建築現場はイソシアネートだらけ | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
ニュースレター103号
http://kokumin-kaigi.org/?page_id=159

・建築現場はイソシアネートだらけ
一級建築士 芝静代
 住まいは今も昔もそこに住む人にとって、雨、風がしのげ、暑さ、寒さも緩和し、地震や台風に耐えて人を守るシェルターである。
テクノロジーの進歩により、優れたコーキング材や防水材により雨漏りもなく、高気密で隙間風もなく、断熱材や機能性に優れたシート類によって、暑さ寒さも緩和された。

また、部材や接合部の構造も優れた構造計算により強度も確保され、地震や台風にも安心できる建物になってきつつある。火災対策も、幾度もの法改正により、不燃化が進んできている。

しかも、建物の外観、インテリア共すっきりとスタイリッシュで今どきのおしゃれ感覚に優れている。
しかし、住まいの工事現場を見るたびに、わたくしは残念な思いに駆られる。

工事工程をずーっと見ていると、イソシアネートがいたる所に使われていることに気が付く。
1. コンクリート、セメント、モルタル、他の左官材料、ワーカビリティーの向上、接着性能の向上、防水性などの改善、確保のために、ウレタン樹脂つまりイソシアネートを製造時に注入することが行われている。
まずは、コンクリートの基礎工事。

ミキサー車から流れ出るコンクリートはとても柔らかく滑らかで施工しやすい。

もともとコンクリートは砂と砂利とセメントと水の配合でザクザクした感じであった。

今のコンクリートは防水性、ひびわれ防止、表面をスムーズに、その他、施工しやすくするためにイソシアネートを含めてたくさんの化学物質が混ぜられている。
 次に、土台には防腐剤、防蟻剤が含浸されたものが敷かれる。

これも有機リン系の農薬成分、化学物質が使われている。
さらに、柱や梁等の構造材は、2センチ程度の厚さの板を接着した集成材だ。

この強い強度を必要とする接着剤には、エポキシ系接着剤、つまりイソシアネートが含まれている。
なお、延焼の恐れある外壁や軒裏、火気使用室(キッチン等)には、化学物質(ホウ素が主だということだが、ほかに添加材として何かが含まれている)を含浸させた不燃木材が使われている。

2. 木部の接着、合板、集成材の製作にもイソシアネートが使われている。
 床、壁、天井の下地は、石膏ボードか構造用合板(紙のように薄い板、ラワン、カラマツ、米松などを接着したいわゆるベニア建材)である。
また、事務所ビルの床によく使われるOA フロアーと呼ばれる二重床(床の上にネットワーク配線などのための一定の高さの空間をとり、その上の別の床を設け二重化したもの)、マンションでは階下への遮音用二重置床に使われる床システムはパーティクルボード(一定温度と圧力の下で、合成樹脂接着剤を使って、木質の小切片を接着し、板状に成型したもの)に防振ゴム付きの支柱であるが、この防振ゴムはウレタンを含んだ合成ゴムである。

さらに、この防振ゴムはコンクリートスラブに振動を吸収できる発泡ウレタン系接着剤で固定する。
ほとんどの建具と家具の扉の芯材となっているのはパーティクルボードであるが、これは室内の仕上げ材としてシナベニア、カラマツベニア、米松ベニアなどとともに使われることもある。
かつては、パーティクルボードの製造にはフェノール樹脂接着剤が使われていたが、現在はイソシアネート系接着剤が使われている。

理由は製造コストが下がることと、耐水性が高く木材との相性が良いことである。

また、室内や建具の仕上げに使われる複合合板、たとえば、キッチンの壁、カウンターの天板、ドアなどに使われるメラミン化粧合板、ポリ合板がある。これらもそれ自体にイソシアネート系接着剤がよく使われるとともに、イソシアネート系接着剤で各部位に貼りつけられる。