カウンセリングサービスの池尾千里と申します。
名古屋地区でカウンセラーをしております。
こどもが生まれ、
年中無休で奮闘する
子育て中のみなさんへ
日常に使える心理学を盛り込みつつ、
『子育て応援ブログ~ほのぼの~』
書かせていただいております。
よろしくお願いします。
「子育て世代」に起こりやすい夫婦のすれ違い
子育て中の女性は、こどもにエネルギーが向きます。
それは、意識してやっているというより、本能的にそうなってしまうものですよね。
子育てママモードになっている時、知らず知らず、もしくは、ちょっと気になりながらも、夫が放置プレイになっているご夫婦は、意外と多いのです。
夫だけでなく、家のこともままならなくなることもあります。
お掃除がちゃんとできない。
ご飯がちゃんと作れない。
買い物に行けない。
洗濯物がたためない。
朝から、小さな子どもにかかりきりで、何にもできない1日を過ごすなんてこともあります。
一生懸命やろうとしていても、思うようにはかどりません。
散らかったままの部屋で、疲れ果てて、遅くに帰ってくる夫の顔を見ないまま、子どもの添い寝で寝てしまうなんてこともあるでしょう。
夫に申し訳ないな~とは思いつつ、なかなかその生活リズムから抜けられず、数ヶ月、数年が過ぎてしまう子育て時代。
夫も、こどもが生まれ、家族が増えると仕事のモチベーションが上がり、家族のためにがんばるぞ!とつい残業が増えたり、働き盛りで、責任のある仕事を任されたりと、忙しい世代でもあります。
すると、家の中のことは、妻に任せきりになってしまったりします。
男性は、社会的な位置から、家族を守ろうとしますし、女性は、家庭の中を守ろうとしますから、本能的に、夫婦の担当は、実はうまく分担されていることが多いのです。家族を守り、幸せにするという大きな目的は、ふたりの力で達成されているといえるでしょう。
ところが、この時期に、お互い別々にがんばっていたせいで、すれ違ってしまった部分が小さなしこりになり、やがて、大きな溝になってしまうことも少なくありません。
今日は、そんなふうに大きな問題になってしまう前に、少し心がけることで、それが防げたり、もっと楽に過ごせたりできる「子育て世代」の夫婦のコミュニケーションについて考えてみたいと思います。
夫婦で果たそうとしている「目的」
先ほども申し上げたように、夫婦別々に、ちがうジャンルを担当しがんばっている時、夫は、外で働くことがいくら大変でも、そんなに簡単には放り出したりしませんよね。妻も、なかなか思うようにできない家事や、こどもの世話をしんどいなとは感じても、やめてしまうことはないわけです。
それは、このジャンルは私の責任だと感じているからです。
だから、とてもがんばるわけです。お互い、夫に頼らず、妻に頼らず。
しかし、しんどいものはしんどいですよね。でも、自分がやるべきことをできていないと感じている時の弱音というのは、なかなかうまく吐けません。お互いに、がんばり大会のようになってしまい、弱音を吐かない関係を作ります。
そしてやがては、相手の弱音をも許さない関係を生んでしまうことがあります。
日々、自分の弱音は吐けない、相手の弱気もゆるせないというふうになりますから、とてもギスギスしてくるのがおわかりになるでしょうか。ここには、本来、夫のことを受け入れてあげたいのに、それができない私が悪いという心理も、実は隠れています。夫にとっても同じことが起こります。
私が好きじゃない私をパートナーは好きじゃないはず
自分が悪いと感じている時、自分のことがあまり好きにはなれません。そんな嫌な自分をパートナーが好きでいてくれるはずもないと感じてしまいます。距離はこうして開いていきます。なかなか近づけない関係の中では、会話も少なくなるでしょうし、ましてやスキンシップやセックスからも遠のいてしまいがちです。
夫婦関係がうまくいかない時、とても苦しいのは、物理的な距離が近いからです。
毎日、顔を合わせ、必要な会話も必ずあるはずです。そんな中、気まずくてうまく話せなかったり、腹が立ったり、素直になれなかったりしたら・・なんでこんなことになってしまったのかと思うでしょう。お互いのためにとがんばってきたのに・・
そんなふうに感じた時、どうかその感覚を信頼し、大事にしてみてください。
結婚した頃、通い合っていた心が、今、つながっていない感じがする。
ちくりと痛む寂しさを感じる。
ほんとは助けてほしい。
抱きしめてほしい。
そんな、私の心の中の思いをわかってほしい。
いつも子どものせいにして、夫と距離を取っている私をゆるしてほしい。
実は、こんなふうに心の中は、いろんな感情が湧いては、ぐるぐるとしています。
私がしていることと、私の心の中で起こっていることが、バラバラになっている時、私たちはとても苦しく、本当は望んでいることからも、どんどん離れて行ってしまいます。
今日からできる夫婦のコミュニケーション
夫婦で過ごす時間を作るようにします。
短くてもかまいません。相手の様子がわかる距離で、言葉を交わせる時間を。
込み入った話をする必要もありません。日常会話でいいのです。
今日たずねてきたセールスがしつこかったこと。
子どもがご飯をいっぱい食べたこと。
外を歩いたら感じた季節のこと。
テレビで観たニュースで心が痛んだこと。
今度のお休みに一緒に行ってみたいカフェのこと。
夫に夕食を準備しながら、
夫がビールを飲んでくつろぐそばで、
夫がテレビを観るそばで。
夫も何か話をするかもしれませんし、てきとうに返事をしてるだけかもしれません。
話し合う必要は、全然ありません。
疲れて、話をする気分じゃないときもあるでしょう。
男性は外で嫌なことがあった時、寡黙になる傾向があるようです。
今日1日どんな私だったか伝える
何があったか聞き出すより大切なのは、夫のそんな様子をわかっておいてあげることです。そして、夫自身が、妻が自分のことを理解してくれているらしいと感じることこそ、重要です。
毎日交わす日常会話で、夫は、妻の様子がわかるでしょう。
ああ、こんなことを感じたんだな。
こういうことがあると嫌なんだな。
こんなことで嬉しいんだな。
今日は、疲れてるのかな。
こんな小さな積み重ねが、子育て時代に生まれやすい、小さなすれ違いを防ぐはずです。
ストレスは小出しにして解消する
日常会話ができる夫婦は、込み入った話もできます。
たまにゆっくり過ごせる日には、じっくりいろんな話ができるでしょう。ベースがあるからです。
弱音を吐けない、相手の弱音もゆるさないといった部分も、ゆるみやすくなります。なぜなら、小出しにできるからです。
「今日は、大変だったのよ~」と、今日の「大変さ」を、今日のうちに聞いてもらえたら、私たちは、ひとつ背負わなくていいストレスを降ろすことができます。それも、小さなうちに。聞いてくれた相手の負担もたいしたことではないでしょう。
溜め込んだ大きなストレスを、ドカッと降ろそうとすると、相手も大変だし、何よりそんな負担を負わせることに、こちらが躊躇してしまうことになります。
10年、20年先も、笑顔で過ごすために
どんなに忙しくても、たとえ毎日でなくても、ほんとに短い時間でも、夫婦でコミュニケーションを取ることを心がけてください。
心が通う先に、スキンシップがあり、セックスもあります。
結婚した頃よりも、ふたりが離れているように感じていても、それは、あなたと同じ目的を果たそうと、パートナーも一生懸命だからに他なりません。
「幸せな家庭を作る」という目的を共有していることを、いつも思い出してください。
今日の小さななんでもない日常会話が、ふたりの未来の絆になっていきます。
10年先も、20年先も、笑顔で過ごせるふたりであるように、子育て世代のご夫婦へお贈りします。
池尾千里
次週10/21(金)は、三枝みきがお送りします。
どうぞ、お楽しみに。
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