2.食品香料に係わる規制
食品添加物の規格や基準については、それぞれの国の法律により定められており、各国間で相違点もある。
また、食品添加物を使用することができる食品についても、各国の食文化により違いが生じる。
国際的な貿易が盛んとなり、食品の輸出や輸入が増大する中で、食品の安全性を確保しつつ、規制の国際的な整合化が必要である
2.1.国際的な規制・組織
2.1.1.コーデックス委員会とコーデックスアリメンタリウス
国際的には、国連のFAOとWHOが食品の国際間の流通を公正にし、消費者の健康保護を図ることを目的として発足したCODEX委員会(CAC)があり、国際食品規格集(CA=codex alimentations)の策定を含む食品規格計画を推進している。CACの下部部会である食品添加物部会(CCFA)で加盟国からのさまざまな要望が議論され、各国共通の基準や規格の採択を目指した検討が行われている。
JECFA(FAO/WHO合同の食品添加物に関する専門家会議)は独立した専門家による組織であり、コーデックス委員会から出される要望に従って食品添加物の安全性評価と規格の策定を行っている。
JECFAの作成する規格はCCFAが審議しCACで採択する。日本もこれらの活動に参加している。
【図表2】CODEX委員会における食品添加物関連事項の審議過程
出典:「食品添加物に関するホームページ」、厚生労働省ホームページ 2006年8月23日検索、http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syokuten/gaiyo.html
JECFAにおける評価方法は、香料と他の添加物とでは大きく異なっている。
つまり、一般の食品添加物については個々の物質の持つ安全性データに基づきADI(許容一日摂取量)を決定する方法が採用されているが、一方香料については化学構造、代謝等の観点からの類似性でまずグループ分けを行い、その各グループに属する類似の物質の安全性データや個々の物質ごとの人体中での代謝・摂取量などを考慮して、香料としての使用における安全性を総合的に評価する方法をとっている。