社会人経験のある身体障害や精神疾患、知能に問題のない発達障害の人がオープンで会社勤めしようとすると結構デメリットが多すぎる…ということに実体験を通じて気づきました。
そこで、支援者の後押しもあり「じゃあ、個人事業主になるか」と思い立ち、創業支援施設に通ったり起業ゼミに参加して事業計画書の金銭絡み以外の項目はほぼ埋めることができたのです…4月からまた動きます、物件探しとか。
冒頭に書いた人たちは社会人経験があるがゆえにオープン就労ではそのスキルやポテンシャルを発揮することが難しく、かといってクローズ就労だと心身が持たないし、外見でわかる身体障害だとそもそも隠しようがない。
障害者雇用に特化した転職エージェントなどもあることはあるけど、現状として会社が欲しがるのは使い勝手の良い知的障害者なのは変わらず。
それに加えて行政機関やそれに近い組織も「障害者雇用の成功例」として知的障害者のケースばかりを取り上げる事が多いというのも現状とミスマッチを起こしていると言えます。
最近はニューロ・ダイバシティーと称して、本人の能力やスキルに合わせた業務を任せる会社も出てきてはいますが…それでもまだ、業務内容の細切りで切り出された「単調な単純作業やルーティンワークしかさせない(当然、待遇もそれなり)」というところの方が多いです。
また、特例子会社や障害者雇用に積極的な会社というものは大抵、特別支援学校と強く結託し利害関係が一致している上に知的障害者を雇うことで得られる助成や補助などが手厚く、トイレなどの設備を改修したり拡大鏡など業務を遂行する上で必要だったり、筆談ボードなどのコミュニケーション補助ツールやシステムの導入をしなくてもいいので余計な経費をかけずに済みます。
せいぜい、マニュアルなどを作る時にOfficeソフトといらすとや使うくらいですかね?
最近はクリエイティブ系のB型作業所が結構増えてきていますが、まずはああいうところからフリーランスとして独立していけるように支援していくという体制を整えるといいのかな?と思います。
現に、ジャンル問わずクリエイティブ系の仕事をしている人はフリーランスや個人で活動してる人は沢山います(Vtuberは事務所所属のケースが多いですが)、ということはそういう働き方と相性がいい仕事ってことですよね。
そもそも障害者枠ではこのような専門的な仕事の求人が出ることはかなり稀です…大体が一般事務か清掃とか単調なルーティンワークばっかりです。
事業者側は就職させるだけでなく、フリーランスも視野に入れ、独立後の支援として税金の申告やクライアントとのやり取り等をサポートする…という内容でもいいような気がします。
ネット上でこのような作業所が「税金の無駄遣い」と叩かれるのは通所卒業後の進路が全く見えていないからだと思うのでそのへんちゃんとハッキリさせた方がもう少しイメージ変わるんじゃないかな?と思います。
クリエイティブ系の作業所以外にも就業支援機関とか、就労移行支援でもそこそこ能力が高いとか、やる気がある人に対して就職だけでなく起業やフリーランスも視野に入れた働き方の支援をやってみるのもいいのでは?
実はこういう話を支援機関の人と話した事があるけど…そのときは「自分達も雇われの身だから知識やノウハウがない」と言っていたので、それならば各自治体の商工会議所や創業支援期間(東京都だったら東京創業ステーションとか)あたりと提携して支援活動を行っていけばいいのでは?と思います。
特に東京都は起業家を増やしたいと考えているそうなので(起業家が増えると雇用が増えるという理論)、能力高い系の障害者に訓練と称して簡単なパソコン操作や箱折りみたいな軽作業をさせて、レベルも待遇も低い会社に押し込むのは非常にもったいないと思うし、本人もやる気やモチベーションをへし折られ最悪離職に繋がりかねません(実は私が通っていたところにも就職ではなく資格取得に路線変更して、資格スクールに移籍した人がいました、そこそこ学歴もある人だったので障害者雇用だと自分の能力を活かせないと思ったのでしょう)。
障害者向けの起業支援を行っている団体も一部存在するそうですが、まだまだそういうのは少ないです…既存の支援制度や求人の内容が合わないと感じてる当事者もいるでしょう(私も含めて)。
そういう人たちにニーズに応えることも可能になると思うんだけどな。
そして、そういう人たちが将来的に「従業員を雇いたい」と思った時に自身の経験を活かしてソーシャルファームとして同じような人の雇用につながって行くような気がする…。