例えば、アレルゲンはタンパクしか成り得ません。
にもかかわらず人間は他の動植物のタンパクを摂取して生存し続けました。
どうして食べ物として食べるこのようなタンパクがアレルゲンにならないのでしょうか?
それは無限の時間の中で自分の生存に必要なタンパクを免疫が異物と認識しないように自然と免疫的に共存できるようになったと考えます。
私はこれを進化的免疫寛容と名付けたいのであります。
ところが生存のためには不必要な自然に見られるタンパクは、進化的免疫寛容は成立しなかったわけであります。
従って古来から天然の異物に対してアレルギーを起こすことは何も不思議なことではないのです。
アレルギーを起こさないためには、そのような異物を避ければ良かっただけの話だったのです。ところがアレルギーを起こしたときは、わざわざそのような異物と接触した人間の無知が問題だったのです。
触れればかぶれたりするならば触れなければ良いわけであり、食べたり飲んだりしてアレルギーを起こすならば口に入れなければ良かったわけです。
ところが現在の文明においては、生きるために嫌が応でも科学技術によって生み出された言わば新種の異物と接触し、吸い込み、飲み込み、食べなければ生きられないが故に、アレルギーが文明病的な最も多数の人が患う病気になってしまったわけであります。
21世紀は全ての人がアレルギー患者になっているということを自信を持って予言できます。
私達の身の回りを見てみましょう。
科学技術文明の恩恵を受けない生活必需品があるでしょうか?
衣食住の全てのものが、何らかの形で人工的な物質が加味されております。
江戸時代を思い出してください。
この時代は全てが自然から得たものを形を変えただけのものが生活必需品だったわけであります。
全て自然循環の中で暮らせば良かったのです。
したがってこの時代は100%人工的アレルギーとは無縁の時代でありました。
まさにアレルギーとは人工化学物質文明が生み出した文明病なのであります。
このような時代にアレルギーを避ける方法は二つしかありません。
一つは、文明を否定して人工化学物質の無い自然の状態に生活を戻すことです。
例えば日本を逃げ出してアマゾンやパプアニューギニアの原住民と一緒に生活することです。無理なことです。
二つ目は、アレルゲンを受け入れて化学物質と共存することであります。
アレルギーを起こす人はアレルゲンと戦い、それを排除する戦いに傷つきながらも勝利していることを意味するのです。
アレルゲンを受け入れるということは、武器である免疫のアレルギー抗体であるIgE抗体が自然と作られなくなるまで我慢することです。
昔は放っておけばアレルギーは自然と治ると言ったのはこのことなのです。
問題はIgE抗体が作られなくなるまでアレルギーの戦いが続くということです。
このアレルギーの戦いは避けることはできないわけですから、どのようにアレルギーの不快さに対処するかが治療法になるわけです。
ところが現代の医者たちは、アレルギーの意味や全貌を全く理解せずに、重箱の隅をつつくことばかりをしています。
まず、原因さえ分かろうとしません。
今まで何千年もの間、人間が何の問題もなく食べてきた食べ物をアレルゲンと言ってみたり、人間の生活に貢献してきた全ての草木の花粉が鼻炎を起こすなどというような愚かなことを言い続け、何の疑問も感じていないのであります。
これらの花粉は単なる化学物質の運び屋に過ぎないのです。
除去すべきは食べ物や花粉ではなく、その中に運ばれている農薬や自動車排気ガスに含まれる全ての化学物質なのであります。
さらに残念なことに、学者はその治療の為に正しいアレルギーの免疫をいかに抑制すれば良いのかということばかり研究しております。
例えて言いますと、丁度このようなアレルギーの免疫を抑制する医者は、細菌が体内に入ってきて熱が出るときにIgM抗体やIgG抗体を作る免疫の為に生じる熱であるから、解熱させるためだけにこのような抗体の働きをいかに抑制するかに埋没している学者に似ています。
つまり命の泉である免疫の働きを全否定してしまうような治療法を考えているだけです。
ただこのような愚かな学者が存在しないのは、このような研究をしている内に細菌のために人が死んでしまうからです。
ただアレルギーの場合は、悠長に的外れな研究が続けられるのは、アレルギーによって排除される異物は、少なくとも当面人の命を奪うものではないからです。
ここで考え方をまるっきりかえて、コペルニクス的転回をすればアレルギーに対する治療法も極めて簡単なものになるわけです。
これを世界で初めて考え出し行ったのは私なのであります。
まさに天動説を地動説に変えた革命的なコペルニクスの考え方と同じく、私の考え方は革命的なのであります。
まず第一に、アレルギー反応は正しい。
第二に、人間の頭脳が作り出した有害な化学物質がアレルゲンであること。
第三に、従って絶対にアレルギーの免疫を抑制してはいけないこと。
第四に、免疫反応の結果生じた症状の後始末だけをすれば良いこと。
第五に、IgE抗体が使われる免疫反応の戦いは必ず負けるわけですが、つまり環境と平和的に共存できることになるわけですから勝つことになります。
この五番目の考え方が私の提唱している後天的免疫寛容(麻痺)であります。
もっと的確には後天的免疫敗北と言った方が良いかもしれません。
つまり負けて勝つという高等戦術であります。
私の治療は、何故全ての人に対してアレルギーを完治させる理論に成り得るかというと、どんな戦いも全戦全敗という結果を目指しているからであります。
これほど簡単な勝利はないからです。
つまり、初めから負けることが勝利であるという奇妙な戦いであるからです。
私の理論がこのように逆説的に聞こえるのは、まさにアレルギーが人間の文明が作り出した病気であるからです。
どんな人でも、こんな戦いは自信を持ってできるわけであります。
私がその司令官であるわけです。
無限の汚染環境を敵に回して、有限である人間が勝てるわけがありません。
さらに環境がなければ私達は生き続けることは不可能なのです。
従ってこの戦い(アレルギー)の戦術(治療法)は、相手(汚染環境)を倒そうとするのではなくて、傷ついた味方の兵士(皮膚)をいたわることです。
つまり皮膚が傷つけば免疫を抑制せずに出きる限り早く皮膚の傷を治し、そこに増殖する細菌が増えないようにすること、喘息であれば免疫を抑制せずに呼吸を楽にしてあげること、鼻炎であれば免疫を抑制せずに鼻水・鼻詰まりを取ってあげることであります。
このような仕事は漢方煎剤の本領とするところであります。
以上で私の革命的アレルギー治療法の意味は十分に理解してもらえたことでしょう。
最後になぜ漢方が免疫を強めるかを念のためにもう一度書き添えます。
草根木皮は全て植物です。
植物も害虫と常に戦い勝ち続けるために免疫の力を持った成分をたっぷり作っています。
この苦い成分こそ免疫をアップしてくれるのです。
runより:長いね(´・ω・`)
まだ半分ですが明日にします。