2:革命的アレルギー性気管支喘息の根本治療法 | 化学物質過敏症 runのブログ

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ピルケの活躍していた1900年代の初めは、このようなクラススイッチはおろか、抗体という概念さえも無かったのです。

従ってこの意味で、ピルケはこのアレルギーのクラススイッチの事実を予言していたとも考えられます。

しかしこのようなIgE抗体までを作るクラススイッチを、果たして否定的に捉えて良いのでしょうか?人体は合目的に進化を遂げてきたのであります。

必要でなければ進化の過程で不必要な機能は廃棄されたり退化し、必要な機能はさらに改善されてきたのです。

ところが誰もがIgG抗体の一万分の一くらいのIgE抗体は常に保有しています。

免疫の発生の胎生期に人体は自己の成分に対して免疫反応を起こさないように、自分の成分に対しては免疫寛容(麻痺)というプロセスを経て先天的に非自己だけ反応するよう決められているのであります。

これを先見的免疫寛容(麻痺)と名付けて良いでしょう。

1個の受精卵が10ヵ月後に3兆個の体細胞にまで増大成長するなかで、DNAによって作られた遺伝子は全ての細胞に同じ受精卵から生まれた細胞であることを示すために全て同じMHCⅠというタンパクを細胞に持たせたのです。

従って自分の成分に対して自分の免疫が攻撃しないようになっているのです。

これを私は先見的免疫寛容と名づけたのです。

 しかしながら人体に侵入しても増殖はしないが人体にとって有害である物質、つまりいわゆる毒が侵入したときに生理学的に排除できないときや、また生理学的には排除できる有害物質が大量に侵入したために排除できなくなったときに、人体はどうするでしょうか?その目的の為に密かにIgE抗体を作る能力を温存しておいたのだと私は考えます。

つまり、そのような毒がある濃度を超えると、人の生命を奪う可能性があるときに(人間が作った化学物質は、ほとんど全てがあるレベルを超えて人体に侵入すると必ず人を殺してしまうでしょう。)それを排除するために最後に免疫を発動させ、このときに使う武器としてIgE抗体を作るわけです。

これこそ免疫の中に密かに隠されていた最後の正しい手段ではないのでしょうか?そうでなければわざわざ最後にクラススイッチしてIgE抗体を作る余地を残さなかったはずであります。

それなのに何故学者はこのような考え方ができないのでしょうか?答えは簡単です。

人体から排除すべき化学物質というのは科学文明によって生み出され、必ず人間の幸せを増やすと盲目的に考えられているものですから悪いことをするはずが無いと思い込まれています。

現代の人間は、ましてや文明の最先端にいる科学者は、本能的に自分たちが支えている文明が悪をなしているとは決して思いつかず、無意識の内に否定してしまっているからであります。

 
 このような間違った考え方は抗体の世界だけではありません。

免疫には抗体による免疫の働き以外に細胞性免疫というのがあります。

例えば、結核菌に対する免疫の働きは過剰反応のひとつで、遅延型過敏反応を起こすので、人間の免疫が悪事を成しているのだと考え、間違った免疫の働きだと考えられています。

これも大間違いです。

今でこそ抗生物質ができたので結核もずいぶんと減りましたが、免疫が結核菌に敗北したのは何も免疫の働きが間違いではなくて、ただ結核菌が人間の免疫よりもさらに進化し、ずる賢くなっていただけです。

結局このような間違った考え方の出発点は、生命の中で人間が最高位に属しているという傲慢さから生まれたのです。

免疫は結核菌をやっつけようと全力を尽くしているのにもかかわらず、相手が強すぎただけなのです。

このような考え方は人間がいかに自己中心的でうぬぼれの強い存在であることを示しているのです。

38億年かかって作り上げられた免疫の遺伝子の発動である免疫の働きは絶対なのです。

ただ進化しすぎた人間の脳は同時に自分の快楽を最大限に求めようとする利己心も拡張しすぎてしまったのです。

 
 例えば、天然に見られるクラゲやイソギンチャクに刺されて、その毒を排除しようとしてアレルギーを起こすのは当たり前のことです。

なんとならば、この地球上には人間以外に約8千万種の生命がいます。

その全てが人間に好意的であるはずがありません。

人間は単なる種の一つにすぎないのです。

このような天然の種が作り出している天然の異物が、人間にとって有害である異物というのは無限に存在し、それを摂取した後に異物として認識し排除するのは当たり前なのです。

宇宙が誕生して150億年、地球が誕生して45億年、生命が誕生して38億年、人類が誕生して250万年といわれます。

この生命誕生以来の言わば無限の時間の中でそれぞれの種は敵と味方を分類し、お互いに領域を荒らさずに共存してきたのであります。