Ⅳ 試験結果
1. 0512A、0512B、0512Cおよび0512Dロット間の比較
0512A、0512B、0512Cおよび0512D間における実験ロットの違いによる差が無いことを確認する目的で、それぞれの第1群(無処置対照群)間における比較を行った。
1.1 体重(TABLE 1.1)
妊娠ラットの体重には、0512A、0512B、0512Cおよび0512Dロット間に有意な差は認められなかった。
1.2 摂餌量(TABLE 1.2)
0512Aロットとの比較では、0512Bロットにおいて実験第1、4および11日に、
0512Cロットにおいて実験第8日に、また、0512Dロットにおいて実験第11日に有意な低値を認めた。
0512Bロットとの比較では、0512Cロットにおいて実験第4および11日に有意な高値を、実験第8日に有意な低値を認め、また、0512Dロットにおいて実験第1および4日に有意な高値を認めた。
0512Cロットとの比較では、0512Dロットにおいて実験第8日に有意な高値を、実験第10、11および13日に有意な低値を認めた。
1.3 帝王切開時検査(TABLE 1.3)
妊娠黄体数、生存胎児数および生存胎児体重いずれにおいても0512A、0512B0512Cおよび0512Dロット間に有意な差は認められなかった。
以上より、摂餌量において散発的に差が認められたものの、他のいずれの項目においても第1群間に有意な差が認められなかったことから、0512A、0512B、0512Cおよび0512Dにおける実験ロットの違いは無いと判断した。従って、結果の評価は0512A、0512B、0512Cおよび0512Dロットを合わせて行った。
2. ロット別の結果
2.1 0512Aロット
2.1.1 一般状態(TABLE 2.1.1)
妊娠ラットの一般状態に異常は認められなかった。
2.1.2 体重(TABLE 2.1.2)
妊娠ラットの体重には、実験期間を通じて有意な差は認められなかった。
2.1.3 摂餌量(TABLE 2.1.3)
第2群(偽ばく露群)において、第1群(無処置対照群)と比較して実験第12日に有意な低値が認められた。
2.1.4 帝王切開時検査(TABLE 2.1.4)
妊娠ラットの肉眼的病理学検査において、水頭症が第2群(偽ばく露群)に1例認められた。
妊娠黄体数、着床痕数、胚・胎児死亡率、生存胎児数、生存胎児性比、生存胎児体重、生存胎児胎盤重量および生存胎児外表異常率いずれにおいても有意な差は認められなかった。外表異常を有する胎児が、第4群(2.0 W/kg群)に1例(腹壁裂)認められた。
2.2 0512Bロット
2.2.1 一般状態(TABLE 2.2.1)
妊娠ラットの一般状態に異常は認められなかった。
2.2.2 体重(TABLE 2.2.2)
妊娠ラットの体重には、実験期間を通じて有意な差は認められなかった。
2.2.3 摂餌量(TABLE 2.2.3)
摂餌量には、実験期間を通じて有意な差は認められなかった。
2.2.4 帝王切開時検査(TABLE 2.2.4)
妊娠ラットの肉眼的病理学検査において、異常は認められなかった。
妊娠黄体数、着床痕数、胚・胎児死亡率、生存胎児数、生存胎児性比、生存胎児体重、生存胎児胎盤重量および生存胎児外表異常率いずれにおいても有意な差は認められなかった。
外表異常を有する胎児が、第3群(0.67 W/kg群)に2例(胎盤癒合)認められた。
2.3 0512Cロット
2.3.1 一般状態(TABLE 2.3.1)
妊娠ラットの一般状態に異常は認められなかった。
2.3.2 体重(TABLE 2.3.2)
妊娠ラットの体重には、実験期間を通じて有意な差は認められなかった。
2.3.3 摂餌量(TABLE 2.3.3)
第2群(偽ばく露群)において、第1群(無処置対照群)と比較して実験第13日に有意な低値が認められた。
2.3.4 帝王切開時検査(TABLE 2.3.4)妊娠ラットの肉眼的病理学検査において、異常は認められなかった。
妊娠黄体数、着床痕数、胚・胎児死亡率、生存胎児数、生存胎児性比、生存胎児体重、生存胎児胎盤重量および生存胎児外表異常率いずれにおいても有意な差は認められなかった。
外表異常を有する胎児は、いずれの群においても認められなかった。
2.4 0512Dロット
2.4.1 一般状態(TABLE 2.4.1)
妊娠ラットの一般状態に異常は認められなかった。
2.4.2 体重(TABLE 2.4.2)妊娠ラットの体重には、実験期間を通じて有意な差は認められなかった。
2.4.3 摂餌量(TABLE 2.4.3)第2群(偽ばく露群)において、第1群(無処置対照群)と比較して実験第7日および14日に有意な低値が認められた。
2.4.4 帝王切開時検査(TABLE 2.4.4)
妊娠ラットの肉眼的病理学検査において、異常は認められなかった。
妊娠黄体数、着床痕数、胚・胎児死亡率、生存胎児数、生存胎児性比、生存胎児体重、生存胎児胎盤重量および生存胎児外表異常率いずれにおいても有意な差は認められなかった。
なお、外表異常を有する胎児が、第1群(無処置対照群)に1例(矮小)、第2群(偽ばく露群)に1例(矮小および全身浮腫)および第3群(0.67 W/kg群)に1例(矮小)認められた。
3. 全体の結果
0512A、0512B、0512Cおよび0512Dロットの結果を合わせて電磁波の頭部への局所的ばく露による影響を評価した。