5:WHO:内分泌攪乱化学物質の科学の現状 | 化学物質過敏症 runのブログ

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4. 内分泌攪乱物質とヒトの健康
ヒトの EDC への曝露と健康との関係を示すデータは、2002 年当時に比べて現在では遥かに強固なものとなっている。

ヒトに関する研究では関連が見出されるのみで因果関係を知ることはできないから、EDC 曝露とヒトの健康との関係の証拠を得るためには、ヒトに関する研究と動物実験のデータとを共に考慮する必要がある。

その場合でも、生涯にわたる曝露も病因も複雑であるため(図 5)、特定の曝露と特定の疾患あるいは機能不全との因果関係を確実に知ることはほとんど不可能であろう。
(1) ●生殖系、内分泌系
-乳癌、前立腺癌
-子宮内膜症
-不妊
-糖尿病、代謝症候群
-思春期早発症
-肥満
(2) ●免疫系、自己免疫系
-感染に対する脆弱性
-自己免疫疾患
●心肺
-喘息
-心臓病、高血圧
-脳卒中
(4) ●脳、神経系
-アルツハイマー病
-パーキンソン病
-ADHD、学習障害
過去 10 年の間に研究の重点は、成人の EDC への曝露と疾患の研究から発達期の曝露と後の生活段階における疾患との関連の研究へと劇的に変化した。
後者は下記のデータ(図 6)から見て、大部分の内分泌関連疾患および障害に対して現在最も適切なアプローチと考えられている。
動物モデルのデータとヒトに関する証拠は共に、胎児発達期および思春期における EDC への曝露が、生殖器疾患、内分泌系に関連する癌、ADHD などの行動および学習障害、感染症、また恐らくは肥満や糖尿病の増加において一定の役割を演じていることを示している。