・出典:ケミカルデイズ
http://www16.plala.or.jp/chemicaldays/index.html
Q&A
・Q5 界面活性剤とはどういうものですか?
A :
もともとはじき合う性質の水と油を混ぜ合わせる性質を持つのが界面活性剤です。
界面活性剤のうち、脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウムは「せっけん」、それ以外は「合成界面活性剤」、合成界面活性剤を含んでいる洗剤のことを「合成洗剤」と呼んでいます。
合成界面活性剤は、洗剤のほかに、歯みがき、シャンプ一、リンス、柔軟仕上げ剤、殺菌消毒剤、農薬、展着剤、化粧品、パルプの洗浄剤、金属工業での洗浄剤、食品の乳化剤としてマーガリン、マヨネーズ、ケーキ、アイスクリームなど、実に広範に使われています。
合成界面活性剤はさまざまな毒性が指摘されています。
人体に対しては、口や皮膚を通して、体内に入り肝臓や腎臓の機能を低下させることが動物実験の結果わかっています。
それから、いわゆる「主婦湿疹」と呼ばれるひどい手荒れの原因も、合成洗剤である場合が多いと考えられます。
合成洗剤をやめてせっけんに切り換えたところ、手や身体の湿疹が治ったという例は数多くあります。
また、合成洗剤は髪の毛の表面にあるキューティクルをボロボロにし、抜け毛、切れ毛、頭皮のかゆみ・湿疹をおこします。
抜け毛のひどい人には特に、せっけんシャンプーか固形せっけんでのシャンブーをお薦めします。
もっとも心配なのは次世代への影響です。
受精卵の段階、胎児の段階で、合成界面活性剤が悪い影響を与えることが動物実験の結果から指摘されています。
精子についても受精能力を低下させる、精巣への影響が指摘されています。
合成界面活性剤の一種であるアルキルフェノールは、環境ホルモンとしてもあげられています。
先にあげた影響は細胞への直接的な影響で、比較的高濃度で影響が現れると考えられますが、環境ホルモンの場合は、ずっと微量で作用します。
精子が減っていると指摘されていますが、合成界面活性剤の影響も大きいのではないかと考えられます。
合成界面活性剤の環境への影響は、環境ホルモンだけではありません。
使用後の合成界面活性剤は、下水を通って下水処理場、河川、湖沼、海へと流れ込みます。
下水にはミジンコやイトミミズや微生物がいて、有機物を分解してくれますが、合成界面活性剤はこういう生物を殺してしまいます。
下水処理場の活性汚泥の働きも低下させます。
合成界面活性剤は、川や海の水生生物を殺し、生態系を壊しているのです。
もう一つの界面活性剤、「せっけん」の害はどうでしょうか。
せっけんは5千年も前から使われていて、安全性が証明されています。
BOD(生物化学的酸素消費量)値が合成界面活性剤より高いことをもってきて、環境を汚すように合成洗剤メーカーなどは主張しています。
しかし、せっけんは生(物)分解性がよいのでBOD(注)が高く、一方、合成界面活性剤は生(物)分解性が悪いのでBOD値が低いのは当然なのです。
せっけんも使い過ぎないようにするのはもちろんですが、環境に与える負荷はせっけんの方が断然少ないと言えます。
また、ほとんどの洗濯用合成洗剤には、蛍光増白剤が添加されています。
「真っ白な洗い上がり」などと宣伝されていますが、実は蛍光増白剤によって白く染められているのです。
蛍光増白剤については、発がん性の疑いが持たれていますし、皮膚への刺激があります。通産省は1973年に「乳幼児用品にはできる限り加工を避けること」という通知を出しています。
注 BOD:水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量のことで、河川の有機汚濁を測る代表的な指標。