2:WHO:内分泌攪乱化学物質の科学の現状 | 化学物質過敏症 runのブログ

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2. 懸念される主要な問題点
●ヒトおよび野生動物の健康は正常な生殖・発達能力に依存する。これは健康な内分泌系なくしては不可能である。

●内分泌攪乱物質に関する懸念は 3 種の証拠に基づいている。
○ヒトにおける内分泌系関連の障害の発生率が高く、かつ増加傾向にある。
○野生動物の個体数に対する内分泌関連の影響が認められる。
○疾病につながる内分泌攪乱性を持つ化学物質が実験室的に同定されている。
●多くの内分泌関連疾病および障害が増加傾向にある。
○国によっては、精液品質が低下し生殖能力の減退した若い男性の比率が高い(最大 40%)。
○新生児の男性器形成不全(停留精巣、尿道下裂など)の発生率が増加しつつあり、あるいは高止まりしている。
○妊娠の有害転帰(早産、低出生体重など)が多くの国で増加している。
○国によっては甲状腺障害に関連する神経行動学的異常を示す小児が多く、過去数淳年にわたって増加している。
○内分泌系に関連する癌(乳癌、子宮内膜癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、甲状腺癌)の発生率が過去 40~50 年間に世界的に増加している。
○女児の胸部発達の開始年齢が早くなる傾向が、調査対象となった国すべてで認められる。これは乳癌の危険因子である。
○肥満および 2 型糖尿病の発生率が過去 40 年間に世界的に著しく増加している。WHO の推定によれば、世界で 15 億人の成人が過体重ないし肥満であり、2 型糖尿病患者は 1980 年の 1 億 5300 万人から2008 年には 3 億 4700 万人に増加している。
●ホルモン受容体あるいはホルモンの合成や転換に干渉することが知られている、あるいはその可能性がある化学物質は 800 種近くあるが、健全な生物体の内分泌系への明らかな影響の有無を判定できるような試験が行われているのは、そのごく一部にすぎない。
○現在商業的に使用されている化学物質の大部分は全く試験されていない。
○このようにデータが不足しているため、内分泌系を攪乱する可能性のある化学物質のリスクの程度は甚だ不確実である。
●全世界のヒトと野生動物が EDC に曝露されている。
○既知の EDC も EDC が疑われる物質も、多くが自然現象および貿易によって全地球的に輸送されているため、曝露が世界的なものとなっている。○10 年前と異なり、今日ではヒトも野生動物も、残留性有機汚染物質(POP)に限らず更に多様なEDC に曝露されていることが知られている。
○比較的新しいいくつかの POP のレベルはヒトにおいても野生動物においてもなお増加しており、また残留性や整体蓄積性が比較的低くても遍在している物質への曝露がある。
○EDC あるいはその疑いのある物質へのヒトの曝露原因として、食品および飲料水以外のものが見出されている。
○小児は成人に比べて手と口の接触が多く、代謝速度が大きいなどの理由で、化学物質への曝露量が多いと考えられる。