『化学物質過敏症』とは何か?2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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Ⅲ.症 状
 MCS/ 化学物質過敏症として報告されている症状は多彩である10)。粘膜刺激症状(結膜炎,鼻炎,咽頭炎),皮膚炎,気管支炎,喘息,循環器症状(動悸,不整脈),消化器症状(胃腸症状),自律神経障害(異常発汗),精神症状(不眠,不安,うつ状態,記憶困難,集中困難,価値観や認識の変化),中枢神経障害(けいれん),頭痛,発熱,疲労感等が同時にもしくは交互に出現するとされている。
Ⅳ.診断基準
 1999年コンセンサス11)では,

①慢性の経過をたどる,

②再現性をもって症状が出現する,

③微量な化学物質に反応を示す,

④関連性のない多種類の化学物質に反応を示す,

⑤原因物質の除去で症状は改善される,

⑥症状は複数の器官,臓器にまたがる,が挙げられた。

表1にわが国で提唱されている診断基準を示すが,検査所見は普通の医療機関では実施困難であり,結局は,症状から診断するほかないのが実情とされる。診断の最も参考にすべき点は,化学物質への曝露歴の有無と症状の再現性,他疾患の除外といわれている。
Ⅴ.患者の臨床的特徴
 化学物質過敏症患者の頻度に関しては,0.5-6.3%と報告されている5)。
 性差に関しては,圧倒的に女性患者の割合が高い(約80%)5, 6)。40歳代の女性に最も多く,次いで30歳代,50歳代の女性に多い12,13)。80%以上の患者は,何らかのアレルギー疾患を有している。
アレルギー性鼻炎の合併が多く,次いで,アトピー性皮膚炎が多いとされている。
Ⅵ.治 療
 治療法については,以下のように考えられている14)。
1)原因物質からの隔離:最も重要である。
2) 薬物治療:抗酸化作用のあるビタミンCや一酸化窒素除去作用のあるビタミンB12,解毒作用のあるグルタチオン等を投与する。
3) 合併疾患の治療:個々の臓器に障害がある場合は,各専門医に治療を依頼する。
4) その他:必要に応じて,精神科医や心理カウ表1 化学物質過敏症の診断基準(平成8年度厚生省(現厚生労働省)長期慢性疾患総合研究事業アレルギー班)必ず他の疾患を除外し,症状と検査所見をあわせて判定する。
A.主症状
①持続あるいは反復する頭痛
②筋肉痛,あるいは筋肉の不快感
③持続する倦怠感,疲労感
④関節痛
B.副症状
①咽頭痛
②微熱
③下痢・腹痛,便秘
④羞明,一過性の暗点
⑤集中力・思考力の低下,健忘
⑥興奮,精神不安定,不眠
⑦皮膚のかゆみ,感覚異常
⑧月経過多などの異常
検査所見
①副交感神経刺激型の瞳孔異常
②視覚空間周波数特性の明らかな閾値低下
③眼球運動の典型的な異常
④ SPECT による大脳皮質の明らかな機能異常
⑤誘発試験の陽性反応
主症状2項目+副症状4項目,または,主症状1項
目+副症状6項目+検査所見2項目陽性で診断する。
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