12:科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版) | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3.2.2. ⼀般住宅におけるシックハウス症候群
日本の 6 地域(札幌地区、福島地区、名古屋地区、大阪地区、岡山地区、および北九州地区)において住宅の建築確認申請から無作為に抽出した築 6 年以内の住宅 2282 軒を対象とした調査では、図3.2.1.に示す MM 調査票が用いられています。

各住宅に「何らかの症状がいつもあり、かつその症状は住宅を離れるとよくなる」居住者がいる割合は全国平均 2.0%(地区別には 0.6~3.1%)、また「何らかの症状がいつも、あるいは時々あり、かつその症状は住宅を離れるとよくなる」は全国平均3.7%(地区別には 1.4~5.7%)でした。

ただし、回答率が 41%であったことを考慮し、調査票を回収できなかった住宅には症状がある居住者がいないという可能性を考えた場合は、それぞれの全国平均は 0.8%と 1.8%でした。

症状の訴えが最も多いのは「鼻がつまる、鼻水がでる、鼻がムズムズする」といった鼻症状で、次いで「頭痛、易疲労感、だるさ、集中力の欠如、不快感、吐き気、嘔吐」などの精神・神経症状、「声がかすれる、喉が乾燥する、咳が出る、深呼吸ができない」などの喉・呼吸器の症状となっています。札幌市の新築戸建住宅 96 軒の全居住者 317 人に行った調査では、いずれかの症状の有症率が 33%でした。

これは同一住宅に住む複数の居住者が回答している調査であることから、上記の戸建て住宅あたりの有症率よりも高かったことが考えられます。

北海道旭川市では市営および道営の公団住宅 480 軒を対象に調査が実施されました。

シックハウス症候群のいずれかの症状を呈した有症率は 19.4%でした。最も多い症状は鼻症状の 12.5%でした。

日本で MM 調査票を用いて行われた研究の有症率を、表 3.2.1.に示しました。