83;科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂版) | 化学物質過敏症 runのブログ

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・7.1.2. 日本の建築物衛?法と空気環境管理基準
日本では、戦後、経済の発展、人口の都市への集中、建築技術の目覚ましい進歩等に伴って、都市部を中心に大規模な建築物が多く建設され、ビル等の建築物の中で 1 日の大半を過ごす人々が飛躍的に増大しました。そして、不適切な建築物の維持管理に起因する健康への影響事例が 1960 年代にいくつも報告されたことから、建築物の維持管理に関し環境衛生上必要な事項等を定めることにより、建築物における衛生的な環境の確保をはかり、公衆衛生の向上及び増進に資することを目的として、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)が 1970 年(昭和 45 年)に制定されました。
この法律では、建築物環境衛生管理基準を規定し、空気環境の調整、給水および排水の管理、清掃、ねずみ・昆虫等の防除に関し、環境衛生上良好な状態を維持するために必要な措置を規定しました。

空気環境の調整に関する基準では、浮遊粉じん、一酸化炭素、二酸化炭素、温度、相対湿度、気流、ホルムアルデヒドに対して管理基準が設定されました。
建築物環境衛生管理基準は、建築物内部の人工的な総合環境を網羅した管理基準であり、この管理基準を遵守するため、建築物の所有者は権原者として管理技術者を選任し、管理項目に沿った維持管理を実施する義務が課せられています。日本では、この法律の施行によって、シックビルディング症候群の発生が抑えられてきたと考えられています。

しかし、温度、相対湿度、二酸化炭素について、建築物衛生法の管理基準に適合しない特定建築物の割合(不適率)が 1999 年頃から上昇しています(図 7.1.1.)。