50:電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

2. 妊娠ラットの頭部に2GHz帯高周波電磁波を照射することによる、妊娠ラッ
トの生殖機能および胚・胎児発生に対する影響
携帯電話等で用いられる電磁波(2GHz帯高周波電磁波)の頭部への局所的ばく露による妊娠ラットの生殖機能(妊娠維持)および胚・胎児発生に対する影響を検討する目的で、妊娠ラットに器官形成期である妊娠7日から17日まで2GHz帯高周波電磁波(脳平均SAR=0.67および2.0 W/kg)を照射し、胎児の検査を行った。

照射は、妊娠ラットを妊娠7日から17日まで保定器に入れ、電磁波ばく露箱内(暗条件下)で1日1.5時間、午前中に1回行った。

対照群として保定器に入れるが照射しない群(偽ばく露群)および、保定器に入れない群(無処置対照群)を設けた。

妊娠ラットについては妊娠期間中(妊娠7~20日)毎日体重および摂餌量を測定し、妊娠20日にエーテル麻酔下にて安楽死後、帝王切開を行った。

帝王切開時に肉眼的病理学検査を行い、妊娠黄体数、着床痕数、生存胎児数、胚・胎児死亡数を調べた。

生存胎児は性別判定、胎盤重量測定、胎児重量測定および外表観察を実施した。さらに、内臓検査および骨格検査を実施した。
照射期間中、妊娠ラットの一般状態、体重および摂餌量いずれにおいても異常は認められず、肉眼的病理学検査においても電磁波ばく露の影響は認められなかった。
帝王切開時の検査において、生存胎児数は、無処置対照群と比較して偽ばく露群で有意に多かったが、偽ばく露群と電磁波照射群との間には差は認められず、電磁波ばく露の影響はないと考えられた。

また、妊娠黄体数、着床痕数、胚・胎児死亡率、生存胎児性比、生存胎児体重、生存胎児胎盤重量および生存胎児外表異常率いずれにおいても電磁波ばく露の影響は認められなかった。

さらに、胎児の内臓検査および骨格検査(骨化進行度を含む)においても電磁波ばく露の影響は認められなかった。
以上、携帯電話等で用いられる電磁波(2GHz帯高周波電磁波)の頭部への局所的ばく露による妊娠ラットの生殖機能(妊娠維持)および胚・胎児発生に対する影響を検討した結果、電磁波ばく露の影響は見られなかった。
詳細については、「9.2 妊娠ラットの生殖機能(妊娠維持)および胚・胎児発生に対する2GHz帯電磁波ばく露の修飾作用」を参照。