学生も大手志向とは一概に言えませんが、最高学府を経たからにはあの有名企業で働きたい、と思うのは極々自然な思考なのは間違いありません。日本もそう。メディアに露出するのは有名企業ばかり。出来るなら(いや絶対に)大手で、という考えが固定化されていくのは、致し方ないものだと思いますから。
大手志向、大いに結構。でも現実にもしっかりと目を向ける。夢と希望と現実と、そのバランス感覚を就職活動を、転職活動を行うにあたり養うことが、ベストとは言えないかもしれませんが、ベターな結果を手にするひとつの方法論と言えるのかもしれません。今後も、海外の就職事業関連の情報をアップしていきたいと思います。就活・転活の一助となれば幸いです。