WHO:内化学物質の科学の現状分泌攪乱 | 化学物質過敏症 runのブログ

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http://www.nihs.go.jp/edc/files/EDCs_Summary_for_DMs_Jpn.pdf
WHO:内分泌攪乱化学物質の科学の現状
2012年版
意思決定者向け要約

この文書は IOMC の枠内で作成されたものであり、内容は必ずしも IOMC 加盟各組織の見解あるいは方針を反映するものではない。
IOMC(化学物質の適切な管理のための組織間共同プログラム)は 1992 年に国連の「環境と開発」会議においてなされた勧告に基づき、化学品安全性の分野における協力および国際的調整の促進のため、1995 年に設立された。

参加組織は FAO, ILO, UNDP, UNEP, UNIDO, UNITAR, WHO, 世界銀行、OECD である。IOMCの目的は参加各組織の独自または共同の方針および活動の調整を促進し、ヒトの健康および環境の観点から化学物質の適正な管理を達成することにある。
1 序論
この資料は内分泌攪乱化学物質(EDC)に関する情報および懸念される主な問題点を、報告書「内分泌攪乱物質の科学の現状、2012 年」から抽出し、意思決定者向けに要約したものである。

この報告書は、国連環境プログラム(UNEP)と世界保健機関(WHO)との協力により現在進行中の、人為的化学物質の有害作用の懸念に対する取り組みの一部である。
我々は人為的化学物質が日常生活の一部となった世界に生きている。

一部の汚染化学物質は内分泌(ホルモン)系に影響を及ぼし、ヒトおよび野生動物の重要な発達過程に干渉する可能性がある。

EDC の問題に関する、化学物質安全性に関する政府 間 フ ォー ラ ム (Intergovernmental Forum onChemical Safety)および Environment Leaders ofthe Eight による 1997 年の勧告に続いて、WHO、UNEP、国際労働機関(ILO)の共同プログラムである化学物質安全性国際プログラム(InternationalProgramme on Chemical Safety, IPCS)により2002 年に「内分泌攪乱物質の科学の現状に対する地球規模の評価(Global Assessment of the State‐of‐the‐Science of Endocrine Disruptors)」と題する報告書 (IPCS, 2002)を作成した(図 1)。


同報告書の全体的な結論によれば、ある種の環境化学物質が正常なホルモン過程に干渉する可能性があることは明らかであるが、ヒトの健康が内分泌活性物質への曝露により悪影響を受けることの証拠は弱い。

しかしながら、野生動物種には内分泌系の関連する悪影響が見られるものがあることについては十分な証拠がある。この結論は実験室的研究によっても支持されている。
IPCS (2002)は更に、国際規模の広範な共同研究計画が必要であると結論し、研究課題のリストを示している。
2002 年以降の集中的な研究により、ヒトおよび野生動物の健康に対する EDC の影響についての理解が進んだ。
Endocrine Society (Diamanti-Kandarakis et al.,2009)、European Commission (Kortenkamp et al.,2011)、European Environment Agency (2012)など最近発表された総説や報告書が問題の科学的側面と複雑性を示している。

これらの資料の結論によれば、EDC への曝露の生殖への影響(不妊、癌、奇形)についての新たな証拠があり、また甲状腺や脳の機能、肥満、代謝、インスリンおよび蔗糖のホメオスタシスなどへの影響に関する証拠も増加している。
Endocrine Society は害悪を防止するために早期の対策を求め (Diamanti-Kandarakis et al., 2009)、European Society for Paediatric Endocrinology とPediatric Endocrine Society は米国の報告 (USA)に基づいて、内分泌攪乱物質とその影響に関する行動を求める共同声明を発表した(Skakkebaek etal., 2011)。
2012 年には UNEP と WHO が各国専門家の協力を得て一歩を進め、内分泌攪乱物質について、ヒトおよび野生動物に対するその影響に関する学術情報、IPCS (2002)報告書刊行以後の 10 年間の研究の進歩、および懸念される主要な問題をまとめた、意思決定者および将来のヒトおよび野生動物の健康に関心を持つ読者に向けた報告書を作成した。

そこに挙げられた主要な問題点および3つの章それぞれの主要メッセージはこの要約でも紹介する。
報告書完全版は、内分泌活性を持つ化学物質が特定の状況の作用因であるとの仮説を支持する証拠の強さを評価している。
報告書 The State of the Science of EndocrineDisrupting Chemicals.2012 は最初に内分泌攪乱物質とは何かを全般的に説明し、ついでヒトおよび野生動物における内分泌攪乱効果についての現在の知識を展望し、最後に EDC の発生源および EDCへの曝露について概観する。

参考文献その他の詳細情報は報告書完全版(UNEP/WHO, 2012)の記載に譲る。

 

runより:かなり長い記事です(´・ω・`)

図表は分かりにくい物はカットしています。