総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値について
厚生労働省は、複数の化学物質の混合物の濃度として「総揮発性有機化合物(TVOC)」の暫定目標値を「400マイクログラム/m3」と定めています(平成12年12月22日)。
この値は、国内の家屋における、室内空気中の揮発性有機化合物(VOC)濃度の実態調査の結果をもとに、合理的に達成可能な限り低い範囲で設定された値であり、科学(毒性学)的知見から決定されたものではありませんが、室内空気質の状態の目安として定められたものです。
室内空気中の揮発性有機化合物を全体として低減化させるための補完的な指標として、参考にすべき値といえます。
≪VOCとは≫
揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略で、常温で揮発し、空気中に含まれている化学物質をいいます。
WHOは、室内空気汚染の可能性がある有機化合物を、沸点により次のように分類しています。
分類 略記 沸点
超揮発性有機化合物 …ホルムアルデヒドなど VVOC <0 ~ 50-100℃
揮発性有機化合物 …トルエン、キシレンなど VOC 50-100 ~ 240-260℃
半揮発性有機化合物 SVOC 240-260 ~ 380-400℃
粒子状物質 POM >380℃
シックハウス症候群を予防するために
効果的な換気を行いましょう
シックハウス症候群の原因となる化学物質は、換気を効果的に行うことにより減らすことができます。
≪効果的な換気のポイント≫
窓を2か所以上開けたり、換気扇や換気口を有効に利用して、空気の出入り口を2方向に作り、空気の通り道ができるようにしましょう
換気用の小窓や給排気口を家具等でふさがないよう注意しましょう
空気の流れのじゃまにならないように家具を配置しましょう
換気扇のフィルターやファンの掃除はこまめに行いましょう
身の回りの化学物質の使用に注意しましょう
発生源を室内に持ち込まないようにしましょう
防虫剤、芳香剤、殺虫剤などからも化学物質が発生します。適正な使用量を守って使用しましょう。
タバコの煙に注意
タバコの煙には有害物質が含まれています。
タバコを吸う場所を限定し、換気を十分に行いましょう。
ストーブの使用に注意
石油やガスを使う開放型のストーブは、一酸化炭素や窒素酸化物を含む有害な燃焼ガスを発生します。
換気を十分に行いましょう。
建築基準法等によるシックハウス対策について
建築基準法の改正(平成15年7月1日施行)により、建築物を設計・施工する際のシックハウス対策について定められました。
詳しくは 国土交通省のホームページをご覧ください。
厚生労働省の化学物質安全対策室でもシックハウス対策に関する情報提供を行っています。
詳しくは化学物質安全対策室のシックハウス対策のページをご覧ください。
横浜市における多数人利用施設のシックハウス対策
横浜市では、多数の市民が利用する施設でのシックハウス症候群を防止する取組を進めています。
【公共建築物(横浜市が建設又は管理する施設)】
庁内連絡会議「横浜市公共建築物等シックハウス対策連絡会議」(事務局:健康福祉局生活衛生課)で検討を行っているほか、全庁的な取組指針として「横浜市公共建築物シックハウス対策ガイドライン」(平成16年4月7日副市長依命通達)を制定し、これに基づくシックハウス対策を行っています。
【公共建築物以外】
民間建築物を含む多数の市民が利用する施設を対象とする取組指針「横浜市建築物シックハウス対策ガイドライン」を、平成17年12月20日に制定しました。
横浜市公共建築物等シックハウス対策連絡会議
健康福祉局、建築局、教育委員会事務局等の10局、19課で構成する庁内連絡会議で、シックハウス対策の推進に必要な事項について検討を行っています。
平成14年に設置し、平成24年3月までに計30回開催しています。