6: グリホサート(ラウンドアップ) | 化学物質過敏症 runのブログ

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疫学研究
スウェーデンのハーデルとエリックソンはスウェーデンで 404 人の非ホジキンリンパ腫患者と 741 人の対照について、除草剤や防腐剤・グラスウールなどへの被ばくと病気との関連を調べた。
研究の結果、フェノキシ系除草剤と非ホジキンリンパ腫との関係が認められた以外に、グリホサート被ばくもリスクを高めていることを報告している(Hardell and Eriksson1999)。

また、彼らは疫学研究でグリホサートと有毛細胞白血病の増加が関連することを報告している(Hardell and Eriksson 1999 を見よ)。
De Roos et al. (2005)は大規模な前向き疫学研究である農業保健研究 Agricultural HealthStudy で、グリホサートを散布している労働者の癌発生を調べた。

グリホサート被ばくと大部分の癌や癌全体との関係は認められなかったが、多発性骨髄腫との関係を示唆する結果が得られた。
 

IARC のグリホサートの発がん性評価
2015 年 3 月 20 日、国際がん研究機関(IARC 2015) はグリホサートをヒトにおそらく発がん性があるグループ、2A に分類しました。

これは米環境保護庁の考えと異なる。

なお、米環境保護庁は現在グリホサートを見直し中である。
IARC の発がん性分類はダイオキシンのような化学物質や放射線などの物理的要因、ヘリコバクター・ピロリなどの生物学的要因、労働環境などの発がん性を分類し、モノグラフの形で発表している。

IARC は物質の発がん性を 1、2A、2B、3、4 の 5 グループに分類している。

簡単に説明すると次のようになる。
グループ 1:ヒトに発がん性がある
グループ 2A:ヒトにおそらく発がん性がある
グループ 2B:ヒトに発がん性があるかもしれない
グループ 3:ヒトに対する発がん性を分類できない
グループ 4:ヒトに発がん性がない
3 月 20 日、IARC(2015)は 5 種類の有機リン農薬の発がん性分類結果を示した。

この結果は IARC モノグラフの 112 巻に発表される予定です。

この 5 種の有機リン(除草剤 1種類と殺虫剤 4 種類)は次のように分類されました。

有機リンとして・グループ 2A :グリホサート、マラチオン、ダイアジノン・グループ 2B:テトラクロルビンホス、パラチオンGuyton et al. (2015)が IARC を代表してランセット誌に発表した記事は、次のようにグリホサートを評価している。
グリホサート発がん性の人間の証拠は限られている。

米国やカナダ・スウェーデンでの職業被ばくに関する症例対照研究は、他の農薬を調整しても残る、非ホジキンリンパ腫のリスク増加を報告している。

一方で米国の大規模な農薬使用者を調べた研究では非ホジキンリンパ腫の有意な増加は見られていない。(上記の疫学研究を参照)。
マウスの実験では、グリホサートは雄で腎尿細管がんを起こすトレンドを示し、また第二の実験で、雄マウスは血管肉腫を起こすトレンドを示した。

また 2 研究は雄ラットで膵島細胞アデノーマを増加させたと報告した。
グリホサート製剤がマウスのイニシエーション-プロモーション研究で皮膚腫瘍を促進した。
グリホサートは農業労働者の血液や尿から検出されている。土壌細菌はグリホサートをアミノメチルリン酸に分解する。中毒後に血液からアミノメチルリン酸が検出されることは、人間の消化器内微生物がグリホサートを代謝することを示している。
グリホサートやグリホサート製剤がほ乳類で DNA や染色体傷害を誘発する。グリホサート製剤散布後に、いくつかの地域の住民で染色体傷害の血中マーカー(小核)の増加を示している。

またグリホサートやグリホサート製剤、代謝物アミノメチルリン酸が齧歯類やイン・ビトロで酸化ストレスを誘導する。
以上のことから、国際がん研究機関の作業グループはグリホサートをグループ 2A「ヒトにおそらく発がん性がある」と分類した。
この IARC の判断はグリホサートの製造業者からの反対を受け、IARC のモノグラフに掲載させないための製造業者の努力が見られたと報道されているが、IARC の公式文書としてモノグラフ(IARC monograph)の 112 巻に、2015 年 7 月 29 日、公表された(IARC2015a)。