51:電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査 | 化学物質過敏症 runのブログ

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9.1 電磁波照射実験予備検討
(妊娠動物の保定器によるストレスの影響)

Ⅰ 要 旨
携帯電話等で用いられる電磁波(2GHz帯高周波電磁波)の妊婦へのばく露による胎児の発生への影響を検討する試験の予備検討として、妊娠ラットを保定器で拘束することによる胎児の発生への影響について検討した。

妊娠ラット4匹を器官形成期である妊娠7日から17日まで保定器に入れ、電磁波ばく露箱内(暗条件下)に1日1.5時間拘束した。

対照群として、拘束しない群(4匹)を設けた。

母動物については妊娠期間中(妊娠7~20日)の体重を測定し、妊娠20日にエーテル麻酔下にて帝王切開を行った。
帝王切開時に妊娠黄体数、着床痕数、生存胎児数および胚・胎児死亡数を調べた。

生存胎児は性別判定、重量測定および外表観察を実施した。
保定期間中、母動物の一般状態には拘束の影響は観察されなかった。

体重では、保定群は対照群と比較して保定期間中約10g程度の低値を認め、拘束による影響と判断されたが、保定期間終了2日後には対照群と同程度に回復した。

母動物の肉眼的病理学検査においては異常を認めなかった。
妊娠20日の母動物を帝王切開し、子宮内の状態を調べた結果、妊娠黄体数および着床痕数ともに拘束による低値を認めなかった。

さらに、生存胎児数についても拘束による低値を認めず、生存胎児性比、生存胎児体重および胎盤重量にも拘束による影響を認めなかった。

また、生存胎児外表観察においても異常を認めなかった。

胚・胎児死亡数については、自然発生性と考えられる早期吸収胚を対照群および保定群の母動物各1例に認めたが、後期吸収胚および死亡胎児についてはいずれの群においても認めなかった。
以上の結果より、母動物の体重増加は拘束により軽度抑制されたものの、胎児の発生には影響しないことが示された。1

Ⅱ 研究目的
この試験は、「9.2 妊娠ラットの生殖機能(妊娠維持)および胚・胎児発生による2GHz帯電磁波ばく露の修飾作用」実験の予備検討として、妊娠動物を妊娠7日から17日まで保定器に入れ、その拘束ストレスによる胎児の発生に及ぼす影響について検討
した。