6:ネオニコチノイド:イミダクロプリド | 化学物質過敏症 runのブログ

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・Phua et al(2009)は台湾国立中毒センターに報告された 70 例のネオニコチノイド被ばくを分析した。

大部分の被ばくはイミダクロプリドの自殺目的で飲んだものである。

臨床的には急性ニコチン中毒症状と一部が似ていた。被ばくの大部分は弱いか中程度であったが、8 人は重症で、2 名は死亡した。

重症中毒の原因はで誤嚥性肺炎と呼吸不全であった。
トルコの Karatas et al. (2009) はイミダクロプリド製剤を自殺のために嚥下した急性中毒例を報告している。

67 才男性患者の主な臨床症状は呼吸不全と昏睡であった。

地域の病院に行った時に失見当識や傾眠、流涎が発症していた。

当院入院時、これらの精神状態は軽かった。

挿管し、人工呼吸を施し、対症療法的保存療法を行った。

4 日目に、患者は退院した。

これらの症状はネオニコチノイドであるイミダクロプリド特有なものと考えることができないと、Karatas et al, (2009)は考察している。
その後の研究では、イミダクロプリドが消化器症状や神経症状以外に多臓器不全を起こすことが報告されている。
Yeh et al. (2010)はイミダクロプリドが入ったアルコールを飲んで多臓器不全になった例を報告している。

臨床的に、弱い失見当識が現れ、次いで徐脈と心室性不整脈、心肺停止が生じた。

乏尿性腎障害、急性肺障害、低血圧、代謝性アシドーシスなどの急性多臓器不全が飲んだ数時間内に現れた。血液透析によりアシドーシスを補正し、血圧を維持した。
イミダクロプリドがほ乳類に低毒性であると信じられているが、イミダクロプリドが消化管刺激や神経症状を起こす以外に、心臓や腎臓、その他の器官の障害を起こし、死にさえ至らせることが起こるという証拠が増えていると、Yeh et al. (2010)は述べている。
眼・皮膚への刺激・感作性
ウサギを用いた眼刺激試験及び皮膚刺激試験、モルモットを用いた皮膚感作性試験では、眼及び皮膚に対する刺激性はなく、皮膚感作性は陰性であった(食品安全委員会 2007)。

しかし、食品安全委員会は、殺菌剤フルジオキソニルに関する農薬評価書で見られるように、刺激症状が現れても刺激性はないという奇妙な論法を使うので、この結果は十分注意していかなければならない(参考:渡部、フルジオキソニル、2010)
動物用医薬品の副作用
イミダクロプリドはネコやイヌのノミやダニの駆除や衛生害虫の駆除に広く使われている。

イヌやネコでは副作用が報告されている。

以下にイミダクロプリド剤の副作用を動物医薬品検査所(2010)の情報に従って述べる。

ただし、全ての症状がイミダクロプリドによるものではなく、またはイミダクロプリド製剤中の溶剤などによって生じている可能性が考えられる。

さらには投与と直接的な関連がないことも考えられる。以下で症状の後の( )内の記載内容は治療方法を示す。
ネコ
塗布周囲脱毛(ストロイド投与)、流涎(アトロピン投与)、元気消失、嘔吐(制吐剤)、発赤
イヌ
投与部位の発赤(ステロイド投与)、全身掻痒感、元気消失、転位行動、足と腹部が赤くなる(プレドニン皮下注、ミンクルプレドニン)、呼吸速迫および翌朝のチアノーゼ・中毒症状(硫酸アトロピン、デキサメサゾン、ラクトリンゲル、レスチオニン、強心剤→死亡)
皮膚刺激や感作性はないと思われる
イミダクロプリドをペット害虫駆除に使った場合、脱毛や流涎、嘔吐、呼吸速迫などがネコやイヌで報告されている