また、本発明の(A)成分としては、上記エステル化反応生成物を更に4級化した4級化反応生成物を使用することもでき、4級化反応は、通常知られている窒素原子にアルキル基を結合させる過アルキル化法により行うことができる。
4級化剤としては、例えばジアルキル硫酸、ジアルキル炭酸、アルキルハライド等を用いることができる。
より具体的には、例えばジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジメチル炭酸、塩化ベンジル、沃化メチル、塩化メチル、塩化エチル、臭化ブチル等が挙げられ、これらの中でも、ジメチル硫酸、塩化メチルがより好適である。
また、エピクロロヒドリンなども使用することができる。
本発明において、上記4級化反応における上記エステル化反応生成物と上記4級化剤とのモル比、反応条件などは、特に制限されるものではなく、4級化剤の種類などによって適宜選定することができ、例えばジメチル硫酸で4級化する場合には、上記エステル化反応生成物のモル数に対して0.9〜0.99倍モル使用することが好ましく、その際の反応温度は80℃〜110℃が好適である。
また、塩化メチルで4級化する場合には、上記エステル化反応生成物のモル数に対して1.0〜1.2倍モル使用することが好ましく、その際の反応温度は80℃〜110℃が好適である。
なお、本発明におけるエステル化反応、4級化反応としては、特開2001−181244号、同2001−181678号、特開平6−228063号、特開2001−181672号、特開2001−181973号公報の発明の詳細な説明に記載された方法も利用することができる。
上記(A)成分として上記エステル化反応生成物の中和物を使用する場合には、若干の非中和物が含まれる。
中和の程度により、非中和物の含量は異なる。衣類への吸着性の観点からは、中和の程度は高いほうが好ましく、中和物として50%以上であることが好ましい。
上記(A)成分として上記4級化反応生成物を使用する場合には、4級化剤の量、反応温度、反応時間、反応溶媒の有無、種類などにより4級化物量が変化する。
上記エステル化反応生成物を完全に4級化物することはほぼ不可能であり、エステル化反応生成物や4級化反応の反応工程において生じる中和物等が含まれる。
4級化に際しては、原料アルカノールアミンがトリエタノールアミンの場合、エステル化反応生成物の4級化剤としては、ジメチル硫酸が好ましく、その4級化率を60%以上にすることができる。また、原料アルカノールアミンが、N−メチルジエタノールアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N,−ジメチル−2,3−ジヒドロキシプロピルアミンである場合には、トリエタノールアミンの場合より4級化は容易である。
そのエステル化反応生成物の4級化剤として塩化メチルを用いた場合には、その4級化率は80%以上にできる。
また、上記(A)には、アルカノールアミン、アルカノールアミンのメチル硫酸塩、塩酸塩などの中和物、アルカノールアミンの4級化物など、製造における原料由来の化合物がわずかに含まれる。
このような(A)成分の原料由来の化合物は、通常、上記(A)成分生成時に0〜20%含まれる。本発明において、上記アルカノールアミン、その中和物、その4級化物の少なくとも1つを組成物中に0.1%以上含有することにより、柔軟処理の際に、水道水中の塩素に起因する衣類の退色を防止する効果が発現する。
更に、上記(A)成分の長鎖基を有する反応生成物も上記退色防止効果を発現する。
従って、上記化合物が上記(A)成分生成時に0.1%以上含まれるように製造すること、それらを含有する組成物、それらの効果を訴求した組成物も本発明に含まれる。
また、上記(A)成分のカチオン性化合物(上記エステル化反応生成物、その中和物、その4級化物の総称)の長鎖基(炭素数10〜24、但し、ポリオキシアルキレン鎖部分を除く)の数は、原料物質であるアルカノールアミンと上記脂肪酸又は脂肪酸メチルエステルとのモル比によって決まる。
高い柔軟付与性能を得るためには、1分子中に含まれる長鎖基の数が2個又は3個以上のものの割合を多くすることが好ましく、カチオン性化合物に占めるそれらの割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは65質量%以上である。
但し、防腐力・殺菌力・抗菌力の観点からは1分子中に含まれる長鎖基の数が1個のものの割合を多くすることが好ましい。カチオン性化合物の長鎖基の数を制御することにより、上記効果を強化した組成物、訴求した組成物を製造することができる。
通常、カチオン性化合物の長鎖基の数は、1〜2個の混合物又は1〜3個の混合物として用いる。
また、近年、環境問題からクローズアップされている生分解性に関しては、本発明の上記(A)成分は、従来から使用されている柔軟基材である後述のジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、硬化牛脂ジメチルアンモニウムクロライド、部分硬化パームオレイルジメチルアンモニウムクロライドなどのジ長鎖ジメチルアンモニウム化合物、モノ長鎖トリメチルアンモニウム化合物などに比べて優れている。
本発明の液体柔軟剤組成物における上記(A)成分の配合量は、香料を比較的多量に配合し安定に分散配合させた組成物を得る観点から、本発明の液体柔軟剤組成物中に1〜40質量%配合するのが好適であり、より好ましくは3〜25質量%、更に好ましくは8〜20質量%である。
なお、異なる原料から製造した反応生成物を併用しても効果に悪影響は与えず、反応生成物の2種以上を混合したものを用いることもできる。
本発明において使用できる(B)成分は、B−1(アルデヒド類からなる香料成分)、B−2(酢酸及びギ酸エステル類からなる香料成分)及びB−3(炭素数6以下のアルコールとのエステル類であって、B−2以外の香料成分)のそれぞれから選ばれる各々1種以上香料成分からなる複数の香料成分である。
(B)成分を構成する全ての香料成分の合計量が液体柔軟剤組成物の全質量に対して0.2質量%(2000ppm)以上、好ましくは0.25質量%(2500ppm)以上、より好ましくは0.3質量%(3000ppm)含有する香料組成物であることが好ましい。
この範囲内にあると、(A)成分であるカチオン性化合物との相溶性が高く、組成物中での香料の分散性を高め、組成物の安定化を図ることができる。香料成分は複数種含まれるのが好ましい。
又、この範囲内にあると、組成物全体に対する香りのバランスや強度に優れ、香料そのもののフレッシュ感の変質が少ない製品を得ることができる。
runより;香り万歳思想で害なんか何も考えてないですね(-""-;)