香害の悩み 少しずつ広がる社会の理解 | 化学物質過敏症 runのブログ

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香害の悩み 少しずつ広がる社会の理解

11月14日(水)21時45分 財経新聞

香りは、アロマテラピーで人の心を癒やし、衣類をさわやかに仕上げるなど、さまざまな場面で好まれるようになり、世の中には人工的な香りがあふれている。

その一方で香りに悩まされる人がいる。香りに含まれる化学物質が、めまいや吐き気、思考力の低下を引き起こすのだ。

少しずつではあるが近年、公害ならぬ香害(こうがい)に悩む人たちに光が当てられるようになり、国や企業が香害解消に真剣に取り組むことが求められている。

■巷にあふれかえるアロマ製品
 ドラッグストアで柔軟剤や洗剤のコーナーを見ると、成分の中に「香料」の語が入っている商品が多い。

商品名の横に「アロマ」や「ラベンダー」など香りを強調する文字が踊っている物も目立つ。香料が入っていない商品を探すのに苦労するくらいだ。

 実は、筆者の妻は化学物質過敏症で、香りに対してもアレルギー症状が出る。

今年の夏前に引っ越したマンションでは、トイレ内で芳香剤の臭いがして頭が重くなるというのでその対応に苦労させられた。

まずはその体験から紹介することにしよう。

■トイレに香り成分のない消臭剤を置く
 ハウスクリーニングは業者に注意するよう伝えており、香料のない洗剤でやったはずだから前の所有者が使っていた芳香剤の香りが壁クロスや天井に染みついたのではないか、というのが、不動産会社やリサイクル業者の見解だった。

そこで洗剤をつけないで床、壁、天井を拭いてみたものの、改善は見られなかった。

「空気の入れ換えを頻繁に」と言われても、トイレには窓がなかった。

 対策としてまず、消臭剤を置くことを考えた。

もちろん香料が入っていてはいけないので以前から使っていた「無香空間」(小林製薬)を置いた。

製品説明によると、成分は「アミノ酸系消臭剤、吸水性樹脂」で、「香りを一切使用していない無香タイプの消臭剤」とある。

しかし、あまり効果は感じられなかった。

 引っ越してすぐであるが、テレビで「100%植物由来の消臭剤」が紹介されていた。

ハル・インダストリの消臭剤である。

成分は、マツ、ヒノキ、スギなど、針葉樹系の樹木10数種類から抽出したエキスを精製・配合したもの。

ニオイ成分を元から中和・分解するというので、さっそく電話で事情を話して相談したが、抜本的な解決に至るには難しそうだった。

しかし、悪くはなさそうなので、今でもトイレに置いてある。

はっきりしないが、多少の効果はあるだろう。

■壁材エコカラットを検討
 マンションの部屋の一部にはエコカラット(リクシル)という壁材が使われていた。聞くと空気中の有害物質を吸収し、消臭力があるという。

そこで、トイレの壁をエコカラットにすることを思いつき、さっそくリクシルに電話した。

 エコカラットは「湿度の調整」「生活臭の脱臭」「有害物質の吸着・低減」の機能を持つと謳っている。

アンモニア・トリメチルアミン・硫化水素・メチルメルカプタンという“4大悪臭”を吸着し、脱臭すること、トルエンやホルムアルデヒドなどシックハウス症候群の原因となる有害物質を吸着・低減させることができるということはわかった。

 電話でのやりとりでは、トイレの臭いの原因がわからないので妻が感じなくなる程度になるかどうかは確約できないということだった。

設置工事の見積もりが高かったこともあり、結局エコカラットは諦めた。

■専門の清掃業者への相談
 次に考えたのは、専門業者による清掃だった。

 ダスキンに電話して徹底的な清掃が可能かどうかを確かめた。

清掃レベルにはいくつかあり、もっとも脱臭効果が期待できる丁寧な清掃もあるという。

行き詰まった状況のなかで他に考えつかなかったので予約をしたら、猛暑のためエアコン清掃の予約がびっしり入っていて工事日は1カ月後となった。

しかも、エコカラット同様、清掃後に問題が解決するかどうかは確約できないということだった。

 しばらく考えた後、どうせ清掃なら自分たちでやってみてから考えようとダスキンはキャンセルした。

そして、香料が入っていない「除菌できるアルコールタオル」で床、壁、天井を丁寧に拭いた。

ほこりだらけの排気口もきれいに掃除した。

少しはましになったと妻が言うので、解決策を探しつつ、トイレをきれいに保つことで今は我慢している。

■市民団体や企業の取り組み
 香害は徐々にではあるが、社会に認知されるようになってきたようである。